ゴーストマリッジ

ジャック「エペル。お前、あんなにでけぇゴーストを相手にしても怯まないで……やるじゃねえか。見直したぜ!」

エペル「ジャッククン……正面から褒められると、照れ臭い……かな?」

ジャック「そうか?悪ぃ」

エペル「……でも、嬉しいよ。ありがとう!」

ジェイド「ルークさんが避難させてくださったおかげで、誰にも怪我はありませんでした。さすがの気配りです」

ルーク「おお、ムシュー・計画犯! キミが私の立場だったとしても、同じことをしただろう?」

アズール「ジェイドだったら笑って見ているに決まってますよ」

ルーク「なるほど。事態を運命に委ねるというのも、また美しいね」

監督生「美しくないですからね」

アズール「ちなみに…監督生さん、ロゼッタさん?一部の生徒の扱いがやや雑だった気がするんですけど」

監督生「やだなー、気のせいですよ。ね、ロゼッタさん」

レオナ「ほぉ…体格がいい奴らは何か…いっていたよなぁ?」

「緊急事態だったんです。許していただけませんか?」

…何か話をそらさないと……と思っていたらリドル君に名を呼ばれた。

「な、なんですか?」

リドル「今何時だい!?」

「え、えっと…今23時45分です」

リドル「なにぃい!?」

すると、フロイドくんが私たちのほうへ近づいてきた。

フロイド「金魚ちゃん~オレも思いっきり暴れたくなってきたぁ。相手してよ」

リドル「今はそれどころじゃない!!!!」

フロイド「え、つめた」

いつも以上に雑にフロイドくんを振り払ったリドルくんはケイトさんに近づく。

リドル「ケイト、一刻も早く寮に帰ろう!」

ケイト「えっ、オレ? なんで?」

リドル「キミが昨日のクロッケー大会で2位だったからだ!
今日中にボクに紅茶を淹れないとハートの女王の法律・第703条を破ることになる!」

ケイト「……そんなのあったね~!?それでずっと時間気にしてたんだ。リドルくんほんと、ぶれなさすぎ!

んじゃ頑張ってくれたリドルくんのために秒で寮に戻らないと♪」

リドルくんはケイトさんを引き連れ、寮へ戻っていった。

フロイド「金魚ちゃん、つめてぇ~」

監督生「…ま、まぁ…仕方がないですね」

ルールの鬼のリドル君だからなぁ。

チャビー〈お前達……手間をかけたな〉

イライザ〈おかげで本当の愛に気づくことができたわ。

みんな、ありがとう!とくに貴女!〉

ガバッとイライザ姫に抱き着かれる…といってもすり抜けるのだけれど、なんだか冷気を感じる。

エース「なんつー人騒がせなやつら……ま、よかったんじゃねーの。無理矢理未練を断ち切らずに済んだわけだし」

イライザ〈ええ。私達はここまま心置きなくハネムーンに旅立ちます〉

監督生「ハネムーン早っ…。ま、お幸せに」

結婚式終わった瞬間にハネムーンってありなのかな?これが普通?

「ランタン君」

ランタン『はーい?』

「2人のハネムーン。途中まで見送ってあげてほしいの」

ランタン『んー・・仕事じゃないけど、愛しい子の願いなら仕方ないなぁ』

カランとランタンを振るうと、青い鬼火が回りに浮かび、目の前にゲートのようなものが出てきた。

ランタン『祝いの門出だ~ハネムーン先まで送ってあげる~』

イライザ〈まぁ、うれしい!ありがとう!〉

オルト「これでやっと平和になるね」

イデア「あーもうやだ。ほんとやだ。僕、しばらくゴースト恐怖症になりそう」

イライザ「来年は元気なベイビーを見せに来るから楽しみにしててねっ〉

ニッコリと笑うイライザ姫に苦笑いすると、

男子勢が一斉に「二度と来んなーーー!!!!」と叫んだ。

ランタン君が作ったゲートに吸い寄せられるように、家臣のゴーストたちが姿を消していく。

そして最後にチャビーとイライザ姫がそのゲートを通ろうとしたとき、

イライザ姫が思い出したように〈あ!〉と声を出した。
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