グロリアスマスカレード~紅蓮の花と救いの鐘~
「よかろう」
トレインがヒントを出した
「入り口はここだけではない。街中様々な場所に地下水路への入り口が隠されているという」
「入り口があちらこちらに?うぅむ…」
セベクは悩んでいた
マレウスはそんなセベクに「せっかく実物が目の前にあるんだ。実際に水路の中に入ってみるといい」と助言を出す
マレウスの助言となれば、セベクは嬉しそうに「はい!」と返事をした
「…ひんやりとしていますね。水が流れていて、その両側には人が歩けるほどの歩道があります。暗くて先は見えませんが、歩道はどこまでも続いていて、風の向きからして王道もあるのではないかと」
セベクは真剣な表情で語った
…とここまで情報を得ることができるセベクだが、まだわからなかった
グリムが「飽きたんだゾー!」と嘆いている
そこを「また数分しか経っていないだろうが!!もう少し待て!!」とセベクに言われている
「もう1つヒントをやるよ。(ロゼッタ様の前だ。良い姿をお見せしたい。)」
手を差し伸べてくれたのはジャミルだ
「もしもここを、自分の主人が1人で歩こうとしたらどうする?」
セベクはすぐに若様を思い立った
「無理矢理にでもお供するに決まっている!」
薄暗いと言ったところで、セベクは答えを導き出した
「この水路…昔は人が隠れるのに使われていたのではないか!?」
「正解だ、セベク」
マレウスに褒められ、セベクは嬉しそうにした
マレウスは水路を見渡す
観光客が少ないことで静寂さがそこにはあった。しかしそれもまた好ましかった
トレインもここを気に入っているようだった
「ということは奥さんとの、思い出のデートの場所なんですね?」
とトレインをジャミルが珍しくいじっている
そして真面目に巡ろうとするマレウスたち
トレインが「終わりだと言っているだろう!」と大声を出すほどだった
ロゼッタ「奥様との素敵な思い出なのですね。いいなあ…」
今まで旅行なんてほとんど行ったことのなかったロゼッタがそう言う。
監督生「ロゼッタさん!また旅行しましょう!」
ロゼッタ「え?」
ジャミル「熱砂の国にもまだ紹介しきれていない魅力があります。また、行きましょう。」
ロゼッタ「え、ええ」
サラマンダー『ボクも―』
ロゼッタ「ふふっ。そうね。一緒に行きましょう」
「さて、そろそろ地上に上ろうか。年寄りの昔話に付き合わせてすまなかったな」
トレインは足を進めた
しかし、何か足りないことにリドルが気づく
リドル「グリムがいないんじゃないかい?」
あ…とユウの声が漏れた
「何か嫌な予感がする!」と駆け出したが、
グリムは赤と白の縞模様がくるくるしている床屋の前にいた
セベクはそんな床屋を見て、ミドルスクールの頃のことを思い出していた
なんと、半月に一度通っていたらしい
「ジャミル先輩はどうでしたか?」
「せいぜい数ヶ月に一度整えるぐらいだよ」
ジャミルはリドルに話をふった
リドルは「月に一度母に連れていってもらった」という
今では自分で切ろうとしたが、ケイトに止められたのだとか
「ケイト先輩にお礼を言っておいたほうが良いぞ」
「マレウス先輩はどうでしたか?」
ジャミルはマレウスに聞いた
「僕は専属の理容師を城に呼んでいた」
「す、すごい。さすがは王族」
マレウスの答えにリドルは驚く
今ではリリアがシルバーの髪を切るときにやってもらっているのだとか
監督生「ロゼッタさんはどうしているんですか?」
ロゼッタの髪について気になっていた監督生が聞く
ロゼッタ「こうよ」
ロゼッタはたちまちマジカルペンをふる
「なっ…!?」
すると長かったロゼッタの髪が短くなっていた
魔法で切っている、という答えなのだろうが…
「「「ロゼッタ/様の美しい髪が!?!?!?」」」
セベクは叫びだし、
「ロゼッタ!およし!!」とリドルは顔を真っ赤にして怒鳴った
面々、大慌てだ
ただ1人だけジャミルは「ロゼッタ様のショートも悪くありませんね」と呟いていた
すぐにマレウスが魔法で、ロゼッタの髪の長さを戻した
ロゼッタ「自分で戻せますよ、マレウスさん」
マレウス「ロゼッタ、今度そんなことをしたら怒るぞ?」
珍しくマレウスが苛立っていた
ロゼッタ「…ごめんなさい」
とそんなところで、トレインから呼び出しが入った
「私たちはそろそろ他の班の元に行くとしよう。一班は勉強熱心な物ばかりだから心配はいらないと思うが、気をつけて回るように」
ロゼッタはトレインのあとをついていく
「もう行ってしまうのか?」とさっきまで怖い顔だったマレウスが寂しそうに俯いていた
ロゼッタはマレウスの前に立つと、背伸びをしてマレウスの頬にちゅっとキスをした
マレウス「っ!」
マレウスは驚いて目を丸くする
「マレウスさんなら大丈夫。」
マレウス「…ああ、そうだな」
マレウスはその後随分とご機嫌だったらしい。
トレインがヒントを出した
「入り口はここだけではない。街中様々な場所に地下水路への入り口が隠されているという」
「入り口があちらこちらに?うぅむ…」
セベクは悩んでいた
マレウスはそんなセベクに「せっかく実物が目の前にあるんだ。実際に水路の中に入ってみるといい」と助言を出す
マレウスの助言となれば、セベクは嬉しそうに「はい!」と返事をした
「…ひんやりとしていますね。水が流れていて、その両側には人が歩けるほどの歩道があります。暗くて先は見えませんが、歩道はどこまでも続いていて、風の向きからして王道もあるのではないかと」
セベクは真剣な表情で語った
…とここまで情報を得ることができるセベクだが、まだわからなかった
グリムが「飽きたんだゾー!」と嘆いている
そこを「また数分しか経っていないだろうが!!もう少し待て!!」とセベクに言われている
「もう1つヒントをやるよ。(ロゼッタ様の前だ。良い姿をお見せしたい。)」
手を差し伸べてくれたのはジャミルだ
「もしもここを、自分の主人が1人で歩こうとしたらどうする?」
セベクはすぐに若様を思い立った
「無理矢理にでもお供するに決まっている!」
薄暗いと言ったところで、セベクは答えを導き出した
「この水路…昔は人が隠れるのに使われていたのではないか!?」
「正解だ、セベク」
マレウスに褒められ、セベクは嬉しそうにした
マレウスは水路を見渡す
観光客が少ないことで静寂さがそこにはあった。しかしそれもまた好ましかった
トレインもここを気に入っているようだった
「ということは奥さんとの、思い出のデートの場所なんですね?」
とトレインをジャミルが珍しくいじっている
そして真面目に巡ろうとするマレウスたち
トレインが「終わりだと言っているだろう!」と大声を出すほどだった
ロゼッタ「奥様との素敵な思い出なのですね。いいなあ…」
今まで旅行なんてほとんど行ったことのなかったロゼッタがそう言う。
監督生「ロゼッタさん!また旅行しましょう!」
ロゼッタ「え?」
ジャミル「熱砂の国にもまだ紹介しきれていない魅力があります。また、行きましょう。」
ロゼッタ「え、ええ」
サラマンダー『ボクも―』
ロゼッタ「ふふっ。そうね。一緒に行きましょう」
「さて、そろそろ地上に上ろうか。年寄りの昔話に付き合わせてすまなかったな」
トレインは足を進めた
しかし、何か足りないことにリドルが気づく
リドル「グリムがいないんじゃないかい?」
あ…とユウの声が漏れた
「何か嫌な予感がする!」と駆け出したが、
グリムは赤と白の縞模様がくるくるしている床屋の前にいた
セベクはそんな床屋を見て、ミドルスクールの頃のことを思い出していた
なんと、半月に一度通っていたらしい
「ジャミル先輩はどうでしたか?」
「せいぜい数ヶ月に一度整えるぐらいだよ」
ジャミルはリドルに話をふった
リドルは「月に一度母に連れていってもらった」という
今では自分で切ろうとしたが、ケイトに止められたのだとか
「ケイト先輩にお礼を言っておいたほうが良いぞ」
「マレウス先輩はどうでしたか?」
ジャミルはマレウスに聞いた
「僕は専属の理容師を城に呼んでいた」
「す、すごい。さすがは王族」
マレウスの答えにリドルは驚く
今ではリリアがシルバーの髪を切るときにやってもらっているのだとか
監督生「ロゼッタさんはどうしているんですか?」
ロゼッタの髪について気になっていた監督生が聞く
ロゼッタ「こうよ」
ロゼッタはたちまちマジカルペンをふる
「なっ…!?」
すると長かったロゼッタの髪が短くなっていた
魔法で切っている、という答えなのだろうが…
「「「ロゼッタ/様の美しい髪が!?!?!?」」」
セベクは叫びだし、
「ロゼッタ!およし!!」とリドルは顔を真っ赤にして怒鳴った
面々、大慌てだ
ただ1人だけジャミルは「ロゼッタ様のショートも悪くありませんね」と呟いていた
すぐにマレウスが魔法で、ロゼッタの髪の長さを戻した
ロゼッタ「自分で戻せますよ、マレウスさん」
マレウス「ロゼッタ、今度そんなことをしたら怒るぞ?」
珍しくマレウスが苛立っていた
ロゼッタ「…ごめんなさい」
とそんなところで、トレインから呼び出しが入った
「私たちはそろそろ他の班の元に行くとしよう。一班は勉強熱心な物ばかりだから心配はいらないと思うが、気をつけて回るように」
ロゼッタはトレインのあとをついていく
「もう行ってしまうのか?」とさっきまで怖い顔だったマレウスが寂しそうに俯いていた
ロゼッタはマレウスの前に立つと、背伸びをしてマレウスの頬にちゅっとキスをした
マレウス「っ!」
マレウスは驚いて目を丸くする
「マレウスさんなら大丈夫。」
マレウス「…ああ、そうだな」
マレウスはその後随分とご機嫌だったらしい。