王子様と秘密のお嬢様 番外編
「それにしても、ここだけ風邪がはやるなんて…」
レ「いや、爆発的に起こったのは初めてだ。…大方寮長の座を狙ってる奴だろうな」
「さっき、うまくいったって話しているのを聞きました。どなたか顔を確認することはできませんでしたが…」
レ「お前がそう聞いたのならそいつらの犯行だろうな。」
「・・・」
レ「そんな顔すんな。熱があったって俺は負けねえよ」
治ったら証拠集めて片すから心配すんな、とレオナさんは大きな手で私の頭をなでた。
レ「お前もここで一緒に寝てくれ」
「はい。わかりました。」
グイっと引っ張る力はいつもよりずっと弱い。
レ「あったかけえな・・ロゼッタ」
「あなたの方があったかいですよ。むしろ熱いくらいです…」
温かいレオナさんの体温と優しい匂いに包まれて私は眠りに落ちた。
目が覚めたときはもう夕方になっていた。そろそろ帰って、ユウたちの夕食の用意をしないと。隣を見ると、レオナさんは先ほどよりも穏やかな顔で眠っていた。薬も効いてきたのだろう、ぐっすり眠っている。
「レオナさん、いい夢を」
レオナさんの額にキスを落とした私は、レオナさんを起こさないようにそっとベッドを抜ける。他の寮生たちも少しは元気になったのかしら、と考えながら廊下を一人で歩いていた。
「ロゼッタさん、少しいいですか?」
「?はい」
この声は、寮長の座を奪うといっていた声。複数人いたなんて‥‥相手に悟られないよう身構える。
「何か用事が?」
「レオナ・キングスカラーは、寮長にふさわしくないと思わないか?」
「あなたの婚約者だか、第二王子だか知らねえが」
「努力もせずに権力ふるいやがって」
他にもさまざまな文句を言いながら、私の方に近寄ってくる。なんでここまで言うのかわからなない…堪忍袋の音が切れた
「お言葉を返すようですが、レオナさんが本当に努力していないとお思いですか?彼の部屋には政治・歴史・経済…国をまとめ上げるための知識が書いてある本が数多置いてあります。そのどれもが擦り切れていました。あの方は国のためにたくさんの努力をしています。例えそれが誰にも認められなかったとしても。マジフト大会の件もそのうちの一つです。卑怯な手を使ったかもしれませんが、それはあなた達の未来を案じてのこと。レオナさんは不器用で分かりにくい方です。それでも、本当は優しくて誰よりも繊細で…傷つきやすいの。私は、あの人の弱くてずるがしこいところも、優しいところも‥あの人のすべてを愛してるわ。」
「だから何なんだよ!!」
「寮長がいないんだから、お前からやってやる!!」
「ノーム!!」
『この者たちにお灸をすえてやればよいのじゃな』
「ええ、お願い」
この人たちをレオナさんのもとへ行かせるわけにはいかない。そう思った私は走り出す。この事件の犯人の一人が追いかけてきた。逃げていたさなか私は、転倒した。足を引っかけさせるような魔法を使ったのだろう。逃げようと思ったが、拘束系の魔法が使われているのか身動きが取れない。どうしよう・・・
「そこまでだ」
すさまじい魔法の音とともに、犯人が廊下の端に弾き飛ばされた。
「れ、レオナさん」
レ「よく頑張ったな。」
そういって私の頭をそっと撫でてくれた。
「ロゼッタさーーーん!!レオナ先輩ーー!!」
騒ぎを聞きつけたのかジャック君とユウが走ってくるのが見えた。
監「レオナ先輩、もう起きて大丈夫なんですか?」
レ「こんなんでへばるほどやわじゃねえ・・それにロゼッタが看病してくれたしな。ジャック、こいつら縛っとけ。後で自白剤でも飲ませる。」
了解っすと意気込むジャック君を良い後輩だなと思いながら見ていると、レオナさんが私を抱き上げた。この状況に戸惑いながらも、その行動に身をゆだねていると、行きついた先はレオナさんの部屋だった。
レ「悪かった。巻き込むつもりはなかったんだが…」
レオナさんが言うには、私が部屋を出ていった時から、あとをつけていたそう。鏡の間のところまで送っていくつもりだったらしい。
血のにじむ私の足を優しくなでるレオナさん。やはりこれは相当参っている。
「レオナさんを悪く言うあの人たちが許せなかったんです。ここの世界は弱肉強食。頭ではわかっているんですが…納得できなくって…それにあんなに人数がいなければ、すぐに鎮圧できました!」
悲しい顔したかと思えば、自信に満ちたような様子になる自分の恋人が可愛らしい。レオナは自然に笑顔になった。
「え、ずっとついてきてたってことは、あの話も聞いていた…?」
レ「ああ、聞いてたぜ。うれし・・かっ・・・た。」
「レオナさん?…おやすみなさい、いい夢を」
レオナさんは、大したことないって言っていたが、やはり治ってはいないようで、寝てしまった。私は今、恥ずかしくて顔が真っ赤であるが、今は相当参っているであろう獅子の彼をケアしてあげよう。そう心に決め、レオナさんのベッドの近くに座った。
レ「いや、爆発的に起こったのは初めてだ。…大方寮長の座を狙ってる奴だろうな」
「さっき、うまくいったって話しているのを聞きました。どなたか顔を確認することはできませんでしたが…」
レ「お前がそう聞いたのならそいつらの犯行だろうな。」
「・・・」
レ「そんな顔すんな。熱があったって俺は負けねえよ」
治ったら証拠集めて片すから心配すんな、とレオナさんは大きな手で私の頭をなでた。
レ「お前もここで一緒に寝てくれ」
「はい。わかりました。」
グイっと引っ張る力はいつもよりずっと弱い。
レ「あったかけえな・・ロゼッタ」
「あなたの方があったかいですよ。むしろ熱いくらいです…」
温かいレオナさんの体温と優しい匂いに包まれて私は眠りに落ちた。
目が覚めたときはもう夕方になっていた。そろそろ帰って、ユウたちの夕食の用意をしないと。隣を見ると、レオナさんは先ほどよりも穏やかな顔で眠っていた。薬も効いてきたのだろう、ぐっすり眠っている。
「レオナさん、いい夢を」
レオナさんの額にキスを落とした私は、レオナさんを起こさないようにそっとベッドを抜ける。他の寮生たちも少しは元気になったのかしら、と考えながら廊下を一人で歩いていた。
「ロゼッタさん、少しいいですか?」
「?はい」
この声は、寮長の座を奪うといっていた声。複数人いたなんて‥‥相手に悟られないよう身構える。
「何か用事が?」
「レオナ・キングスカラーは、寮長にふさわしくないと思わないか?」
「あなたの婚約者だか、第二王子だか知らねえが」
「努力もせずに権力ふるいやがって」
他にもさまざまな文句を言いながら、私の方に近寄ってくる。なんでここまで言うのかわからなない…堪忍袋の音が切れた
「お言葉を返すようですが、レオナさんが本当に努力していないとお思いですか?彼の部屋には政治・歴史・経済…国をまとめ上げるための知識が書いてある本が数多置いてあります。そのどれもが擦り切れていました。あの方は国のためにたくさんの努力をしています。例えそれが誰にも認められなかったとしても。マジフト大会の件もそのうちの一つです。卑怯な手を使ったかもしれませんが、それはあなた達の未来を案じてのこと。レオナさんは不器用で分かりにくい方です。それでも、本当は優しくて誰よりも繊細で…傷つきやすいの。私は、あの人の弱くてずるがしこいところも、優しいところも‥あの人のすべてを愛してるわ。」
「だから何なんだよ!!」
「寮長がいないんだから、お前からやってやる!!」
「ノーム!!」
『この者たちにお灸をすえてやればよいのじゃな』
「ええ、お願い」
この人たちをレオナさんのもとへ行かせるわけにはいかない。そう思った私は走り出す。この事件の犯人の一人が追いかけてきた。逃げていたさなか私は、転倒した。足を引っかけさせるような魔法を使ったのだろう。逃げようと思ったが、拘束系の魔法が使われているのか身動きが取れない。どうしよう・・・
「そこまでだ」
すさまじい魔法の音とともに、犯人が廊下の端に弾き飛ばされた。
「れ、レオナさん」
レ「よく頑張ったな。」
そういって私の頭をそっと撫でてくれた。
「ロゼッタさーーーん!!レオナ先輩ーー!!」
騒ぎを聞きつけたのかジャック君とユウが走ってくるのが見えた。
監「レオナ先輩、もう起きて大丈夫なんですか?」
レ「こんなんでへばるほどやわじゃねえ・・それにロゼッタが看病してくれたしな。ジャック、こいつら縛っとけ。後で自白剤でも飲ませる。」
了解っすと意気込むジャック君を良い後輩だなと思いながら見ていると、レオナさんが私を抱き上げた。この状況に戸惑いながらも、その行動に身をゆだねていると、行きついた先はレオナさんの部屋だった。
レ「悪かった。巻き込むつもりはなかったんだが…」
レオナさんが言うには、私が部屋を出ていった時から、あとをつけていたそう。鏡の間のところまで送っていくつもりだったらしい。
血のにじむ私の足を優しくなでるレオナさん。やはりこれは相当参っている。
「レオナさんを悪く言うあの人たちが許せなかったんです。ここの世界は弱肉強食。頭ではわかっているんですが…納得できなくって…それにあんなに人数がいなければ、すぐに鎮圧できました!」
悲しい顔したかと思えば、自信に満ちたような様子になる自分の恋人が可愛らしい。レオナは自然に笑顔になった。
「え、ずっとついてきてたってことは、あの話も聞いていた…?」
レ「ああ、聞いてたぜ。うれし・・かっ・・・た。」
「レオナさん?…おやすみなさい、いい夢を」
レオナさんは、大したことないって言っていたが、やはり治ってはいないようで、寝てしまった。私は今、恥ずかしくて顔が真っ赤であるが、今は相当参っているであろう獅子の彼をケアしてあげよう。そう心に決め、レオナさんのベッドの近くに座った。