フェアリー・ガラ

赤い絨毯がひかれたランウェイと、立派な玉座が置いてあった。

ジャミル「ファッションショーの特等席だな」

レオナ「あれがこの会場のボス……女王の座る椅子だろうな」

ジャミル「ええ。つまりラギー達がティアラのすり替えを行う場所だ」

監督生「…あ、いや…あ、あそこって…!?」

グリム「ラッ……ランウェイのど正面じゃねーか!!!!!」

玉座が置いてあるのはランウェイの目の前。
隠れるところ何て、玉座の裏くらいだ。

しかも、他の妖精の座る席もある為…少しでも近づけば、失敗してしまう・・・。

ラギー「あんな目立つとこでティアラをとったらオレ達妖精に捕まっちまうッスよ!」

レオナ「すぐ近くに亜熱帯ゾーンがあるだろ。
ティアラを手に入れたらすぐあそこに逃げ込めばいい。その先をまっすぐ行きゃ裏口だ」

監督生「…流石毎度サボっているだけありますね」

レオナ「あぁ?」

監督生「いえ何も…。」

「えっと、裏口は植物に囲まれていますし、彼らの死角にもなりますね」

ラギー「レオナさん人事だからって簡単に言いますけどね~!
作戦失敗したら捕まって絞られんのはオレと監督生くん達なんスからね」

レオナ「うっせーな……失敗する可能性ばっかり考えてピーピー言うな」

「可能性は0ではないですから…‥…大丈夫……?」

ラギー「疑問形やめて欲しいッス」

ハッキリ言えないのが悲しい…と思っていたら、レオナさんがまた私の頭をそっと撫でる

レオナ「俺がそうさせないから大丈夫だっつってんだよ。それに、ロゼッタの歌はここにいるやつ全員が聞き惚れるだろうぜ。」

「そ、そんなこと・・」

ラギー「…もー!その言葉、絶対に忘れないでくださいね!?それとロゼッタちゃんはもっと自信を持つッスよ」

カリム「ああ、任せてくれ」

ジャミル「それじゃあ、二手に分かれるぞ」

ファッションショーに参加するチームと、ティアラ奪還するチームで別れた。

__植物園 亜熱帯ゾーン

ラギー「監督生くん、グリムくん。よく聞いて。
女王の頭から本物のティアラを取って、偽物を乗せるのは、一番手先が器用なオレがやるッス。
グリムくんは警備員が来ないか見張る係。
監督生くんはショーをよく見て、ティアラをすり替えるタイミングでオレに合図して下さい」

監督生「あ、合図?」

ラギー「オレのスマホに、1秒コールして。
番号はコレ。音は切ってあるから安心していいッス」

監督生はスマホを取り出し、ラギー先輩の番号をすぐさま登録する。
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