グロリアスマスカレード~紅蓮の花と救いの鐘~
「もしかしてノーブルベルカレッジの生徒ですか?逃げてこられたんですね」
そう解釈したのはアズールだ
ロゼッタ「(そう言うことにしておきましょう)」
マレウスの雷により、服が破けていることから、誰も彼女がロゼッタだと気づかなかった。ロゼッタにとっては好都合だ。
セベク「随分と小柄な奴だな。よく生き延びたな」
セベクの全身チェックが入る
セベク「なんか…ロゼッタ様と身長が同じような…」
ロゼッタ「(セベク君にバレるのも時間の問題かもしれないわね。)」
マレウス「セベク、もうロゼッタの話をするのは寄せ。僕は救えなかった。…悲しくなってくる…」
セベク「マレウス様…」
しょぼんとするマレウスをセベクは潤んだ瞳で見つめる
それから、ロゼッタだと気づかれないまま紅蓮の花の考察に入った
どうやらこの花は過剰に魔力(栄養)を摂取すると枯れてしまうことを知った
ラギー「なーんだ。この花を始末するのは簡単ッスね!」
ラギーはニィーと笑った
ラギー「我らがマレウス大先生が、そのありがたーい規格外な魔法をぶっ放せば…この街の紅蓮の花は全部枯れちまうってことでしょ?」
ラギーの問い掛けに「一件落着なんだゾ!」とグリムが可愛い肉球を広げて、はしゃいだ
しかしマレウスは首を横にふる
マレウス「残念だが、それは不可能だ。大講堂で最初に花に出くわしたとき、多くの魔力を吸い取られてしまったからな」
マレウスの発言に一同、「ええっ!?」と驚愕した
「お、お体は大丈夫なんですか!?」とセベクが慌ててマレウスの体を心配した
マレウス「大したことはないが、魔法の発動までにいつもよりも時間がかかる。水路に落とされたとき、魔法が使えないユウを保護しようとしたが思うように魔法を扱うことができず、それどころか僕自身さえ普段通りには浮遊することができなかった」
マレウスは魔法を発動した際のことを思い出し、語った
マレウス「回復には少し時間がかかるだろう。街に広がった花を殲滅するには、今の僕の魔力だけでは足りない」
そういえばそうだった、と真っ先にマレウスを狙っていた花を思い出すイデア
「では」とシルバーを挙手をした
シルバー「マレウス様おひとりの力では不可能だとしても俺たち全員が力を合わせたらどうだろうか」
イデア「えっ、拙者たちが?それ本気で言ってる?」
イデアはシルバーの意見に目を丸くした
イデア「ママ、マレウス氏の保留する魔力が25メートルプール並々一つぶんだとしたら拙者たちなんて…ペットボトル…いや、その蓋みたいなもん。合わせたってマレウス氏の半分にも満たない」
みんなで手を組んでも結局、花を枯らすほど魔力は順風満帆にはほど遠かった
イデアの分析に「あ…」とみんなの声が漏れた
イデア「そ、そ、そ、そこの生徒くんのがもし、マレウス氏の魔力ぐらいあるチートキャラだったら確率は上がるけど」
イデアの視線がロゼッタに向く。他のみんなのもだ。
ロゼッタは、説明しようとしたが、「どうして黙っているんだい?」とリドルに言われてしまった
ロゼッタ「(話せないっていう設定は無しにすればよかったわ‥)」
メリッサ『(私が話せるようにしてあげる)』
ラギー「もしかして話せない…とか?(雰囲気…どっかで見たことあるんスよね)」
ラギーはそう呟いた
ロゼッタ「彼ほどではありませんが、使えるほうです。(話せた!ありがとう、メリッサ)」
いつもより若干低い声だが、ロゼッタは誰かしら気付いてくれるだろうと思っていた。・・・しかし、誰も気づく人はいなかった。
イデア「けどやっぱ並々の魔法でしょ?意味ないっすわ」
イデアになぜか、やれやれと呆れられる
エペル「それじゃあやっぱり地道に草むしりを続けるしかないのかな」
エペルが肩を落とす
どうやらロゼッタがここへ辿り着く前、みんなで協力して花をむしっていたらしい
ジャミル「まさか。この場にある花を抜くだけでもあんなに大変だったんだぞ」
ジャミルがその過酷さを思い出して嫌がった
街中だと考えるとより一層やる気がなくなる
エペル「それじゃあどうすれば…」
と悩んでいるエペルにデュースは「手っ取り早く燃やすっていうのは」と別の意見を出す
けれどそれも「延焼して花の街ごと燃えちまう」とラギーが却下する
次にナイトレイブンカレッジや街の外から援軍を呼ぼうとシルバーが案を出したが、
トレインは今のノーブルベルカレッジの大講堂で倒れている生徒を想って「助けを待つ猶予はない」と首をふった
トレイン「若者たちの将来が、このような理不尽な理由で奪われるわけにはいかん」
と情の熱いトレインに対し、
ラギー「そうスか?ロゼッタちゃんは心配だけど、ロイヤルソードアカデミーのヤツらのことは正直どうでも良いんスけど…」とラギー
イデア「自業自得ですな。拙者らはロゼッタ氏だけ救ってこのまま帰っちゃいます?」とイデア
トレイン「馬鹿者!!どうして自分たちが今この場に立っていられるかを考えんか!!」
トレインは怒鳴った
トレイン「ロイヤルソードアカデミーの生徒が自らを犠牲にして助けてくれたから、お前たちは無事だったのだぞ!ロゼッタだってお前たちのために…!」
トレインは目頭に手を当て、下を向く
トレイン「それを容易く見捨てるとは…私は…私は…!ううっ…私は、いったいどこで指導を間違ったのか…」
トレインが泣いている。先生の涙を見て、ロゼッタの胸がギュッと萎んだ
ロゼッタ「(トレイン先生…)」
ラギーやイデアが「そっちが謝りなよ」と言い合っている間、
ロゼッタはトレイン先生の側へ行き、手を握った
「先生の教えは無駄ではありません。いつもありがとうございます」
それは先生に聞こえるか、聞こえないかの声だ
トレインは目を見開く
トレイン「まさか…お前…」
ようやくトレイン先生が気づいてくれた瞬間だった。
他のみんなは全く気づいていないが…
それからみんなは「ロイヤルソードアカデミーに借りを作ったままはイヤ」ということで、借りを返しに行くことになった
一番の目的は
イデア「もちろん、ロゼッタ氏救出ですけどねフヒッ」
イデアがそう言うようにみんなはロゼッタを助けることに一致団結
アズールなんて「数多くの魔法士とロゼッタさんに恩を売るチャンス!」と目を光らせている
リドルはそんなアズールを見て「いつも通り過ぎて、なんだか安心できた気さえする」とジト目だった
マレウス「僕も同じ気持ちだ。ここで手を引くつもりはないぞ。この僕とロゼッタを謀ったロロ・フランムに一撃を浴びせねば気が済まない」
マレウスの意見に「その通りです!!!」とセベクが賛同する。そして意気込んだ
セベク「あの男がマレウス様の足下に頭を垂れて許しを請うまで、この街を出ることはできません!それにぜひ!ロゼッタ様をマレウス様が救出する凛々しいお姿、目に焼き付かせてください!!」
セベクはニコニコとしていた
シルバー「ああ。ロロ先輩には自らの行動を改めてもらわねば。あとロゼッタを助けたい。そのためには…俺たちで、どうやってみんなを“救う”か考えよう」
シルバーの言葉にユウが反応した「救う…?なんか引っかかるような…(それに、あの女性。どこかで見たことがある)」
そんなユウにグリムが「どうかしたのか、ユウ」と話しかける
アズール「ふふふ。もしやユウさんもお気づきですか?」
そう問うアズールのふくみ笑いは、既に答えを知っているようだった
そう解釈したのはアズールだ
ロゼッタ「(そう言うことにしておきましょう)」
マレウスの雷により、服が破けていることから、誰も彼女がロゼッタだと気づかなかった。ロゼッタにとっては好都合だ。
セベク「随分と小柄な奴だな。よく生き延びたな」
セベクの全身チェックが入る
セベク「なんか…ロゼッタ様と身長が同じような…」
ロゼッタ「(セベク君にバレるのも時間の問題かもしれないわね。)」
マレウス「セベク、もうロゼッタの話をするのは寄せ。僕は救えなかった。…悲しくなってくる…」
セベク「マレウス様…」
しょぼんとするマレウスをセベクは潤んだ瞳で見つめる
それから、ロゼッタだと気づかれないまま紅蓮の花の考察に入った
どうやらこの花は過剰に魔力(栄養)を摂取すると枯れてしまうことを知った
ラギー「なーんだ。この花を始末するのは簡単ッスね!」
ラギーはニィーと笑った
ラギー「我らがマレウス大先生が、そのありがたーい規格外な魔法をぶっ放せば…この街の紅蓮の花は全部枯れちまうってことでしょ?」
ラギーの問い掛けに「一件落着なんだゾ!」とグリムが可愛い肉球を広げて、はしゃいだ
しかしマレウスは首を横にふる
マレウス「残念だが、それは不可能だ。大講堂で最初に花に出くわしたとき、多くの魔力を吸い取られてしまったからな」
マレウスの発言に一同、「ええっ!?」と驚愕した
「お、お体は大丈夫なんですか!?」とセベクが慌ててマレウスの体を心配した
マレウス「大したことはないが、魔法の発動までにいつもよりも時間がかかる。水路に落とされたとき、魔法が使えないユウを保護しようとしたが思うように魔法を扱うことができず、それどころか僕自身さえ普段通りには浮遊することができなかった」
マレウスは魔法を発動した際のことを思い出し、語った
マレウス「回復には少し時間がかかるだろう。街に広がった花を殲滅するには、今の僕の魔力だけでは足りない」
そういえばそうだった、と真っ先にマレウスを狙っていた花を思い出すイデア
「では」とシルバーを挙手をした
シルバー「マレウス様おひとりの力では不可能だとしても俺たち全員が力を合わせたらどうだろうか」
イデア「えっ、拙者たちが?それ本気で言ってる?」
イデアはシルバーの意見に目を丸くした
イデア「ママ、マレウス氏の保留する魔力が25メートルプール並々一つぶんだとしたら拙者たちなんて…ペットボトル…いや、その蓋みたいなもん。合わせたってマレウス氏の半分にも満たない」
みんなで手を組んでも結局、花を枯らすほど魔力は順風満帆にはほど遠かった
イデアの分析に「あ…」とみんなの声が漏れた
イデア「そ、そ、そ、そこの生徒くんのがもし、マレウス氏の魔力ぐらいあるチートキャラだったら確率は上がるけど」
イデアの視線がロゼッタに向く。他のみんなのもだ。
ロゼッタは、説明しようとしたが、「どうして黙っているんだい?」とリドルに言われてしまった
ロゼッタ「(話せないっていう設定は無しにすればよかったわ‥)」
メリッサ『(私が話せるようにしてあげる)』
ラギー「もしかして話せない…とか?(雰囲気…どっかで見たことあるんスよね)」
ラギーはそう呟いた
ロゼッタ「彼ほどではありませんが、使えるほうです。(話せた!ありがとう、メリッサ)」
いつもより若干低い声だが、ロゼッタは誰かしら気付いてくれるだろうと思っていた。・・・しかし、誰も気づく人はいなかった。
イデア「けどやっぱ並々の魔法でしょ?意味ないっすわ」
イデアになぜか、やれやれと呆れられる
エペル「それじゃあやっぱり地道に草むしりを続けるしかないのかな」
エペルが肩を落とす
どうやらロゼッタがここへ辿り着く前、みんなで協力して花をむしっていたらしい
ジャミル「まさか。この場にある花を抜くだけでもあんなに大変だったんだぞ」
ジャミルがその過酷さを思い出して嫌がった
街中だと考えるとより一層やる気がなくなる
エペル「それじゃあどうすれば…」
と悩んでいるエペルにデュースは「手っ取り早く燃やすっていうのは」と別の意見を出す
けれどそれも「延焼して花の街ごと燃えちまう」とラギーが却下する
次にナイトレイブンカレッジや街の外から援軍を呼ぼうとシルバーが案を出したが、
トレインは今のノーブルベルカレッジの大講堂で倒れている生徒を想って「助けを待つ猶予はない」と首をふった
トレイン「若者たちの将来が、このような理不尽な理由で奪われるわけにはいかん」
と情の熱いトレインに対し、
ラギー「そうスか?ロゼッタちゃんは心配だけど、ロイヤルソードアカデミーのヤツらのことは正直どうでも良いんスけど…」とラギー
イデア「自業自得ですな。拙者らはロゼッタ氏だけ救ってこのまま帰っちゃいます?」とイデア
トレイン「馬鹿者!!どうして自分たちが今この場に立っていられるかを考えんか!!」
トレインは怒鳴った
トレイン「ロイヤルソードアカデミーの生徒が自らを犠牲にして助けてくれたから、お前たちは無事だったのだぞ!ロゼッタだってお前たちのために…!」
トレインは目頭に手を当て、下を向く
トレイン「それを容易く見捨てるとは…私は…私は…!ううっ…私は、いったいどこで指導を間違ったのか…」
トレインが泣いている。先生の涙を見て、ロゼッタの胸がギュッと萎んだ
ロゼッタ「(トレイン先生…)」
ラギーやイデアが「そっちが謝りなよ」と言い合っている間、
ロゼッタはトレイン先生の側へ行き、手を握った
「先生の教えは無駄ではありません。いつもありがとうございます」
それは先生に聞こえるか、聞こえないかの声だ
トレインは目を見開く
トレイン「まさか…お前…」
ようやくトレイン先生が気づいてくれた瞬間だった。
他のみんなは全く気づいていないが…
それからみんなは「ロイヤルソードアカデミーに借りを作ったままはイヤ」ということで、借りを返しに行くことになった
一番の目的は
イデア「もちろん、ロゼッタ氏救出ですけどねフヒッ」
イデアがそう言うようにみんなはロゼッタを助けることに一致団結
アズールなんて「数多くの魔法士とロゼッタさんに恩を売るチャンス!」と目を光らせている
リドルはそんなアズールを見て「いつも通り過ぎて、なんだか安心できた気さえする」とジト目だった
マレウス「僕も同じ気持ちだ。ここで手を引くつもりはないぞ。この僕とロゼッタを謀ったロロ・フランムに一撃を浴びせねば気が済まない」
マレウスの意見に「その通りです!!!」とセベクが賛同する。そして意気込んだ
セベク「あの男がマレウス様の足下に頭を垂れて許しを請うまで、この街を出ることはできません!それにぜひ!ロゼッタ様をマレウス様が救出する凛々しいお姿、目に焼き付かせてください!!」
セベクはニコニコとしていた
シルバー「ああ。ロロ先輩には自らの行動を改めてもらわねば。あとロゼッタを助けたい。そのためには…俺たちで、どうやってみんなを“救う”か考えよう」
シルバーの言葉にユウが反応した「救う…?なんか引っかかるような…(それに、あの女性。どこかで見たことがある)」
そんなユウにグリムが「どうかしたのか、ユウ」と話しかける
アズール「ふふふ。もしやユウさんもお気づきですか?」
そう問うアズールのふくみ笑いは、既に答えを知っているようだった