フェアリー・ガラ

監督生SIDE

何でこの2人かというと、今回の祝祭のテーマがエキゾチックだからであるとか。


そして、サムさんが妖精の粉という妖精になれるという粉を持って現れたので、
それを使い、フェアリーガラへ潜入するという訳だが……。

何で、サムさんが持っていたんだろうか?

「…一先ず、レオナ先輩達が呼ばれた理由と、学園がこうなった理由は理解できました。
で、何で私とグリム君を呼んだんですか?」

クロウリー「そんなの彼らの監視…ゲフン、まとめ役として呼んだんですよ!」

「ロゼッタさんがいるじゃないですか!!」

それにロゼッタさんが監視できなくても…

「ラギー先輩とジャミル先輩だけで十分でしょう」

カリム「おう!ジャミルも呼ぶんだぜ!」

ロゼッタ「カリム君。ジャミル君に相談したの?」

カリム「ん?大丈夫だろ!」

「…‥レオナ先輩は…」

レオナ「んなもんする訳ねぇ」

ロゼッタ「いざとなったら、私がラギー君を説得するわ」

彼らのオカン…いや、子分+従者が苦労するな。
ジャミル先輩、こないだオバブロしたばかりで大丈夫かな…?

…‥‥…まぁ、祈ろう。

クロウリー「いいですかユウ君、グリム君!
潜入班のみんながフェアリーガラで問題を起こさないよう見張ってください!ロゼッタはさほど心配してませんが…」

「もう見張りって言っちゃってるじゃないですか…」

クロウリー「これは貴女達の腕がかかっていますからね!頼みましたよ!?」

チラリともう一度メンツを見る。


ニコニコと笑うカリム先輩と、心底面倒くさそうに欠伸をしているレオナ先輩。それと私に微笑んでくれるロゼッタさん


…………ロゼッタさん以外・・・・・凄い、不安。

****

__オンボロ寮

ジャミル「カリム!!
お前はどうして面倒事を安請け合いしてくるんだ!?
そういう時は"一度持ち帰って検討します"と言えと教えただろ!」

ラギー「レオナさん!!
オレを面倒事に巻き込まないでください!
どうせ、面倒な事は全部オレに押し付けようって魂胆でしょ!」

寒い学園長室から真夏のオンボロ寮へ戻る一同。

ラギー先輩とジャミル先輩を呼び出し、
ことの成り行きを説明すると…彼らは自分達の主人にこのように吠えている。

まぁ、当然だろうな…。

カリム「でも、みんな困ってたみたいだし。オレ達全員で力を合わせればきっと大丈夫だよ」

レオナ「うるせぇな……俺だってやりたかねぇよ」

カリム「でも妖精の祭りだぜ?一度見てみたいと思わないか?」

ジャミル「カリム、事の重大さがわかっているのか?遊びに行くんじゃないんだぞ」

ラギー「オレを参加させたいなら、最低時給1000マドルはバイト代出してください。
話はそれからッス」

ロゼッタ「そういう問題なの?」

ロゼッタさんの言うとおりだ。お金の問題で変わるのか、この人は…。

グリム「みんな言い争ってて、めちゃくちゃなんだゾ」

「このままじゃ仲良く留年ですよ」

「「うっ!」」

私の言葉に吠えていた2人も口を閉ざす。

ロゼッタ「ユウという通り。フェアリー・ガラが終わるまで空調はこのままになってしまう・・・」

ラギー「それは……」

ロゼッタさんがそう言うとジャミル先輩は「それは困ります」と呟き、考え込む。
そして、「はぁ」と溜息を吐いた。

ジャミル「確かに、このままじゃ時間の無駄だな。どうせもう断れない。
ロゼッタ様の言う通り、腹をくくって潜入した後の計画を立てよう」

カリム「計画?ティアラを偽物とすり替えればいいんじゃなかったっけ」

「カリム先輩、それは計画じゃなくて目的です」

ジャミル「ティアラは女王の頭の上に乗っているんだろう?
どうやってすり替えるか、その手段を相談する」

カリム「魔法を使って、気づかれないようにそっと浮かせて取ればいいんじゃないか?」

ジャミル「妖精は人間よりも魔法に敏感だ。マレウス先輩を見ていればわかるだろ?」

ジャミル「相手は妖精の郷の女王。魔法を使えばすぐにバレると思ったほうがいい」

レオナ「その通りだな」

ラギー「つか、魔法士が魔法使っちゃダメって……最初から詰んでる感あるッスねぇ」

レオナ「ばーか……だからお前がいるんだろうが、ラギー」

ラギー「オレ?」

レオナ先輩に名指しされて、目を丸くするラギー先輩。
だが、彼はニヤリと笑ってポケッとしているラギー先輩に言い放つ。

レオナ「テメェが、女王の頭に乗ってるティアラを偽物をすり替えるんだよ。
……その手で、直接な」

ラギー「……えええ!!!!オレ!!!???」

レオナ先輩の口から出た作戦に、ラギー先輩は驚愕の声を上げる。
勿論、私達も目を見開き、驚いている。
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