グロリアスマスカレード~紅蓮の花と救いの鐘~
突然、イデアが静かになった
「シュラウド?」とマレウスが呼びかける
アズール「イデアさん、念のために言っておきますが、馬鹿なことは考えないでくださいよ」
アズールの問わず語りにロゼッタはハッ、と気付かされた
そしてイデアの手を握り、必死に顔を横にふった
イデア「大丈夫ですよ。ロゼッタ氏」
そんなロゼッタにイデアは優しく口ずさむ
イデア「悩んで悩んで何もかも滅茶苦茶にしてしまおう…って、そうなる前にロゼッタ氏が…友達が助けてくれるって分かってるから」
イデアの表情は柔らかかった
イデア「僕をこんな勘違い野郎と一緒にしないでくれます?」
イデアはフッ、と笑った
ロロ「勘違い…?」
ロロの額に皺が寄る
「おやおや?まだお分かりでない?」とイデアが煽った
イデア「君のやっていることはぜーんぶ、八つ当たり」とイデアは言う
イデア「人生が思い通りの展開にならないからってヤケクソになって暴れまくっちゃってさ…破壊するならひとりでどうぞ?他人を巻き込まないでくださらんか??」
イデアの一言一言がロロの今まで歩んできた人生に突き刺さる
イデア「ただ駄々をこねているだけなのに、それを弟のためだとか世界のためだとか綺麗事言っちゃって…」
イデアは口から空気を吐き出すようにして、笑う
イデア「ッハァ!ちゃんちゃらおかしいっすわ!!!」
イデアは言い切った。ロロの拳がプルプルと震え出す
ロロ「黙れ…黙れ、黙れ黙れ黙れ!!!悪いのは私じゃない。私じゃない…」
ロロの魔力が爆撃に増していった
「私じゃないーーーー!!!」とロロが叫ぶ。炎がロロの杖から膨れ上がって出てくる。それは大きな太陽のような球になり、
こちらを…
ロゼッタ「(!?避けられない)」
イデア「ロゼッタ氏!」
イデアがロゼッタに覆いかぶさる
頭を押され、低く縮められた
その奥で…
アズール「3人とも、下がって!!!」
アズールの叫び声が聞こえて…アズールに大きな炎の弾が当たった
爆発する
ロゼッタ「ッ…!」
ロゼッタは目を大きく見開いた
「「「「「アズール君/ゥッ!!!!」」」」」
甲高い声が鐘楼から聞こえた
一番大きく叫んだのはロゼッタだ
雷鳴のごとくその声は遠くまで響いた
辺りに散漫した煙がやめば、ロロの壊れたような笑みが聞こえてくる
ロロ「は…ははは…」
でも違う。その笑い声はどんどん大きくなっていた
ロロ「ははははは!!これは驚きだ。アズールくんが、襲いかかる炎をあえてその身で受け止めるとは!」
ロロはまた腹の底から笑った
ロゼッタはカタカタと震え出した。目の内から何かが溢れてくる。
メリッサ『(!?やめなさい!ロゼッタ!落ち着いて!)』
ロゼッタは怒りがMaxに到達し暴走状態寸前のところまで来ていた。メリッサが落ち着くよう声をかけ、怒りは少し治まったようだ。
ロロ「他の2人を庇ったのか?お前たちの悪党の中にも情は存在するのだな。いい勉強になったよ」
マレウス「アーシェングロット…まさか僕たちのために…」
マレウスは目を見開いていた。「すまない」と謝る
イデア「マ、マレウス氏…」
その隣でイデアがもっと目を見開いていた
イデア「うそでしょ。もしかして、アズール氏が自分を庇ってくれたなんて本気で思ってる?」
「「なに?」」
ロロとマレウスのイントネーションは違うだろう
マレウスは驚き、ロロはもう一度聞き返す
イデアは呆れた
イデア「あの無類の守銭奴、ドケチの化身、姑息で強欲であこぎなアズール・アーシェングロットが…無条件で自分を犠牲にするような真似、するわけないじゃん」
イデアの話が終わるとどこからか不気味な笑い声が聞こえてきた
この声…
アズール「はーーーはっはっはっはぁ!!!」
アズールだ
アズール「待っていましたよ…この時をねェ!!」
アズールはマジな目をして、ロロを捉えた
ロロ「な、なにっ!今の魔法を受け止めただと!?」
アズールはフッ、と優越ながらほくそ笑む
そして魔力を最大限まで引き寄せ…
「…『落とし前をつけてもらう!!』」
ロゼッタは目を見開いた
そこにいて、呪文を唱えたのはアズールなのに、他の者が見えたからだ
大きな背中とまっすぐな瞳…デュースだ
ロゼッタ「(デュース君?・・・まさか)」
ロロ「な、なんだその強大な魔力は…どこにそんな力が残っていたというのだ!」
ロロは冷や汗をかいて焦っている。彼もこの事態は予測していなかった
アズールはワイルドな口調で呪文を唱え続けた
「…『歯ァ食いしばれ!しっぺ返し(ベッド・ザ・リミット)』!!!」
ドカーン、とさっきよりも大きな火の弾が一直線にロロに向かって飛んでいった。そして、大きな爆弾がロロの体に体当たりした
ロロ「ぐああああああーーーー!!!」
ロロは後ろへすっ飛んでいった
ロロ「ぐぅっ…なぜ…いったい、どうやって…!」
片目を開いてアズールを見つめたロロだが、しばらくするとパタッ、と倒れた。どうやらあの大ダメージで意識が持ってかれたようだ
アズール「あーーーはっはっはっ!馬鹿め、油断したな!?」
アズールは愉快そうに笑っている
そして背中で息を吸うといつもの冷静さを取り戻す
アズール「おや残念。もう聞こえていないようですが」
恨みを込めた渾身の一撃…倍にしてロロの攻撃を返すあの技は…
アズール「僕のユニーク魔法ではありません。これは、デュースさんにお借りしたんです」
アズールは大講堂にてシャンデリアが落ちた際、デュースととある取引をしていた。その話をするアズールだったが、
ロゼッタと目が合った際、ものすッッッごく険しい顔つきをした
アズール「あとで事情を聴きますからね」
低い声でアズールは唸った。ロゼッタはビクッと肩をあげた
ロゼッタ「あ、アズール君…気づいてくれて、ありがとう。」
「よ、よかったねロゼッタ氏。アズールもロゼッタ氏に気づいたみたいだよ」と隣でイデアもビクビクしている
アズール「まったく。あんなに必死に僕の名前を呼び叫ばなかったら、一生気づかれないところでしたよ(この僕がお姉さまに気づかなかったなんて…)」
アズールはやれやれ肩を落としつつも、なんだか嬉しそうだ
マレウス「あの時、落ちたシャンデリアの向こうでは、そんなことが起こっていたのか」
アズールの話を聞いたマレウスは納得した。
アズールはこの技を出すタイミングをずっと探していたのだ。
マレウス「ともかく、だ。フランムが気を失っている今のうちに、救いの鐘を…」
ロロ「うっ!ぐぅ…」
ロロが起き上がった
ロロ「まだ、だ…!」
顔に汗をかきつつ、ロロは根性で立ち上がった
マレウスたちは絶句するほど驚いた
アズール「あの攻撃を受けてまだ立ち上がろうとするなんて…」
イデア「てて、ていうかロロ氏、本当に意識あります?もう這うだけでやっとって感じなんだけど…!」
アズールは狼狽え、イデアはビクビク
ロゼッタ「(そこまでして、負けを認めたくないのね…)」
マレウス「なんという執念だ…」
マレウスは目を見開く
マレウス「認めよう…今僕はこの男に…初めて恐れを感じている!」
ドクンっ、と大きくマレウスの心臓が鳴る
ロロ「まだだ…まだ終われはしない…!」
ロロの体にたくさんの魔力が吸収される
「なにをするつもりだ!?」とマレウスが声をあげる
ロロは意地でも立ち上がった
ロロ「救いの鐘には触れさせない」
「シュラウド?」とマレウスが呼びかける
アズール「イデアさん、念のために言っておきますが、馬鹿なことは考えないでくださいよ」
アズールの問わず語りにロゼッタはハッ、と気付かされた
そしてイデアの手を握り、必死に顔を横にふった
イデア「大丈夫ですよ。ロゼッタ氏」
そんなロゼッタにイデアは優しく口ずさむ
イデア「悩んで悩んで何もかも滅茶苦茶にしてしまおう…って、そうなる前にロゼッタ氏が…友達が助けてくれるって分かってるから」
イデアの表情は柔らかかった
イデア「僕をこんな勘違い野郎と一緒にしないでくれます?」
イデアはフッ、と笑った
ロロ「勘違い…?」
ロロの額に皺が寄る
「おやおや?まだお分かりでない?」とイデアが煽った
イデア「君のやっていることはぜーんぶ、八つ当たり」とイデアは言う
イデア「人生が思い通りの展開にならないからってヤケクソになって暴れまくっちゃってさ…破壊するならひとりでどうぞ?他人を巻き込まないでくださらんか??」
イデアの一言一言がロロの今まで歩んできた人生に突き刺さる
イデア「ただ駄々をこねているだけなのに、それを弟のためだとか世界のためだとか綺麗事言っちゃって…」
イデアは口から空気を吐き出すようにして、笑う
イデア「ッハァ!ちゃんちゃらおかしいっすわ!!!」
イデアは言い切った。ロロの拳がプルプルと震え出す
ロロ「黙れ…黙れ、黙れ黙れ黙れ!!!悪いのは私じゃない。私じゃない…」
ロロの魔力が爆撃に増していった
「私じゃないーーーー!!!」とロロが叫ぶ。炎がロロの杖から膨れ上がって出てくる。それは大きな太陽のような球になり、
こちらを…
ロゼッタ「(!?避けられない)」
イデア「ロゼッタ氏!」
イデアがロゼッタに覆いかぶさる
頭を押され、低く縮められた
その奥で…
アズール「3人とも、下がって!!!」
アズールの叫び声が聞こえて…アズールに大きな炎の弾が当たった
爆発する
ロゼッタ「ッ…!」
ロゼッタは目を大きく見開いた
「「「「「アズール君/ゥッ!!!!」」」」」
甲高い声が鐘楼から聞こえた
一番大きく叫んだのはロゼッタだ
雷鳴のごとくその声は遠くまで響いた
辺りに散漫した煙がやめば、ロロの壊れたような笑みが聞こえてくる
ロロ「は…ははは…」
でも違う。その笑い声はどんどん大きくなっていた
ロロ「ははははは!!これは驚きだ。アズールくんが、襲いかかる炎をあえてその身で受け止めるとは!」
ロロはまた腹の底から笑った
ロゼッタはカタカタと震え出した。目の内から何かが溢れてくる。
メリッサ『(!?やめなさい!ロゼッタ!落ち着いて!)』
ロゼッタは怒りがMaxに到達し暴走状態寸前のところまで来ていた。メリッサが落ち着くよう声をかけ、怒りは少し治まったようだ。
ロロ「他の2人を庇ったのか?お前たちの悪党の中にも情は存在するのだな。いい勉強になったよ」
マレウス「アーシェングロット…まさか僕たちのために…」
マレウスは目を見開いていた。「すまない」と謝る
イデア「マ、マレウス氏…」
その隣でイデアがもっと目を見開いていた
イデア「うそでしょ。もしかして、アズール氏が自分を庇ってくれたなんて本気で思ってる?」
「「なに?」」
ロロとマレウスのイントネーションは違うだろう
マレウスは驚き、ロロはもう一度聞き返す
イデアは呆れた
イデア「あの無類の守銭奴、ドケチの化身、姑息で強欲であこぎなアズール・アーシェングロットが…無条件で自分を犠牲にするような真似、するわけないじゃん」
イデアの話が終わるとどこからか不気味な笑い声が聞こえてきた
この声…
アズール「はーーーはっはっはっはぁ!!!」
アズールだ
アズール「待っていましたよ…この時をねェ!!」
アズールはマジな目をして、ロロを捉えた
ロロ「な、なにっ!今の魔法を受け止めただと!?」
アズールはフッ、と優越ながらほくそ笑む
そして魔力を最大限まで引き寄せ…
「…『落とし前をつけてもらう!!』」
ロゼッタは目を見開いた
そこにいて、呪文を唱えたのはアズールなのに、他の者が見えたからだ
大きな背中とまっすぐな瞳…デュースだ
ロゼッタ「(デュース君?・・・まさか)」
ロロ「な、なんだその強大な魔力は…どこにそんな力が残っていたというのだ!」
ロロは冷や汗をかいて焦っている。彼もこの事態は予測していなかった
アズールはワイルドな口調で呪文を唱え続けた
「…『歯ァ食いしばれ!しっぺ返し(ベッド・ザ・リミット)』!!!」
ドカーン、とさっきよりも大きな火の弾が一直線にロロに向かって飛んでいった。そして、大きな爆弾がロロの体に体当たりした
ロロ「ぐああああああーーーー!!!」
ロロは後ろへすっ飛んでいった
ロロ「ぐぅっ…なぜ…いったい、どうやって…!」
片目を開いてアズールを見つめたロロだが、しばらくするとパタッ、と倒れた。どうやらあの大ダメージで意識が持ってかれたようだ
アズール「あーーーはっはっはっ!馬鹿め、油断したな!?」
アズールは愉快そうに笑っている
そして背中で息を吸うといつもの冷静さを取り戻す
アズール「おや残念。もう聞こえていないようですが」
恨みを込めた渾身の一撃…倍にしてロロの攻撃を返すあの技は…
アズール「僕のユニーク魔法ではありません。これは、デュースさんにお借りしたんです」
アズールは大講堂にてシャンデリアが落ちた際、デュースととある取引をしていた。その話をするアズールだったが、
ロゼッタと目が合った際、ものすッッッごく険しい顔つきをした
アズール「あとで事情を聴きますからね」
低い声でアズールは唸った。ロゼッタはビクッと肩をあげた
ロゼッタ「あ、アズール君…気づいてくれて、ありがとう。」
「よ、よかったねロゼッタ氏。アズールもロゼッタ氏に気づいたみたいだよ」と隣でイデアもビクビクしている
アズール「まったく。あんなに必死に僕の名前を呼び叫ばなかったら、一生気づかれないところでしたよ(この僕がお姉さまに気づかなかったなんて…)」
アズールはやれやれ肩を落としつつも、なんだか嬉しそうだ
マレウス「あの時、落ちたシャンデリアの向こうでは、そんなことが起こっていたのか」
アズールの話を聞いたマレウスは納得した。
アズールはこの技を出すタイミングをずっと探していたのだ。
マレウス「ともかく、だ。フランムが気を失っている今のうちに、救いの鐘を…」
ロロ「うっ!ぐぅ…」
ロロが起き上がった
ロロ「まだ、だ…!」
顔に汗をかきつつ、ロロは根性で立ち上がった
マレウスたちは絶句するほど驚いた
アズール「あの攻撃を受けてまだ立ち上がろうとするなんて…」
イデア「てて、ていうかロロ氏、本当に意識あります?もう這うだけでやっとって感じなんだけど…!」
アズールは狼狽え、イデアはビクビク
ロゼッタ「(そこまでして、負けを認めたくないのね…)」
マレウス「なんという執念だ…」
マレウスは目を見開く
マレウス「認めよう…今僕はこの男に…初めて恐れを感じている!」
ドクンっ、と大きくマレウスの心臓が鳴る
ロロ「まだだ…まだ終われはしない…!」
ロロの体にたくさんの魔力が吸収される
「なにをするつもりだ!?」とマレウスが声をあげる
ロロは意地でも立ち上がった
ロロ「救いの鐘には触れさせない」