グロリアスマスカレード~紅蓮の花と救いの鐘~

グリム「テメー1人だけ花のない高いところにいて、ずりぃんだゾ!」

グリムがギャンギャン吠えた

その隣でマレウスは「フランム。これは全てお前の仕込んだことか?」とピリピリした表情で問う

ロロ「左様。“間抜けなお前たち”といえど、ここまでくれば気づいたようだな」

セベクはその言葉に反応する

セベク「な、なんだと…貴様今なんと言った!」

ロロ「間抜け、と言ったんだ」

ロロは丁寧に言い返す

ロロ「私がこうして紅蓮の花の準備をしていたことにも気付かず、呑気に交流会だ祭りだと楽しむお前たちを見ていて、笑いを堪えるのが大変だったよ」

セベクはピタッ、と止まった

ロゼッタは、あっ…と気づく

ロゼッタ「(ハンカチでよく口を隠していたのはもしかして笑いを堪えるため…?)」

ロロ「それに君もだよ」

ロロは鋭い視線でロゼッタをとらえた

ロゼッタは自分に向けられたその憎悪に少し身震いをする

ロロ「君のその瞳、小さな手、その純潔さに惑わされて、危うく計画がパーになるところだった…」

ロロはロゼッタに握られたことのある手のひらを固く握りしめた

ロロ「気安く私に触れ、祭りの踊りにまで誘ってきた。…愛想のある顔で近づき、私を貶めようとしたな…」

そして、ロロは言ってはならない言葉を口に出してしまうーー

ロロ「この…人間の皮を纏ったこの化け物が。あの汚らわしい笑みを見るたび、胸が気持ち悪くなる」

ロロの言葉にドッ、とロゼッタの体が重くなる。

昔言われたことを思い出したロゼッタは、顔が青白くなっていった。

エペル「オイ!ゴラァ!!今、ロゼッタさんになんてこと言った!?」

エペルはそんなロロに唾を吐くよう怒鳴りつけた。すぐそこにロロがいたら拳で殴るほどに怒っている

エペル「ロゼッタさんが愛想のある笑みをだぁ!?心の底からの笑顔と間違ってんじゃねーか!」

エペルはうー、と歯を剥き出しにして唸った

アズールも言い返した

アズール「これはこれは。いかにも悪党、といったセリフですね」

アズールはロロをメガネ越しに睨んだ

しかし、そのアズールの言葉はロロの逆麟に触れるーー

ロロ「黙れ。悪党はお前たちだ!!!」

見たこともないロロの表情

相当頭に来たのか、眉間に皺を寄せ、顔に影をまとわりつけていた

ロロは大講堂を包み込むような声の大きさで怒鳴った

ロロ「あまつさえも魔法を見せつけて、人々を魅了するなど…やはりお前たち魔法士は許してはならぬ存在だ!」
 
ロロはハッキリと言い放った

ロロ「…しかし、安心するといい。お前たちのようなどうしようもない悪党どもを、私が救ってやる」

ロロの表情が少しばかり緩める

ロロ「私はこの花の名の通り、世界中を紅蓮に染め…ツイステッドワンダーランド中の魔法士から、魔力を奪い尽くしてやるのだ!」

グリム「ま、魔力を奪う…?そ、それじゃあオレ様、大魔法士になれなくなっちまうじゃねーか」

グリムは「絶対に嫌なんだゾ!」と眉を吊り上げた。

ユウは「どうしてそんなことを…?」とロロを疑った

マレウス「そのような植物を広められたら茨の谷もただではすまない。フランムの目的がなんであろうと、黙って見過ごすわけにはいかないな」

マレウスたちの発言を聞き、ロロは「はあ…」と深いため息をこぼす

ロロ「だからお前たちは間抜けだと言ったんだ」

ロロの溢れた言葉にセベクが「貴様アアアア!マレウス様に向かって3度も間抜けなどと!!」と腹の底から叫び出す

セベク「もう許せん!!目に物を見せてやる!!!」

シルバー「ああ。ロロ・フランム…覚悟すると良い。魔法を使わずとも、お前を止める術はある」

「力に訴えるのはあまり好きではありませんが、話が通じない相手にはやむを得ませんね」

シルバーやセベクもロロに戦う気満々だった

イデアも「害悪植物を野放しにできるわけないでしょ。ばら撒かれる前に止めて見せますわ」と賛同した

ロゼッタも助太刀をするため、心の中で精霊を呼ぶ。

ロロ「ぷっ…あはは!」

そんな彼らの行動にロロは口を大きく開けて笑った

マレウス「なにがおかしい?」とマレウスが氷のような視線でロロを見つめた

ロロはまだ笑っている

ロロ「ああ、なにもかも遅すぎる!ことは既にすんでいるのだよ!」

ロロはバッ、と救いの鐘がある塔へと手のひらを向け、あはは!と面白おかしく笑っている

ロロ「鳴るはずのない4度目の救いの鐘が響いたことで、この街には十分な魔力が満ちた…既に紅蓮の花は、この学園だけではなく花の街中に広がり、魔法士の力を吸い取り始めている」

ロロの衝撃的な発言に「ま、街中だと!?」と冷静だったトレインが耳を疑った

ロゼッタも目を見開いて驚く

ロゼッタ「(ねえ、メリッサ。浄化の力を使っても止められない?)」

メリッサ『(この状態じゃ無理ね。あなたの体がもたないわ。浄化する前に力が吸い取られちゃう)』

ロゼッタ「(そう・・・)」


ジャミル「みんな!窓の外を見ろ!」

窓の外、赤く燃え広がる紅蓮の花。さっきまでどんちゃん騒ぎだったら祭り会場が火の海だった

ルーク「ああ、なんということだ…人々を犠牲にして、花が輝いている。花に罪はないが、この光景はとてもボーテは言えない…!」

ルークは神経を張りつめる

デュースは炎に包まれた景色を睨みつけ、ロロに顔を向けた

デュース「真面目な人だと思っていたのに…てめぇ卑怯な真似しやがって!降りてこい!サシで勝負しろオラァ!」

デュースが警察犬のようにギャンギャン、ロロを威嚇した
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