フェアリー・ガラ

止めるも束の間、ビシャッとレオナさんの頭に載っていた花瓶が落下し、
頭からずぶぬれに…。

因みに本日6回目だ。

グリム「レオナが……水浴びしたみてぇにびちゃびちゃになってるんだゾ……」

「……これで6回目なの」

ラギー「え!?マ、マジ!?」

レオナさんは無言でヴィルさんを睨んでいる。

ヴィルさんは臆する事なく「やり直し」と無情に告げる。

ヴィル「あ、心配いらないわよ。水のおかわりはいくらでもあるから」

レオナ「……!!!!あーもうやめだッ、やめ!!!!!!!!!!

一生冬だろうがなんだろうが知らねえよ。こんな馬鹿馬鹿しいことやってられるか」

「え!?」

レオナさんがレッスンルームから出て行こうとするので、慌てて扉の前に。

レオナ「どけ」

「い、嫌です!元に戻すとお義父様と約束しましたから」

レオナ「っ・・・ど・け」

「ひやでふいやです」

頬をギューッと引っ張られるが、扉の前に立ち続ける。

ラギー「レオナさんはダメダメ。カリムくんとジャミルくんのダンスもガタガタ……
こんなんで本当に、フェアリーガラに間に合うんッスか?」

グリム「アイツらが会場の視線を奪わねえと、
ピンチになるのはティアラを奪うオレ様達なんだゾ」

監督生「作戦、変えた方がいいんでしょうか?」

と、ユウが言ったらヴィルさんが魔法でレオナさんのお尻を叩く。
「痛ぇ?!」と声を出し、レオナさんの手が離れる。

ヴィル「原石の顔を傷つけようとするんじゃないわよ。
作戦を変える?何も問題ないわ。

アタシのモデル精神にかけて"ティアラも視線も独り占め大作戦"は成功させてみせる」

ラギー「でも、一体どうやって?」


ヴィル「成功する方法は、たった1つ」

物凄い美しい笑みを向けるヴィルさん……何だかちょっとぞっとしてしまった。
そして、次の瞬間、彼はマジカルペンを構えた。

ヴィル「……ひたすらビシッバシ!!!!!!!

体に正解を覚え込ませるのよ!!!!!」

そして、パシッ!と鞭のような音が響き、
レオナさんとカリムくんとジャミルくんのお尻が叩かれた。

「「「うわぁあ!?」」」

それは行ったのはヴィル先輩の魔法。
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