グロリアスマスカレード~紅蓮の花と救いの鐘~

ロロ「ふん。この場で無事だった魔法士はお前たちナイトレイブンカレッジの者だけ…」

ロロは腕を組み、トントンとリズムを指で刻む

ロロ「お前たちだけで、何ができるというのかね?せいぜい苦しみ足掻いて、己の無力を呪うがいい!」

ロロは無様だな、と高らかに笑った

ロゼッタはそんな高笑い中のロロを見上げる。みんなが見たことないような殺気に満ちた目だ

ロゼッタ「(私、なら…)」

ときゅっ、とマジカルペンを握った
 
トレイン「ロゼッタ、変な考えは良せ」

その行動に気づいたトレインはすぐに反対した。眉間に皺を寄せている。

ロゼッタは「(だけど…!)」と先生に目で訴えた

そんなロゼッタの行動にロロは気づく

ロロ「そういえば貴様は…精霊の加護を持つ者だったな。
このまま焼き払ってもいいのだが、お前も紅蓮の花のように一度は絶滅した種…一度だけチャンスをやってもよい」

ロロは目を閉じた

ー精霊の加護を受けた者ー

ロロは紅蓮の花を調べるうちのもう1つの偉大な花を見つけ出した

ロロ「私を守る護衛となれ。その誰も持っていない力で私の役に立て」

ニッ、とロロは笑った

精霊の加護。その防御力は神の層。

豊富な魔力を持つロロでさえも刺客はいるかもしれない。ならば、護衛は欲しい

エペル「お前!さっきはロゼッタさんのこと化け物って言ったくせに今度は護衛として役に立てって!? あんにゃろ、今度こそ刺し殺す!!」

エペルは顔に皺を溜め、ロロに睨みあげた

「あれはマジで殺す目だ…」とみんながビビるほどだ

ロゼッタ「っ…!」

「「ロゼッタ/様…?」」

死ぬかもしれない状況で、生きる選択を叩きつけられたロゼッタ

リドルたちはロゼッタが…ロロの仲間になるかもしれない…

と心配しつつそれで彼女が逃げ切れるなら、そっちの道を選んでほしい

と目を細めて願ってしまった

けれど、ロゼッタは真っ正面にロロを捉え、こう述べた

ロゼッタ「私は…聖なる精霊の加護を受けた者。あなたの力は邪推と判断された。だから…あなたの味方をすることはできないわ。」

ロロ「なっ…き、貴様!そのような態度をとっていい立場か!?」

ロロは顔を真っ赤にし、怒鳴った
 
ロロ「そうか…ならば…お前共々!全員、散れ!!!」

ロロは怒りの鉄槌を下した

魔法を生徒たちの周囲にいた花に吹きかけた

「「「「っ!」」」」

紅蓮の花が全員に向かって、ツタを伸ばした

食われる…!そんな寸前のところで

ロゼッタは彼らの前に立ち結界を張る

「なっ…!?」

ロゼッタは、大きな魔法陣の壁を、全員囲めるほどたくさん作り出した

マレウス「あっ…」

マレウスはその魔法陣を目にする

セベクはその大きさと量に目を見開いた

紅蓮の花が弾かれている

精霊の加護はどうのこうのと知った口ぶりで語ったロロでさえもその威力に驚く

ロロ「これが…精霊の力だというのか…?…」

けれどロゼッタは使ってしまった

この状況下のなか、誰も使おうとしなかった

魔法を使ってしまった

ロゼッタ「っつ…!」

あの膨大な魔法…紅蓮の花が喜ぶ

この世のすべて紅蓮の花がロゼッタにふりかかるも同然だったーー

ロゼッタは火にあぶられた人間のように苦しみもがいた
 
ロロは炎に包まれたロゼッタに向かってククッと笑った

そして何かのスイッチを押した

ラギーはその音を大きな耳で聞き入れる

「「「「ロゼッタ/様…!」」」」

みんながみんなロゼッタに手を伸ばした

ロゼッタも彼らに手を伸ばす








ーーしかし、決してその手を握るつもりはなかった

彼らに向かってまた魔法を唱えた

見えない壁を目の前に作り出したのだ

マレウス「ロゼッタ!よせッ!」

2度の魔法

花はまた喜び、ロゼッタを食した

マレウスはその壁を手で叩き、悲鳴のごとくロゼッタの名を叫んだ

ロゼッタ「…いきて…みん・・・n(レオナさん…ごめんなさい)」

ロゼッタはマレウスたちが床の底に落ちていく姿を見た…











その姿を見ていたレオナは自らの尻尾を床に何度もたたきつけながら

「チッ・・・(ブレスレットから映像が見えるってことはあいつは死んでねぇ。帰ってきたら説教だな。)ガルルルル」

と唸っていた。
21/37ページ
スキ