フェアリー・ガラ

鈴の音が強くなる…どうやら腹痛みたい。

カリム「腹痛なら……ええっと確か……」

監督生「持ってるんですね」

カリム「あぁ、万が一のために、オレがいつも持っている腹痛用魔法薬だ!
ジャミルが薬草を使って作ってくれたんだ。飲んでみろよ。きっとすぐ良くなるぜ」

カリム先輩は指に1滴たらし、私の掌に乗る妖精に飲ませた。
その薬を飲んだ途端、パチッと目を開いた妖精は掌から立ち上がる。

__【チリーン!リリン!】

カリム「わっ!?ど、どうした?急に立ち上がって…」

すると、妖精はどこからかトンカチを取り出し、何かを作り出した。
そして完成させた銀色の鈴のようなものを、私とカリム君に押し付けてくる。

「え?く、くれるの?」

カリム「怒ってんのか!?」

おずおずとその鈴を受取る…と。

__【違います!!

  お礼を言いたかったんです!!!】

突然、聞こえた妖精の言葉に驚いた。

__【すぐにお腹の痛みがひきました。お薬をありがとう】

カリム「そ、それはいいけど……」

ジャミル「なんだ?急に言葉がわかるようになったぞ」

「この鈴のおかげかしら?」

カリム君と共に、渡された銀色の鈴を見る。
すると妖精が【そうですよ!】と声を出す。

__【その翻訳機のお蔭に決まってるじゃないですか。

  大きな種族と小さな妖精と話すには専用の翻訳機が必要です】

…そうなの?

精霊のみんなはこれがなくても話せるのはどうして?妖精だから、精霊とは違うのかしら…

__【沢山の妖精が集まるフェアリーガラでは欠かせない道具ですよ。

  もしかしてお家に忘れてきてしまったんですか?

  うっかりさんですね」

カリム「へー、そうなのか。知らなかっ」

監督生「カリム先輩!!」

カリム君の口をユウは塞いだ。良い判断だと思う
そして、ジャミル君がその前に立つ。

ジャミル「そうなんです。大切なものなのに、
全員うっかり忘れてきてしまって困っていたところで」

ラギー「いやぁ~、本当にうっかりしちゃってたッスねぇ!」

レオナ「それにしても、これだけのものをこんな短時間で作れるなんて……お前、何者だ?」

__【大したことじゃありませんよ。


  だって私は"ものづくりの妖精"ですから!】
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