ゴーストマリッジ

監督生「と、いうことは…合格ですか!」

リドル「審査には合格したようだね。それなら早く中に入れてくれないか?」

ゴースト【だが……やはり、背が……】

リドル「え?」

ゴースト【背が、小さすぎるのがなあ】

ゴーストさんはリドル君とエペル君を見て呟いた。
エペル君に関しては「え?」という感じだったが……リドル君は違う。

いつもストッパーのトレイ先輩とケイト先輩は不在

エース「りょっ、寮長落ち着いて!」

「……よ、世の中身長が全てじゃないわ!!リドル君はとても素敵な人よ!!」

リドル「……よ……」

エース「アイツ寮長のすごさがわかってないんすよ。やだなー……ははは……」

監督生「そ、そうだよ!ね!エペル君!」

エペル「え!?あ、うん!ソ、ソウデスヨ!!アハハハ…」

1年生ズと私で何とかフォローをしているが…額の青筋は収まってくれる様子はない。

そして・・・・

リドル「よくも……よくもボクにそんな口をきいてくれたね!!

【オフ・ウィズ・ユアヘッド】!!!!!!!!!!」

久しく発動していなかったリドル君のユニーク魔法【オフ・ウィズ・ユアヘッド】がゴーストさんに対して発動し、彼の首…?に赤いハート型の首輪がつけられた。

ゴースト【ぎゃぁあ!?】

リドル「炎よ!この無礼者を燃やし尽くせ!!」

監督生「これ以上やる?!」

エース「寮長落ちついて!!!!」
.
ゴースト【あっちちちちちぃぃぃぃーッ!】

リドル君のマジカルペンから炎属性の魔法が放たれ、それがゴーストさんに直撃。

お尻の方を抑えつつ、ピューンッと逃げて行ってしまった。

ルーク「リドルくんの魔法が鮮やかにきまったね」

リドル「どいつもこいつも……一般的に男性の身長が伸びるのは18歳までだと言われている!僕はまだ、1年も余地がある!」

エース「寮長、それ絶対調べたでしょ……。ずっと気にしてたんすか?」

リドル「気にしていない!ボクはただ、外見で人を判断するヤツが許せないんだ!」

エペル「そ、それは納得できるけど……こんな派手に魔法を使ったら……」

ゴースト【一体なんの騒ぎだ!!】

騒ぎを聞きつけたゴーストさんが校内から出てくる。
大量に。

騒ぎの原因が私達だと気づいた彼らは、魔法を連発してきた。

グリム「ゴースト達、いきなり魔法を撃ってきたんだゾ!」

エペル「これじゃあ馬でプロポーズなんて出来ないよ……危ないから、君はもう厩舎にお帰り」

エペル君はそういい、背後に控えていた白馬をに厩舎の方へ逃がした。

エース「馬どころか"オペレーション・プロポーズ"全部がパアだよ!」

リドル「す、すまない。時間がない焦りと怒りで、つい……!」

エース「今までの求婚者の中で、寮長が一番ダメダメじゃん!」

リドル「くっ……ボクとしたことが……」

ルーク「いいんだよ、薔薇の君。
ハリネズミのように全身で怒りを表現する姿。実にボーテ。きっと炙られたゴーストも今頃キミにスタンディングオペレーションさ」

エース「んなわけねえだろっ」

「そんな事言っている場合じゃ…っ!」

言い合いを他所に放ってくる攻撃。
サムさんからもらったブーケを持つと、ゴーストさんからの攻撃が弾かれる。

これ、本当に効果があるんだなぁ。

『なんかおもしろそ~』

私の影からヒョンッと出てきた、ランタン君が頭の上に乗っかる。
彼の持つランタンがカランッと揺れると、攻撃してきたゴーストさん達に青火が放たれる。

グリム「おぉ!ゴーストの奴らが散っていくんだゾ!」

ルーク「さすがはジャック・オー・ランタンだね。とても美しい青火だ!」

エース「感心してる場合じゃねぇー!!」

ゴースト【姫様の結婚式まであと少し。何者だろうと、邪魔はさせない!】

「っ…ランタン君、青火をもっと強く放って!」

ランタン『えー、熱いよ?』

「大丈夫!…てことで、皆さん我慢してくださいね!」

エペル「我慢?」

エース「え、どういうこと?」

エース君達の言葉に返答する間もなく、ランタン君が再びランタンをカランッと揺らす。

すると、先ほどよりも強く大きいランタン君の青火がゴーストさん達…だけではなく、門全体を飲み込んでいく。

「走って!」

エペル「…え?」

監督生「強行突破するってこと!?」

エース「て、そういう我慢!!?」

多少熱いけど、仕方がない。

ランタン君の魔法の性質はゴーストさん達と似ているから、ブーケを持っているとその魔法は多少弱まる……はず。

私達は燃え上がる門前をくぐった。
20/35ページ
スキ