ゴーストマリッジ
リドル「……退却は済んだね」
エペル「はい。いつでもやれます!」
エース「どこまでも人に迷惑かけるゴーストめ……パパッと片付けてやるよ!」
「結婚式は中止させてもらいます!」
チャビー〈姫様の……邪魔をするな……!!〉
チャビーさんはその巨大化した拳をこちらに振り下ろした。
固まっていた私達はそれぞれの方向に転がりよける。
だが、立て続けに椅子やら机やらをつかむと、軽い感覚で投げつけてくる。
チャビー〈俺は……最後まで……姫様を守る……!〉
そういいながら、チャビーさんはこちらに向かって風の魔法を連発する。
机にのってある数々の料理が飛ばされ、ガシャッと皿が割れる音が響く。
チャビー〈人間どもめ…!姫様の邪魔をするなぁあ!!!〉
エース「だぁあ!いい加減にしやがれ!!」
リドル「ハートの女王の法律、第111条【パーティーの料理は残すことなく完食する】。
ルール違反だ!」
エペル「問題そこ!?」
向けられる魔法をブーケで弾き、攻撃を加える。
このままじゃ、一方的。どうすれば…
イライザ〈チャビー…わ、私は………ど、どうしたら〉
自分のために戦うチャビーと結婚式を止めにきた私たちを交互に見て、不安げにしているイライザ姫。
無知であるがゆえに、人を傷つけることはある。
………そう。私にも“あった”話だ。
「イライザ姫」
私が声をかけると、彼女はビクリと肩をはねらせる。
そんな彼女の不安を拭うように、私は笑みを浮かべた。
「イライザ姫のことだけを思ってくれる王子さまは、もうあなたの近くにいたんですよ」
イライザ〈…え〉
「貴女は一人じゃない。貴女のそばには誰よりも貴女の幸せを感じてくれる存在がいたんです。
…だから、もうそれを間違わせないために、私たちは彼と戦うんです」
イライザ〈…わたしだけの……王子様?〉
そういいながら、イライザ姫の視線の先には…“彼”があった。
もう大丈夫。
お姫様も、“彼”も。
「皆さん!!聞いてください!!」
前で戦うリドル君たちに駆け寄る。
「危ないから」と後ろへ下がらせる彼らの前に、ブーケを突き付けた。
「私とユウのブーケは皆さんのとは違う。
ゴーストの攻撃から身を守ってくれる…いわゆる盾です。
私が前に出て、彼の攻撃を抑えます。
だから、その間に…彼の“負の感情”を皆のブーケで吸い取ってください!』
リドル「だ、だが…それじゃあロゼッタが怪我をする可能性も…」
レオナ「やめろ!」
近くにいるリドル君と遠くにいるレオナさんの反対の意見に首を振り、こちらに攻撃を放つチャビーさんを見た。
「大丈夫。私が止めますから。皆さんは自分の作業に集中してください」
ジッと彼らを見る。
反対していた2人もその言葉に「うっ」とした様子。
そして、エース君は溜息を吐き、ルークさんはなぜか笑みを浮かべている。
エース「ほんと…無茶しますよね。けど、それがロゼッタさんだもんな」
ルーク「ウィ。ロゼッタ君のまっすぐな眼差し…従わずにはいられないね」
リドル「……まったく。君は本当に……わかった。前は頼んだよ」
エペル「…不安だけど、大丈夫なら……信じます」
グリム「ま、オレ様もいてやるんだから!大丈夫なんだゾ!」
監督生「力は弱いかもしれないけど、私もやります!」
5人を背にし、グリム君が私の肩に乗ってきた。
チャビーさんはその右手にためた大きな無属性の魔力の砲弾を私たちに向けてはなった。
「……っ、大丈夫。止めて見せる」
バッとブーケをそちらに向け、足を踏ん張らせた。
刹那、ブーケの前に大きな結界のようなものが張られ、魔力の砲弾を遮る。
だけど、威力が強いせいか、ジリジリと後ろに下がってしまう。
ここで止めないと、後ろの5人が……と思った瞬間、ガシッと体を支えられた。
ユウによって。
監督生「ロゼッタさん1人で無理なら…私が支えます!!」
「っ!………ええ!!」
ブーケを握る私の手の上に、ユウとグリム君の手が重なる。
すると、結界の分厚さがさらに厚くなり、砲弾の魔力がジリジリとなくなり始める。
グリム「今なんだゾ!!」
グリム君がそう叫ぶと、4人は同時に慰めのブーケをチャビーさんに向けた。
瞬間、ズォーッという音とともに彼の負の感情がブーケに吸い寄せられていく。
チャビーさんも抵抗しているが、ブーケの魔力には逆らえないのが、徐々に体が小さくなり、元のサイズへと戻っていった。
「…お、終わったの?」
エース「いよっしゃああああ!ついに倒したぞ!」
グリム「いぇーい、なんだゾ!!」
はぁと力が抜けた体をユウが支えてくれた。
4人のブーケには、最初のころとは別物と思う程、美しい花々が咲き誇っていた。
エペル「はい。いつでもやれます!」
エース「どこまでも人に迷惑かけるゴーストめ……パパッと片付けてやるよ!」
「結婚式は中止させてもらいます!」
チャビー〈姫様の……邪魔をするな……!!〉
チャビーさんはその巨大化した拳をこちらに振り下ろした。
固まっていた私達はそれぞれの方向に転がりよける。
だが、立て続けに椅子やら机やらをつかむと、軽い感覚で投げつけてくる。
チャビー〈俺は……最後まで……姫様を守る……!〉
そういいながら、チャビーさんはこちらに向かって風の魔法を連発する。
机にのってある数々の料理が飛ばされ、ガシャッと皿が割れる音が響く。
チャビー〈人間どもめ…!姫様の邪魔をするなぁあ!!!〉
エース「だぁあ!いい加減にしやがれ!!」
リドル「ハートの女王の法律、第111条【パーティーの料理は残すことなく完食する】。
ルール違反だ!」
エペル「問題そこ!?」
向けられる魔法をブーケで弾き、攻撃を加える。
このままじゃ、一方的。どうすれば…
イライザ〈チャビー…わ、私は………ど、どうしたら〉
自分のために戦うチャビーと結婚式を止めにきた私たちを交互に見て、不安げにしているイライザ姫。
無知であるがゆえに、人を傷つけることはある。
………そう。私にも“あった”話だ。
「イライザ姫」
私が声をかけると、彼女はビクリと肩をはねらせる。
そんな彼女の不安を拭うように、私は笑みを浮かべた。
「イライザ姫のことだけを思ってくれる王子さまは、もうあなたの近くにいたんですよ」
イライザ〈…え〉
「貴女は一人じゃない。貴女のそばには誰よりも貴女の幸せを感じてくれる存在がいたんです。
…だから、もうそれを間違わせないために、私たちは彼と戦うんです」
イライザ〈…わたしだけの……王子様?〉
そういいながら、イライザ姫の視線の先には…“彼”があった。
もう大丈夫。
お姫様も、“彼”も。
「皆さん!!聞いてください!!」
前で戦うリドル君たちに駆け寄る。
「危ないから」と後ろへ下がらせる彼らの前に、ブーケを突き付けた。
「私とユウのブーケは皆さんのとは違う。
ゴーストの攻撃から身を守ってくれる…いわゆる盾です。
私が前に出て、彼の攻撃を抑えます。
だから、その間に…彼の“負の感情”を皆のブーケで吸い取ってください!』
リドル「だ、だが…それじゃあロゼッタが怪我をする可能性も…」
レオナ「やめろ!」
近くにいるリドル君と遠くにいるレオナさんの反対の意見に首を振り、こちらに攻撃を放つチャビーさんを見た。
「大丈夫。私が止めますから。皆さんは自分の作業に集中してください」
ジッと彼らを見る。
反対していた2人もその言葉に「うっ」とした様子。
そして、エース君は溜息を吐き、ルークさんはなぜか笑みを浮かべている。
エース「ほんと…無茶しますよね。けど、それがロゼッタさんだもんな」
ルーク「ウィ。ロゼッタ君のまっすぐな眼差し…従わずにはいられないね」
リドル「……まったく。君は本当に……わかった。前は頼んだよ」
エペル「…不安だけど、大丈夫なら……信じます」
グリム「ま、オレ様もいてやるんだから!大丈夫なんだゾ!」
監督生「力は弱いかもしれないけど、私もやります!」
5人を背にし、グリム君が私の肩に乗ってきた。
チャビーさんはその右手にためた大きな無属性の魔力の砲弾を私たちに向けてはなった。
「……っ、大丈夫。止めて見せる」
バッとブーケをそちらに向け、足を踏ん張らせた。
刹那、ブーケの前に大きな結界のようなものが張られ、魔力の砲弾を遮る。
だけど、威力が強いせいか、ジリジリと後ろに下がってしまう。
ここで止めないと、後ろの5人が……と思った瞬間、ガシッと体を支えられた。
ユウによって。
監督生「ロゼッタさん1人で無理なら…私が支えます!!」
「っ!………ええ!!」
ブーケを握る私の手の上に、ユウとグリム君の手が重なる。
すると、結界の分厚さがさらに厚くなり、砲弾の魔力がジリジリとなくなり始める。
グリム「今なんだゾ!!」
グリム君がそう叫ぶと、4人は同時に慰めのブーケをチャビーさんに向けた。
瞬間、ズォーッという音とともに彼の負の感情がブーケに吸い寄せられていく。
チャビーさんも抵抗しているが、ブーケの魔力には逆らえないのが、徐々に体が小さくなり、元のサイズへと戻っていった。
「…お、終わったの?」
エース「いよっしゃああああ!ついに倒したぞ!」
グリム「いぇーい、なんだゾ!!」
はぁと力が抜けた体をユウが支えてくれた。
4人のブーケには、最初のころとは別物と思う程、美しい花々が咲き誇っていた。