グロリアスマスカレード~紅蓮の花と救いの鐘~
階段をくだる途中ーー
イデア「もう駄目だ。疲労で足が震えてこれ以上歩けそうにない…」
イデアが先に弱音を吐いた
「私を連行するのではなかったのかね。もう縄はよいのか?」とロロは呆れている
アズール「そんな余裕ありません。自分で歩いてください」
アズールはロロの縄をほどき、背中を押した
アズールも疲労困憊のようだ
「外壁を使って滑り降りたほうが早かったろう」とマレウスがすごい発言をする
ロロ「心配せずとも、もう出口だ…ん?」
ロロは足音が聞こえてくることに気づいた
慌ててやってきたのは・・・
「マレウス様~~~~!」
マレウスに会いたがっていたセベクとシルバー
「会長~~~~!」
そして、ロロの心配をしていた副会長たちだった
セベク「ロゼッタ様~~~!」
セベクはマレウスと会話し終えると一目散にロゼッタを抱きしめた
セベク「ご無事で何よりです!とってもとっても…わたくしめ心配しておりました!!」
泣き笑いという言葉が今のセベクにはピッタリな言葉だった
ロゼッタ「心配してくれてありがとうセベク君。貴方も無事でよかった。」
ロゼッタは背伸びをして、よしよし、とセベクの頭を撫でた。するとたちまちセベクの顔色がよくなる
シルバー「セベク、ロゼッタに触れすぎだ」
またもや、ロゼッタを抱きしめようとしていたセベク
シルバーがロゼッタの肩を引き、それを阻止した
シルバー「お前が無事で安心した」
シルバーは誇った笑みでロゼッタを見つめた
ロゼッタ「ふふっ。ありがとう」
その後ろで…
マレウス「どういうことだ…セベク、シルバー。お前たちはロゼッタの正体に気づいていたのか…?」
マレウスは2人を見つめた
セベクとシルバーは顔を合わせる
セベク「え、ええ。マレウス様も…」
シルバー「え…?マレウス様?」
下を向いて拳を握り、プルプルしているマレウス
そんなマレウスの態度に2人は気づいてしまう
シルバー「マレウス様は…ロゼッタに気づかなかったのですか?」
シルバーのその答えにマレウスはムッ、とした
マレウス「言わなかったロゼッタが悪い」
ロゼッタ「ごめんなさい、マレウスさん。」
ロロ「お前たちはなぜここに…」
その隣でロロは身構えていた
副会長と補佐を疑心暗鬼な態度でとらえている
「夜中に大講堂で赤い花に襲われて…そこからの記憶がなくて…救いの鐘で目が覚めたときには、花は消えていました」
副会長さんのおかげで、魔力を吸われてしまった人たちがあのあとどうなったのかがわかった
「それに…なぜか、不思議な世界にいて…」
そう、ロゼッタが精霊の力を使い、彼らのことを守っていたのだ。
「不思議な世界から出てみたら会長の姿がなくて、心配で探していたんです」
「会長は大丈夫でしたか?」
補佐の方はロロに聞く。心配されてロロは目を見開いた。
しかし、表情をすぐに戻す
ロロ「それは…」
ロロは言いづらそうに口を開けた
マレウス「僕が話そう」
とそこへマレウスが歩み出る
マレウス「あの赤い花の正体は、魔力を奪う『紅蓮の花』。そして、昨夜突如として花が現れた原因は…“不明”だ」
マレウスは“不明”と片付けた
それには原因である当の本人ーーロロは驚く
セベクやシルバーも「なぜ!?」と耳を疑った
ロゼッタ「負の連鎖を止めるには、救いの鐘を鳴らすしかないと思い、我々はここに来たのです。」
マレウスの意図がわかったロゼッタは続きを話す。
紅蓮の花を根絶したのは『救いの鐘』のおかげ
そこにロロもいたことをマレウスは明かした
あっているところはあっている、とイデア
「そうだったんですね!」と副会長や補佐はその話を鵜呑みにし、
ロロの凄さを実感する
「さすがロロ会長だ!ナイトレイブンカレッジの方々と一緒に、僕たちを助けてくれたんですね!」
「ノーブルベルカレッジにロロ会長がいてくださってよかった。会長は僕たちの誇りであり、憧れです」
ロロは「私は…!」と本当のことを明かそうとした。しかし、マレウスが割り込み、「共に紅蓮の花と戦ったナイトレイブンカレッジの者を迎えに行ってくれ」と補佐たちに告げる
ロロ「どういうつもりだね」
不機嫌な顔をしたロロが問い詰める。マレウスはロロを見た
マレウス「これが僕の考えた、お前にふさわしい罰だ」
“罰”
それがどんな罰かをまだ実感していないロロは
「己の悪事を告白するか、それとも知らないふりをし続けるか…その判断をフランム自身に任せよう」とマレウスに言われても絶好調だった
ロロ「ならば黙っていれば良いことだ!そして私は罪を免れる!」
ロロは高らかに笑う。しかし、マレウスは「ああ、それでもいい。」と軽く促した。そして、ロゼッタに自分の考えの続きを述べるよう言う。
ロゼッタ「ですがこのノーブルベルカレッジでずっとロロさんを見守ってきた、救いの鐘を誤魔化すことはできませんよ。」
救いの鐘という重みにロロは眉を動かす
ロロ「救いの…鐘…?」
ロロ「そうだ。あの鐘を大切にしていたのであろう?それを悪用したこと…反省しようも、しないも、お前の自由だ」
マレウスの言葉にロロは黙り込んだ
マレウス「全てを告白しても、沈黙を続けても、後悔する。どちらを選んでもお前は酷く苦しみ、その心は悔恨の炎に焼かれ続けることだろう」
マレウスは淡々と続けた
嘘をつくには覚悟が必要であり、嘘をつけばそれなりの対価がやってくる
後悔、罪悪感に焼かれながら歩むのがロロの罰だった
ロロ「確かに…お前たち悪党は、人を苦しめる方法をよく知っているようだ」
ふふ、んふふっ、と笑い続けているロロだが、その胸にはもうすでに罰の証が刻まれていた
心置きなく笑うことはできない
アズール「…というか、大切なことをお忘れじゃないですか?」
アズールの問い掛けに「なに?」とロロが反応する
アズールは急に大きな声で、セリフを強調する
アズール「舞・踏・会! ですよ」
アズールの声に…というより“舞踏会”という言葉にイデアはギクっ、となっている
アズール「交流会の本番である舞踏会が行われるのは2日目の夜…つまり、今日の夜です」
アズールはこれだけはやりたかった
自白をするならその後でお願いします、とロロにいうほど
「ああ、そうしろフランム」とマレウスも目で圧力をかけた
ロロ「そんなにも交流会を楽しみにしていたのか?そこまでして舞踏会がしたいのかね」
ロロが驚き呆れながら聞く
マレウスは「したい」と率直に述べた
セベクもそれに続いて「マレウス様がこう仰っているのだ!しろ!」と叫んだ
唯一「中止でいいです!!」と申し出たのはイデアくらい…
イデア「え?ロゼッタ氏は?」
イデアはロゼッタに問うた
ロロもロゼッタを見つめる
ロゼッタ「私ですか?出来るなら、やりたいですけど…」
ロロ「君もかね…」
ロロはそんなロゼッタに呆れつつ、楽しそうに表情を緩める彼女にどことなく惹かれていた
ロロ「わかった。舞踏会は実施しよう。それぐらいの責任は果たしてやる」
イデア「もう駄目だ。疲労で足が震えてこれ以上歩けそうにない…」
イデアが先に弱音を吐いた
「私を連行するのではなかったのかね。もう縄はよいのか?」とロロは呆れている
アズール「そんな余裕ありません。自分で歩いてください」
アズールはロロの縄をほどき、背中を押した
アズールも疲労困憊のようだ
「外壁を使って滑り降りたほうが早かったろう」とマレウスがすごい発言をする
ロロ「心配せずとも、もう出口だ…ん?」
ロロは足音が聞こえてくることに気づいた
慌ててやってきたのは・・・
「マレウス様~~~~!」
マレウスに会いたがっていたセベクとシルバー
「会長~~~~!」
そして、ロロの心配をしていた副会長たちだった
セベク「ロゼッタ様~~~!」
セベクはマレウスと会話し終えると一目散にロゼッタを抱きしめた
セベク「ご無事で何よりです!とってもとっても…わたくしめ心配しておりました!!」
泣き笑いという言葉が今のセベクにはピッタリな言葉だった
ロゼッタ「心配してくれてありがとうセベク君。貴方も無事でよかった。」
ロゼッタは背伸びをして、よしよし、とセベクの頭を撫でた。するとたちまちセベクの顔色がよくなる
シルバー「セベク、ロゼッタに触れすぎだ」
またもや、ロゼッタを抱きしめようとしていたセベク
シルバーがロゼッタの肩を引き、それを阻止した
シルバー「お前が無事で安心した」
シルバーは誇った笑みでロゼッタを見つめた
ロゼッタ「ふふっ。ありがとう」
その後ろで…
マレウス「どういうことだ…セベク、シルバー。お前たちはロゼッタの正体に気づいていたのか…?」
マレウスは2人を見つめた
セベクとシルバーは顔を合わせる
セベク「え、ええ。マレウス様も…」
シルバー「え…?マレウス様?」
下を向いて拳を握り、プルプルしているマレウス
そんなマレウスの態度に2人は気づいてしまう
シルバー「マレウス様は…ロゼッタに気づかなかったのですか?」
シルバーのその答えにマレウスはムッ、とした
マレウス「言わなかったロゼッタが悪い」
ロゼッタ「ごめんなさい、マレウスさん。」
ロロ「お前たちはなぜここに…」
その隣でロロは身構えていた
副会長と補佐を疑心暗鬼な態度でとらえている
「夜中に大講堂で赤い花に襲われて…そこからの記憶がなくて…救いの鐘で目が覚めたときには、花は消えていました」
副会長さんのおかげで、魔力を吸われてしまった人たちがあのあとどうなったのかがわかった
「それに…なぜか、不思議な世界にいて…」
そう、ロゼッタが精霊の力を使い、彼らのことを守っていたのだ。
「不思議な世界から出てみたら会長の姿がなくて、心配で探していたんです」
「会長は大丈夫でしたか?」
補佐の方はロロに聞く。心配されてロロは目を見開いた。
しかし、表情をすぐに戻す
ロロ「それは…」
ロロは言いづらそうに口を開けた
マレウス「僕が話そう」
とそこへマレウスが歩み出る
マレウス「あの赤い花の正体は、魔力を奪う『紅蓮の花』。そして、昨夜突如として花が現れた原因は…“不明”だ」
マレウスは“不明”と片付けた
それには原因である当の本人ーーロロは驚く
セベクやシルバーも「なぜ!?」と耳を疑った
ロゼッタ「負の連鎖を止めるには、救いの鐘を鳴らすしかないと思い、我々はここに来たのです。」
マレウスの意図がわかったロゼッタは続きを話す。
紅蓮の花を根絶したのは『救いの鐘』のおかげ
そこにロロもいたことをマレウスは明かした
あっているところはあっている、とイデア
「そうだったんですね!」と副会長や補佐はその話を鵜呑みにし、
ロロの凄さを実感する
「さすがロロ会長だ!ナイトレイブンカレッジの方々と一緒に、僕たちを助けてくれたんですね!」
「ノーブルベルカレッジにロロ会長がいてくださってよかった。会長は僕たちの誇りであり、憧れです」
ロロは「私は…!」と本当のことを明かそうとした。しかし、マレウスが割り込み、「共に紅蓮の花と戦ったナイトレイブンカレッジの者を迎えに行ってくれ」と補佐たちに告げる
ロロ「どういうつもりだね」
不機嫌な顔をしたロロが問い詰める。マレウスはロロを見た
マレウス「これが僕の考えた、お前にふさわしい罰だ」
“罰”
それがどんな罰かをまだ実感していないロロは
「己の悪事を告白するか、それとも知らないふりをし続けるか…その判断をフランム自身に任せよう」とマレウスに言われても絶好調だった
ロロ「ならば黙っていれば良いことだ!そして私は罪を免れる!」
ロロは高らかに笑う。しかし、マレウスは「ああ、それでもいい。」と軽く促した。そして、ロゼッタに自分の考えの続きを述べるよう言う。
ロゼッタ「ですがこのノーブルベルカレッジでずっとロロさんを見守ってきた、救いの鐘を誤魔化すことはできませんよ。」
救いの鐘という重みにロロは眉を動かす
ロロ「救いの…鐘…?」
ロロ「そうだ。あの鐘を大切にしていたのであろう?それを悪用したこと…反省しようも、しないも、お前の自由だ」
マレウスの言葉にロロは黙り込んだ
マレウス「全てを告白しても、沈黙を続けても、後悔する。どちらを選んでもお前は酷く苦しみ、その心は悔恨の炎に焼かれ続けることだろう」
マレウスは淡々と続けた
嘘をつくには覚悟が必要であり、嘘をつけばそれなりの対価がやってくる
後悔、罪悪感に焼かれながら歩むのがロロの罰だった
ロロ「確かに…お前たち悪党は、人を苦しめる方法をよく知っているようだ」
ふふ、んふふっ、と笑い続けているロロだが、その胸にはもうすでに罰の証が刻まれていた
心置きなく笑うことはできない
アズール「…というか、大切なことをお忘れじゃないですか?」
アズールの問い掛けに「なに?」とロロが反応する
アズールは急に大きな声で、セリフを強調する
アズール「舞・踏・会! ですよ」
アズールの声に…というより“舞踏会”という言葉にイデアはギクっ、となっている
アズール「交流会の本番である舞踏会が行われるのは2日目の夜…つまり、今日の夜です」
アズールはこれだけはやりたかった
自白をするならその後でお願いします、とロロにいうほど
「ああ、そうしろフランム」とマレウスも目で圧力をかけた
ロロ「そんなにも交流会を楽しみにしていたのか?そこまでして舞踏会がしたいのかね」
ロロが驚き呆れながら聞く
マレウスは「したい」と率直に述べた
セベクもそれに続いて「マレウス様がこう仰っているのだ!しろ!」と叫んだ
唯一「中止でいいです!!」と申し出たのはイデアくらい…
イデア「え?ロゼッタ氏は?」
イデアはロゼッタに問うた
ロロもロゼッタを見つめる
ロゼッタ「私ですか?出来るなら、やりたいですけど…」
ロロ「君もかね…」
ロロはそんなロゼッタに呆れつつ、楽しそうに表情を緩める彼女にどことなく惹かれていた
ロロ「わかった。舞踏会は実施しよう。それぐらいの責任は果たしてやる」