夕焼けの草原のタマ―シュナ・ムイナ

レオナ「これ以上面倒ごとが起きる前に、さっさとエレファントレガシーに行くぞ」

カリム「バスが駄目だったから、ここに来たんだよな。どうやって向かうんだ?」

レオナ「ここからは車だ」

リリア「それはいいが…誰が運転するのじゃ?」

レオナ「お前らはできないんだろ?俺がやるしかねえだろうが」

「「「レオナが!?」」」

皆さんが驚くのも無理はないわね

ヴィル「アンタ、車の運転ができるの!?」

レオナ「出来ないならやるって言わねえよ」

リリア「ほー。驚いた。今までそんなこと、1度も言わなかったではないか」

レオナ「ただし、さっきのバスほどの大型車は運転できないから、全員乗せるのは無理だ。グリムは誰かの膝にでも乗せればいいが、それで定員いっぱいになる。と言うわけで…大変申し訳ないが、キファジには遠慮してもらうしかないようだ」

レオナさんがここに来たのはキファジさんと離れるためだったのね

キファジ「やれやれ。本当に賢しいお方だ。その無駄に利く機転をこの国の未来に使ってほしいものですな。」

レオナ「滅相もない。立派な統治者のいる子の国には俺みたいな力と牙のない奴は必要ないだろうさ。」

キファジ「またそんなことを…滅多なことを仰いますな。本当にレオナ様に力がないなら、今のようにキャッチ・ザ・テイルが上手になることもなかったはず。普通でしたら初出場で優勝など夢のまた夢。ですが…レオナ様がチームの特訓をされるのでしたら可能性はあるでしょう。私にとっては頭の痛いことですな」

カリム「レオナってそんなにキャッチ・ザ・テイルが上手いのか?」

レオナ「王位継承者の弟が大会優勝者のサンセット・ウォーリアーたちを率いるっていう習わしのせいで、第二王子の俺は、無理矢理キャッチ・ザ・テイルを教え込まれた。そこのお節介な侍従長殿にな。」

キファジ「サンセット・ウォーリアーを率いるものが、キャッチ・ザ・テイルの技術を習得するのは当然です。」

レオナ「チッ…いつまで図々しく居座るつもりだ?用がないならさっさと消えやがれ。」

キファジ「はい。このキファジは王家の侍従長。レオナ様のお言いつけ通りに。それでは私はここで失礼いたしましょう。皆様のご武運を祈っております。」

キファジさんが去った後、車が止めてある場所まで移動した。

ヴィル「これが王家特有の車なのね。想像していたより随分と実用的だわ。」

リリア「立派なオフロードカーじゃな。サバンナでも問題なさそうじゃ」

レオナ「ほかにも種類はあるが、エレファントレガシーに行くならこれが1番いい」

カリム「かっこいい車だな―!レオナの運転も楽しみだ!」

サラマンダー『たのしみー!』

「ふふっ。そうね」

カリム「あ!俺、助手席に乗りたい!サバンナには動物もたくさんいるんだろ?ワクワクしてきた!」

レオナ「…うるさそうだな。お前が隣にいる時が散るから後ろに座ってろ」

リリア「ではわしが助手席に座ろう。実はわしも車に関する知識が多少あるのじゃ。レオナが疲れたら、わしが代わりに運転してやろう♪」

リリアさんの運転が怖いと思うのは私だけかしら…?

レオナ「そいつは助かるが…免許はあるんだろうな?」

リリア「よく覚えておらん!まあなんかいい感じにすればいいんじゃろ?」

レオナ「…テメエは絶対に横に乗せないことに決めた。めちゃくちゃにされる未来が見える」

ヴィル「アタシは助手席何てまっぴら。サバンナの風景の車窓を楽しみたいのに。隣にアンタがいたんじゃ台無し。」

レオナ「元から頼んでねえよ」

グリム「それじゃあ助手席はオレ様に決まりだな!にゃっはっはー!」

レオナ「それならロゼッタと一緒が条件だ。」

「わかりました」

グリム「え~。オレ様だけでも十分じゃねえか」

レオナ「ロゼッタ込みじゃなきゃ1番あり得ない選択だな」

「ふふっ。少しの間だけ我慢してちょうだい。グリム君」

グリム「・・・わかったんだゾ」

監督生「ロゼッタさん。グリムをよろしくお願いします」

ロゼッタ「ええ。任せて頂戴」

私とグリム君は助手席

ヴィルさん、リリアさん、カリム君、ユウが後ろの席に座り

エレファントレガシーへと出発したのだった。
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