夕焼けの草原のタマ―シュナ・ムイナ
ヴィル「サンセット・ウォーリアー…知らない言葉ばかり出てくるわね。」
レオナ「昔からあるものだからな。こっちだってうんざりしてるのに、俺に文句を言われても困る。」
ロゼッタ「サンセット・ウォーリアーは、国王を支え、国を守護するガーディアンチームのことです。」
リリア「ほう。王の親衛隊…のようなものか?」
レオナ「本来はな。だが、平和になった今日、その仕事としての意義は消えた。今じゃ大会の優勝チームに与えられる名誉ある称号ぐらいのもんだ。」
リリア「いいことではないか。つまりその「称号」は現代における平和の象徴なんじゃな。」
レオナ「まあ、極限までよく言えばな。しかし役目が消えた今も、高い名誉を得られることには変わりない。毎回、国中から腕に覚えのある連中がたくさん出場する」
ジャック「なるほど…」
ジャック君はそのあと何かを考えるようなそぶりをし、言う。
ジャック「じゃあレオナ先輩もそのサンセットウォーリアーになるためキャッチ・ザ・テイルの大会に出るんすね!?」
ロゼッタ「残念だけれどレオナさんは大会に不参加…というより出場事態認められていないの。」
ヴィル「どういうこと?」
レオナ「もともと、国の王位継承者の弟がサンセット・ウォーリアーのリーダーとなるのが習わしだった。今の夕焼けの草原じゃ、第二王子である俺がその立場に当たる。」
リリア「なるほど。つまりレオナは既にサンセット・ウォーリアーなんじゃな。不動のリーダーであるから、メンバーを選出する大会には出場できないというわけか。」
レオナ「ああ。そしてリーダーには『守護者の授業』っていう、とてつもなく面倒くせえ役目があって…国や国王を守護するための心得や良識作法なんかを教えなくちゃいけない。」
ヴィル「心得?」
リリア「良識?」
ジャック「作法?」
グリム「レオナが?」
私の膝に乗っているグリム君がそういった後、全員の笑い声が響いた。
グリム「にゃっははは!めちゃくちゃ似合わねえ!」
ジャック「あははは‥‥ハッ!す、すんません、レオナ先輩」
レオナ「ふん、聡明なテメェらのご指摘通り、粗野な俺には荷が勝ちすぎるお役目だ。だから、丁重にお断りさせていただきたい。なんとしてもな。去年はバックレて参加しなかった。今年も忘れてたフリして戻らないつもりだった。」
ロゼッタ「そうだったんですか?」
レオナさんは再び私の頭と頬を撫でるといった
ロゼッタ「(なんか誤魔化されたような‥‥)」
レオナ「しかし今朝…国から念押しの電話がかかってきたんだ。これ以上拒否すれば、どんな手段に出るかわからない。いい加減誤魔化すもの限界だと思ったが…」
リリア「里帰りしてキャッチ・ザ・テイルの優勝者に『守護者の授業』をするのが嫌なんじゃな?」
ヴィル「呆れた。自分の役目も果たせないの?ロゼッタもアンタの婚約者になって初めての大型行事でしょうに‥‥」
ロゼッタ「ヴィルさん・・・」
レオナ「お前はあの授業がどれだけ長くてめんどくせえか知らねえから、そんなことを言えるんだ‥‥そこで、お前らに白羽の矢を立てた」
ジャック「俺達?・・・まさか…」
レオナ「そう。お前達にはキャッチ・ザ・テイルで優勝してもらう。夕焼けの草原から遠く離れたナイトレイブンカレッジも生徒が優勝すれば、俺とお前らが口裏を合わせるだけで、『守護者の授業』をやったことに出来るからなあ。」
ヴィル・リリア・ジャック「「ずっる!!!」」
3人から声が上がる。私は苦笑いしかできなかった。
監督生「ずるだ・・・」
レオナ「賢いといってくれ。俺は無駄なことが嫌いなんでね。」
ジャック「そもそも、夕焼けの草原の国民じゃない俺たちが出場してもいいんですか?」
ロゼッタ「大丈夫よ、ジャック君。国外からの参加も認められているわ」
レオナ「どんなものでも守護者になり得るっていう考えらしい。あの国にしては珍しくまともな意見だ。これまでの大会でも、外国人観光客が何人も参加しているから心配するな。有名なナイトレイブンカレッジ生のチームが出場するとなれば、見物人も大喜びだろうさ」
ジャック「なるほど」
レオナ「ジャック。お前は魔法なしの肉体勝負なら、この学園内でも指折りの猛者だ。…ただし、キャッチ・ザ・テイルに参加するのも、腕に覚えのあるものばかり。どうだ。面白そうだろ?」
ジャック「力比べってわけですか。…はい。確かにおもしれえ。そのサンセット・ウォーリアーってのは正直よくわかりませんけど、大会には惹かれます。強者たちが集まる大会で、俺自身の力がどこまで通じるのか試してみたいっす!」
レオナ「よし。これは大事な仕事だぞ。
さて。こっちの神出鬼没なくそじじいは、常人離れした動きをしやがる。薄気味悪い野郎だ。関わりたくもねえが、身体能力だけは認めてやる。」
リリア「くふふ…レオナよ。そう手放しで褒めるでない。照れるではないか。しかしそういった点で言えば、マレウスも良い線を行くと思うぞ。
誘わんでいいのか?招待すればあやつも喜ぶと思うぞ?
わしが誘ってこようか?そうしようか?」
レオナ「やめろ!」
レオナさんのひときわ大きな声が響く
レオナ「あのツノ野郎に頼むなんざ、絶ッ対にごめんだ。代わりの戦力としてお前を誘ったんだ。考えるまでもなくわかるだろうが!」
リリア「何じゃ・・・・残念だが、仕方ない。キャッチ・ザ・テイルとやらも面白そうじゃ。いい思い出になるだろうよ。喜んで参加させてもらおう」
レオナ「最初からそう言えばいいんだよ。せいぜいマレウスに旅の話を自慢して羨ましがらせてやれ」
レオナ「昔からあるものだからな。こっちだってうんざりしてるのに、俺に文句を言われても困る。」
ロゼッタ「サンセット・ウォーリアーは、国王を支え、国を守護するガーディアンチームのことです。」
リリア「ほう。王の親衛隊…のようなものか?」
レオナ「本来はな。だが、平和になった今日、その仕事としての意義は消えた。今じゃ大会の優勝チームに与えられる名誉ある称号ぐらいのもんだ。」
リリア「いいことではないか。つまりその「称号」は現代における平和の象徴なんじゃな。」
レオナ「まあ、極限までよく言えばな。しかし役目が消えた今も、高い名誉を得られることには変わりない。毎回、国中から腕に覚えのある連中がたくさん出場する」
ジャック「なるほど…」
ジャック君はそのあと何かを考えるようなそぶりをし、言う。
ジャック「じゃあレオナ先輩もそのサンセットウォーリアーになるためキャッチ・ザ・テイルの大会に出るんすね!?」
ロゼッタ「残念だけれどレオナさんは大会に不参加…というより出場事態認められていないの。」
ヴィル「どういうこと?」
レオナ「もともと、国の王位継承者の弟がサンセット・ウォーリアーのリーダーとなるのが習わしだった。今の夕焼けの草原じゃ、第二王子である俺がその立場に当たる。」
リリア「なるほど。つまりレオナは既にサンセット・ウォーリアーなんじゃな。不動のリーダーであるから、メンバーを選出する大会には出場できないというわけか。」
レオナ「ああ。そしてリーダーには『守護者の授業』っていう、とてつもなく面倒くせえ役目があって…国や国王を守護するための心得や良識作法なんかを教えなくちゃいけない。」
ヴィル「心得?」
リリア「良識?」
ジャック「作法?」
グリム「レオナが?」
私の膝に乗っているグリム君がそういった後、全員の笑い声が響いた。
グリム「にゃっははは!めちゃくちゃ似合わねえ!」
ジャック「あははは‥‥ハッ!す、すんません、レオナ先輩」
レオナ「ふん、聡明なテメェらのご指摘通り、粗野な俺には荷が勝ちすぎるお役目だ。だから、丁重にお断りさせていただきたい。なんとしてもな。去年はバックレて参加しなかった。今年も忘れてたフリして戻らないつもりだった。」
ロゼッタ「そうだったんですか?」
レオナさんは再び私の頭と頬を撫でるといった
ロゼッタ「(なんか誤魔化されたような‥‥)」
レオナ「しかし今朝…国から念押しの電話がかかってきたんだ。これ以上拒否すれば、どんな手段に出るかわからない。いい加減誤魔化すもの限界だと思ったが…」
リリア「里帰りしてキャッチ・ザ・テイルの優勝者に『守護者の授業』をするのが嫌なんじゃな?」
ヴィル「呆れた。自分の役目も果たせないの?ロゼッタもアンタの婚約者になって初めての大型行事でしょうに‥‥」
ロゼッタ「ヴィルさん・・・」
レオナ「お前はあの授業がどれだけ長くてめんどくせえか知らねえから、そんなことを言えるんだ‥‥そこで、お前らに白羽の矢を立てた」
ジャック「俺達?・・・まさか…」
レオナ「そう。お前達にはキャッチ・ザ・テイルで優勝してもらう。夕焼けの草原から遠く離れたナイトレイブンカレッジも生徒が優勝すれば、俺とお前らが口裏を合わせるだけで、『守護者の授業』をやったことに出来るからなあ。」
ヴィル・リリア・ジャック「「ずっる!!!」」
3人から声が上がる。私は苦笑いしかできなかった。
監督生「ずるだ・・・」
レオナ「賢いといってくれ。俺は無駄なことが嫌いなんでね。」
ジャック「そもそも、夕焼けの草原の国民じゃない俺たちが出場してもいいんですか?」
ロゼッタ「大丈夫よ、ジャック君。国外からの参加も認められているわ」
レオナ「どんなものでも守護者になり得るっていう考えらしい。あの国にしては珍しくまともな意見だ。これまでの大会でも、外国人観光客が何人も参加しているから心配するな。有名なナイトレイブンカレッジ生のチームが出場するとなれば、見物人も大喜びだろうさ」
ジャック「なるほど」
レオナ「ジャック。お前は魔法なしの肉体勝負なら、この学園内でも指折りの猛者だ。…ただし、キャッチ・ザ・テイルに参加するのも、腕に覚えのあるものばかり。どうだ。面白そうだろ?」
ジャック「力比べってわけですか。…はい。確かにおもしれえ。そのサンセット・ウォーリアーってのは正直よくわかりませんけど、大会には惹かれます。強者たちが集まる大会で、俺自身の力がどこまで通じるのか試してみたいっす!」
レオナ「よし。これは大事な仕事だぞ。
さて。こっちの神出鬼没なくそじじいは、常人離れした動きをしやがる。薄気味悪い野郎だ。関わりたくもねえが、身体能力だけは認めてやる。」
リリア「くふふ…レオナよ。そう手放しで褒めるでない。照れるではないか。しかしそういった点で言えば、マレウスも良い線を行くと思うぞ。
誘わんでいいのか?招待すればあやつも喜ぶと思うぞ?
わしが誘ってこようか?そうしようか?」
レオナ「やめろ!」
レオナさんのひときわ大きな声が響く
レオナ「あのツノ野郎に頼むなんざ、絶ッ対にごめんだ。代わりの戦力としてお前を誘ったんだ。考えるまでもなくわかるだろうが!」
リリア「何じゃ・・・・残念だが、仕方ない。キャッチ・ザ・テイルとやらも面白そうじゃ。いい思い出になるだろうよ。喜んで参加させてもらおう」
レオナ「最初からそう言えばいいんだよ。せいぜいマレウスに旅の話を自慢して羨ましがらせてやれ」