フェアリー・ガラ

そして、レオナさんの肩や手に大きな花を置いて、小顔効果を…と話す2人。
とうとう真ん中のレオナさんが怒った。

レオナ「うっとうしい!!!!」

ドンッと2人を突き放すレオナさん。
しのごの言わず一回やらせろ、と指図する…かなりストレスたまっている。

これでポージングできるのかな?と思っていたら………。

「「「!?」」」

「きれい・・・」

思わず感嘆な声が出る。
それほどまでにレオナさんの見せたポージングは綺麗だったからだ。

ルークさんやケイトさんも大絶賛。

ヴィル「…確かに、悪くはない」

レオナ「ハハッ!そうだろ?んじゃ、今度こそレッスンは終わり…」

ヴィル「でも…」

ヴィル先輩のその言葉に皆「でも?」と繰り返す。

ヴィル「……普通ね」

その一言に皆驚愕し、何より驚いていたのはレオナさんだ。

レオナ「この俺に…ここまでさせておいて、普通、だと!?」

ヴィル「“普通”に綺麗だと思ったわ」

アッサリ言いのけるヴィルさん。
彼が言うには、まだ何かが足りないらしい。

だけど、その何かが分からなくて、参っているともいう。

じゃあどうすれば…え?

「あ、あのレオナさん?」

レオナ「とっとと行くぞ」

「え、ちょっと!?」

ケイト「…あれ?ロゼッタちゃん!?レオナ君!?」

レオナ「飽きた」

「え、待ってくだs!?」

レオナさんに担ぎ上げられ、攫われた。

あのままレオナさんに連れ攫われ、サバナクロー寮の自室へ。
そのままベッドに寝転がるレオナさんと、抱き枕のようになっている私

「疲れちゃいましたか?」

レオナ「ああ」

ドンドンと寮長室の扉が叩かれる。
どうやらヴィル先輩達が着た様子。

「誰か来たみたいですよ?」
レオナ「ほおっとけ」

知るか、といった様子で寝息を立て始める獅子。

ラギー「レオナさん、いつも出窓の鍵は開けっ放しッスよ」

その言葉を聞くや、出窓から侵入するヴィルさん達。

ルーク「お邪魔するよ、レオナ君」

ヴィル「布団をかぶって、ロゼッタを抱き枕にスヤスヤお休み何て…良いご身分ね」

レオナ「ラギー…テメェ…!」

ラギー「しょ、しょうがないじゃないッスか!
レオナさんのせいでショーが失敗したら、ティアラをすり替えるオレが困るし…。

ほら、ロゼッタちゃんを放して!よいしょっと!」

ラギーくんの手で抱き枕から解放される。

レオナ「一度はお前等の指示に従ったぜ。なのに少しも先に進まねぇじゃねぇか」

それを言われ、「それは…」となるルークさんとケイトさん。

レオナ「これ以上、無駄な努力をするのはごめんだ…寝る」

そう言い、ヴィルさんの手から布団を奪い返し、布団にくるまった。

…努力しても報われない思いがあるからこそ、この努力が嫌なのね。
でも、子供じゃないんだから…と思っていたらヴィルさんが笑い出した。

ヴィル「ふふ…ふふふっ!

きたわ!インスピレーション!!!」

「え?」

ヴィル「ラギー、レオナの事をお願い。行くわよ、ロゼッタ!
今のうちに準備するわ!」

「え、…えぇ!?」

抱き枕の次はヴィルさんに引っ張られるのであった。

*フェアリーガラ ジャミル パソスト ネタバレあり

月日が流れ、フェアリーガラの前日。
最後の大締めにかかっていた。

グリム「おーい、ロゼッタ、子分」

「あ、グリム君」

グリム「お使いが疲れたんだゾ‥‥明日は本番だけど、どーだ?」

ラギー「見りゃわかるッスよ」

飲み物の買い出しを頼んだグリム君の頭を撫で、「ストーップ!!」と言われている3人を見る。

とてもじゃないけど、明日本番とは思えない。

グリム「おいおい、あれで大丈夫か?」

監督生「初日よりマシ」

ラギー「それ言っちゃ終わりッスよ」

ヴィル「カリム、アンタ一度も間違えずに最後まで踊れてないじゃない」

カリム「うぐっ!?」
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