ゴーストマリッジ

クルリと振り返り、私のほうを見て笑う。

イライザ〈本当にありがとう!!私の運命の王子様がみつかったのはあなたのおかげよ!!〉

そういった彼女は手に持っていたブーケを私のほうに投げた。

投げられたものをそのまま無視するわけにはいかないので、それを受け取る。

ヒンヤリとしたブーケだが、私が触れた瞬間、白く美しい花が徐々に桃色へと変化した。

イライザ〈次はあなたの番よ!〉

「…え」

そう投げかけられた言葉に目を丸くしていると、頬を赤く(?)染めたイライザ姫は叫んだ。

イライザ〈お耳がキュートな方と幸せになるのよ!!〉

といった彼女はチャビーさんの手を取り、ゲートへ消えていった。

「ありがとう、姫様」

クロウリー「娘を嫁にやるのはまだ早いいいいい!!」

そう叫んだことで一気に場の空気が冷えた。そんな空気を遮るように「ゴホンゴホン」と咳払いするお義父様。

クロウリー「いやあ、今日は大変な1日でした。

なにはともあれ、これにて一件落ちゃ……」

ルーク「ちょっと待っておくれ、学園長。
それよりもっと、この締めくくりにふさわしい言葉があるんじゃないのかい?」

言葉をつづけようとしたお義父様を遮り、ルークさんが言う。
ふさわしい言葉って……?

首をかしげていると、お義父様は何かわかったのかポンッと手をたたく。

クロウリー「こうして2人は、いつまでもいつまでも幸せに暮らしましたとさ」

__________めでたし、めでたし
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