フェアリー・ガラ

監督生SIDE

オンボロ寮が暑すぎる問題が発生。学園長室に来てくれ、と言われたから来たけど…

「お、お待たせしました」

グリム「オンボロ寮が砂漠みてぇに暑いんだゾ~!
このまんまじゃオレ様達もオンボロ寮にいられねえ~!」

「学園長、今回は何をしたんですか?」

クロウリー「おぉ、待っていましたよ、お2人共‥て、いつも私がやっている様な言い方はやめて下さい」

いやまあ、大体は…と言いたいが、口を閉ざす。

というか、学園長室、寒っ‥オンボロ寮とは雲泥の差だな。
そして‥学園長の他にはカリム先輩とレオナ先輩とロゼッタさん・・・・・。

「ロゼッタさんには申し訳ないけど、帰ろう、グリム」

クロウリー「メンバーを見て帰らないで下さい」

…面倒事は嫌いなのに。

カリム「やっぱ監督生とグリムかあ~!
お前達もフェアリーガラに参加するんだな。頼もしいぜ。よろしくな!」

「フェアリーガラ?」

え、何それ…それとこのメンバーは一体……。

レオナ「草食動物がうじゃうじゃと……俺は引率のセンセーじゃねえぞ」

カリム「そんなに怖がらなくても大丈夫。オレがちゃーんと、レオナのことも面倒みてやるよ」

レオナ「ああ?」

ロゼッタ「レオナさん、落ち着いてください」

天真爛漫で煽るカリム先輩をレオナ先輩が睨んでいる。
…ある意味、火と油なコンビだ。

「…えっと、説明が……」

ロゼッタ「学園内の温度調節は、火の妖精に任せているのは…知ってる?」

「は、はい…で、それと何が関係して……」

クロウリー「彼らの魔力は学園が保持する貴重な魔法石により、
魔力を供給して、この学園内に送っているんです。

そしてその魔法石は鏡の間に大切に保管していたのですが………
なんと!今日確認したら盗まれていたんです!!」

「………‥……自業自得では?」

クロウリー「話は最後まで聞く!」

怒られたので、ジッと黙る。

話を聞いてみると、その魔法石を盗んだのはモノづくりの妖精で、
その魔法石は妖精の郷の女王が被るティアラの飾りに使われた…らしい。

「…じゃあその女王に返して貰えばいいのでは?そのフェアリーガラとやらに参加して…」

クロウリー「フェアリーガラは、春を呼ぶ妖精達の祝祭。
妖精の郷の妖精達は、春が近づくと開催地を選び、祝祭を催すそうです。
煌びやかなる衣装と、妖精達によるファッションショーを行い、春の近付きを祝うんです」

「…はぁ」

ロゼッタ「問題なのは…フェアリーガラはただのファッションショーではないという事・・・

もしも祝祭が中止、失敗すれば妖精達は怒り……
ツイステッドワンダーランドは永遠に冬のままになってしまうの」

「な、何て理不尽な…勝手に開催地選んでおいて………」

グリム「ロゼッタが妖精の郷の女王を説得すりゃいいんじゃねぇーか?」

カリム「おぉ!その手もあったか!」

レオナ「馬鹿言え、好かれているとは言え、会った事ねぇ妖精の…しかも女王にロゼッタを合わせてみろ、怒り狂われるぞ」

クロウリー「最悪の場合、そのまま彼らの郷へ連れ攫われる可能性もあります。
ので、ロゼッタには主軸というよりむしろサポート側へ徹してもらいます」

どうやら今回の作戦はフェアリーガラに潜入し、
女王のティアラを偽物のティアラにすり替えるというものらしい。

さっき、寮長たちが集まり、この2人+ロゼッタさんが適任と選ばれたそう。
他の寮長は逃げるように帰って行ったそうだ……。

面倒事嫌いな人ばっかりだからな、寮長って。
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