グロリアスマスカレード~紅蓮の花と救いの鐘~

ーー花の街ー逆さま祭り会場

トレインたちは会場へたどり着いた

グリムとユウの手にはお菓子やらドリンクやらでいっぱいだった「交流会サイコー!」

その様子をロゼッタは微笑ましく見ていた。

「あっ!ロゼッタ氏!」

会場には既にイデアたちがいた

ロゼッタに気づくとイデアはすぐに駆け寄ってきた
 
グリム「ん?正面にある1番でけーテントがステージか?」

グリムは景色に着目した

そのステージの他にも至る所にテントがあった

「出し物とかお店とか色々やってたよ」とイデアが教える

それからフィールドワークとして、祭り会場を見て回ることにした

イデア「ロゼッタ氏、見てよあれ!」

ロゼッタ「あら、楽しそうですね」

イデアとロゼッタは相変わらず仲良く出店を回っている

そんな2人にムーッ、となるのがデュースだった

デュース「シュラウド先輩と仲良しなのは分かったけれど、僕とも一緒に見てほしい」

デュースは頬を膨らます

ロゼッタ「デュース君に、その顔は似合わないわよ」

そういってデュースの頬っぺたの空気を抜く

デュース「!?」

デュースは嬉しくもあり、触られた恥ずかしさもありで固まってしまった。

ロゼッタ「?」

ロゼッタはそんなデュースに疑問を抱きつつも、マレウスのところへ向かった。

マレウス「おっと…僕のところへ戻ってきてくれたのか?」

マレウスはクスッと笑った

そしてロゼッタの肩を引き、「あれを見てみろ。面白いものが観れるぞ」と指差した

そこには脚の長いオバケ…もとい、竹馬をあやつり、身長を大きく見せている芸者がいた

ロゼッタは目を大きく開いて、その面白さに惹かれていった

グリム「オレ様もアレを使えばツノ太郎よりも背がデッカくなるのか?」

それからなぜか、グリムとマレウスのどんぐりの背比べが始まった

といってもなせだか、ユウを使ってもグリムはマレウスに勝てないらしい

ロゼッタ「ふふっ。グリム君はその大きさだからこそ可愛いのだけれど」

監督生「そうですよね…」

結論はグリム+ユウ。そしてそれでも勝てなかったらデュースを加えることとなった。

ロゼッタ次にアズールのところへ行く。

アズール「おや、今度は僕のところですか」

ロゼッタ「アズール君、楽しんでる?」

アズールは「ええ。見てくださいよアレ。見ているだけでハラハラしません?」とロゼッタに綱渡りを見せた

彼女がソワソワしていることに気づけば、彼は笑った

アズール「お祭り、楽しいですね」

ロゼッタ「ええ、そうね。エリーゼだったころは外に出たことがなかったから、今、とても楽しいわ。」

アズール「それは良かった」

そんなアズールはロゼッタから視線をはずし、何かに気づいた

アズール「ん?向こうのテントの前にいる方々…見たことがあるような気がします」

アズールの視線の先にはキラキラとした男子高校生がいた。シャキッ、とした、騎士団のような制服に身を包んでいる

アズール「あそこにいる団体、ロイヤルソードアカデミーの生徒じゃないですか?」

アズールの気づきにエペルは「げっ!」と反応した

エペル「本当だ…街の人たちに囲まれてるの、ネージュじゃねぇか!」

リドル「チェーニャもいるね。こんなところで会うとは思わなかったよ」

リドルもびっくりしていた

けれど交流会はナイトレイブンカレッジだけがお呼ばれしたわけではないことを知っているため、他校も呼ばれていると、理解するのに時間はかからなかった

ロイヤルソードアカデミー以外にも魔法士育成学校の生徒はちらほらといた

イデア「ロゼッタ氏ーあんなキラキラ王子様系から離れて、他のお店巡ろうよ…って、あれ!?ロゼッタ氏!?さっきまでここにいたのに消えたんだが!?」

イデアは目を見開いて、ロゼッタを探した








ネージュ「あっ!ロゼッタちゃん!こんなところで会えるなんてビックリだよ!!」

ネージュは挨拶をしに来たロゼッタに抱きつく。満面の笑みだった。

ロゼッタ「こんにちは。ネージュさん。」

チェーニャ「おみゃーも呼ばれてたんだにゃ」

チェーニャはしょこっ、と顔を出した

ロゼッタはそんなチェーニャに驚きつつも、手を軽くふった

するとボフッ、と彼の胸に顔が向かう

チェーニャ「そーかそーか。おみゃーも俺に会いたかったわけか。おみゃーから抱きしめてくれるとは」

ごろごろ、とチェーニャは喉を鳴らした

というより、チェーニャが自分の手を透明化させ、自分のもとへ引き寄せただけである

ネージュ「ねぇ、ロゼッタちゃん!せっかく楽しい音楽が流れていることだし踊らない?」

ネージュはロゼッタを誘った。

ロゼッタはチェーニャの腕から顔を出し、頷いて笑う









イデア「えっ!?ロゼッタ氏!?ロイヤルソードアカデミーと仲、良くない!?」

ネージュと手を繋いでニコニコしているロゼッタにイデアはびっくりした
 
エペル「い、いろいろあって…」

エペルは視線を横に流し、死んだ顔で言う

ルークはその隣で「はぁ、心臓を撃ち抜かれてしまった」と倒れそうになっていた

今一度イデアはロゼッタのことを見た

ネージュやチェーニャと楽しそうに踊っているロゼッタ

ものすっごく笑顔だった

イデア「本当は拙者らなんかより…あっちのほうが…」

”楽しいのでは?”そんなことを考えてしまった

監督生「イデア先輩、ロゼッタさんのこと、ちゃんと見てます?」

しょぼんとしているイデアに監督生は伝えた

監督生「先輩に手をふってますよ?」

イデア「あっ…」

ロゼッタは踊りつつも、イデアに手をふっていた

瞳に光沢を増し、微笑んでいる

イデア「そうですよね。ロゼッタ氏は拙者のことが大好きでした!」

イデアはニヤッと笑った

監督生は「いや、ロゼッタさんが好きなのはレオナ先輩だから」と突っ込む

それから席決めが始まったテーブル席には6人が座れる

トレイン、アズール、イデア、ユウ、グリム、マレウスの順で決まっていったのだが、そこにセベクが入ろうとしていた

しかしセベクはグリムとのじゃんけんで負けてしまう

セベク「くぅっ。この僕がまけるなんて…いや、でもいい。こちらの席にはロゼッタ様がいらっしゃるんだ!」

セベクの言葉に皆が「あっ」と言葉を漏らした

ロゼッタのことを忘れていたわけじゃないが、そういえば…と

セベク「って、いない!?ロゼッタ様はどちらに!?」

セベクは慌ててロゼッタを探した

デュースは「あそこにいるぞ」とムッ、としながら言った

セベク「なっ!?ロイヤルソードアカデミーの席に!?」
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