夕焼けの草原のタマ―シュナ・ムイナ

キファジ「ほう!カリム様、なかなかやりますな」

レオナ「防御の練習は徹底的にやっておいた」

キファジ「攻撃はどんなことを教えたのですか?」

「なにも教えていませんよ」

キファジ「なんですと!?」

レオナ「限られた時間で全部を教えることはできないからな」

「カリム君にはドローを狙ってもらう作戦です」

レオナ「試合時間は5分。その間逃げ切れれば引き分けになる」

キファジ「なるほど…」

レオナ「普通に試合をすれば黒星。だが引き分けなら、リリアやヴィルが楽になる。1勝2分けでも勝ち進めるからな」

「ヴィルさんたちにキャッチ・ザ・テイルの試合を長く見てもらうことがカリム君の役目」

レオナ「そのためにも、時間いっぱい逃げ回ってもらわないと困る」

キファジ「勇を示すためのキャッチ・ザ・テイルで逃げ回るとは…なんとまあ…流石はレオナ様。貴方様でなくては考えられない姑息な手段です」

レオナ「おいおい。チェスじゃ、ドロー狙いも立派な戦術…ソイツを幼いころの俺に教えてくださったのは、何処のどいつだったかな」

キファジ「おや、そんなに素晴らしい侍従がいたのですか?レオナ様は幸運ですな」

カリム君が逃げ回っているところに、逃げ回ってるだけならチームのお荷物だというヤジが入る

ノーム『作戦とは違う方向に事が進んだようじゃのう』

カリム君は敵に突っ込んでいってしまい、ビーズを取られてしまった

レオナ「何やってんだ、あの野郎!」

キファジ「攻撃に転じた途端に負けてしまいましたな」

レオナ「カリムの奴…俺の指示に背いて勝手なことをしやがって!ヴィル達に対して試合を見せられなかった。引き分けにもできなかった。最悪だ!」

レオナさんに機嫌が悪くなっていく

キファジ「怪我がなくて結構。それに…どうやら久しぶりにレオナ様が『守護者の授業』をするところが見られそうですな。ホッホッホッ、これは楽しみです」

レオナ「チッ、ほざいてろ」




















カリム「みんな、悪い!」

リリア「惜しかったのう、カリム」

ヴィル「レオナの言うとおりに戦っていれば引き分けになったかもしれないのに。どう考えてもアンタのアドレスのせいじゃない?リリア」

リリア「うーむ。ドラムはあの教え方で覚えられたのじゃが…」

ジャック「中堅戦はヴィル先輩っすよね」

ヴィル「ええ」

「がんばってください!」

ヴィル「任せておきなさい」

『1回戦、第1試合、中堅戦を開始します!選手は闘技場に上がってください!』

ヴィル「はい」

ヴィルは観客から注目を浴びた

「「ヴィル様ーーー!!がんばって―――!!」」

ヴィル「ふふ、ありがと♪」

ウインクをするとさらに盛り上がる会場

カリム「おおー!会場中がすげえ盛り上がってるぞ!」

リリア「世界的な超有名モデルのサプライズ登場じゃからな」
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