夕焼けの草原のタマ―シュナ・ムイナ

ジャック「あちこちから選手たちが集まってきましたね」

カリム「あ!あそこにいるのフルーツやタイのおばちゃんじゃないか?」

ヴィル「あら、本当。あそこにはお土産屋さんの店主もいるわ」

リリア「レインツリー・マーケットで見た顔がたくさん混じっておる。街のお祭りという感じがするわい」

カリム「楽しそうだよな!」

ヴィル「出場選手の中心は、修練を積んだアスリートとかじゃなくて、普通の街の人たちなのね。安心した。アタシ達なら楽勝じゃない?」

「1回戦、第1試合、先鋒戦を開始します!」

カリム「あ、オレたちの試合が始まるみたいだな」

リリア「さあて、わしらの対戦相手はどんな奴らじゃ?」

「街はずれの青年団チーム、先鋒!前へ!」

ガラの悪い人たちが勢ぞろい

「ナイトレイブンカレッジチーム、先鋒選手!闘技場に上がってください!」

ジャック「レオナ先輩の作戦じゃ、初戦の先鋒はカリム先輩でしたよね。」

カリム「ああ!」

監督生「頑張ってください!」

カリム「ありがとうな。行ってくるよ!」











席に座るとノームさんが出てきた

ノーム『久しぶりに試合を見てみたくなってな。獅子の子よ。隣失礼するぞ。』

レオナ「ああ」

「楽しんでいってくださいね」

暫くノームさんと談笑しているとカリム君が競技場に出てきた

レオナ「カリムが出てきた。俺の作戦通りのオーダーでやっているな」

キファジ「い、いきなりカリム様ですか!?」

カリム君が最初に出てきたことにキファジさんはかなり驚いている。

レオナ「どうした、ガラガラ蛇に睨まれたみたいなツラして」

キファジ「この大会では2試合勝利したチームが勝ち上れるので、先鋒と中堅が勝てば大将戦はない。ですからカリム様は、なるべく試合をしなくてもすむように大将なのかと思っておりました。あの方はあくまで人数合わせのためのエントリー。戦力には換算していないのでは…と」

「カリム君にはカリム君の役割がありますから…ですよね?レオナさん」

レオナ「ああ。アイツらはキャッチ・ザ・テイルは初めて。生の試合を見たこともない。リリアもヴィルも練習ではいい動きをしていたが、練習と本番じゃ試合の空気が違うからな。勝手が違って戸惑うこともあるだろう。だからまず、勝ち星の感情に入れていないカリムを出場させて、残りの2人にキャッチ・ザ・テイルの試合を間近で見てもらう」

キファジ「カリム様は、夕焼けの草原が国として招待をした賓客。何かあったら一大事ですぞ?」

レオナ「なあに。アイツにも手ほどきはしておいた。そんなへまはしないだろう。…たぶんな」

怪我しないでね、カリム君

『試合開始!』

審判の声と共に、青年団チームが勢いよくカリム君に突進してくる

カリム君は間一髪のところで避けて、ビーズが取られることはなかった

トーナメントは長丁場で対戦相手がどんな人物かもわからない

キャッチ・ザ・テイルで一番大事なのは防御

レオナさんが昨日教えていた防御の技をうまく使ってくれればいいんだけど…

カリム君の動きが一段と早くなった
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