グロリアスマスカレード~紅蓮の花と救いの鐘~
ロロは遠くを見つめた
みんなより少し離れた場所で会話をしているメンバー
リドル「クスッ、ロゼッタはボクも尊敬するほど素敵な魔法士なんです」
「ほぅ、なるほど」
ロゼッタ「そ、そんなことないわ」
リドルとノーブルベルガレッジの副会長
そしてーー楽しげに笑っている女性
ロロはリドルのことを「ハーツラビュルの寮長」だと言い当てた
しかしーー
ロロ「あの者は…」
ロロはじー、とロゼッタのことを見つめた
他のメンバーのことは知っている彼だが、ロゼッタのことはクロウリーに教えてもらっていなかった
監督生はロゼッタについて自慢話をしようと胸を張ったが、ロロは足を進めてロゼッタの前に立った
自分から聞きに行こうと思ったのだ
「?」
ロゼッタはロロに気づく
ロロのほうが背が高いため、ロゼッタはきょとんとした目で見上げた。
ロロ「失礼。名前を伺っても?」
「初めまして。ロゼッタ・シャーティーです。」
ロロ「!」
美しい声と可愛らしい笑顔にロロは戸惑った
ロロ「・・・」
アズール「ロロさん?ハンカチを落としましたよ?」
アズールはロロの手からこぼれたハンカチに気づく
ロロはハッ、となりそのハンカチを拾ーー
「っ…」
ハンカチの上でロゼッタの指先に当たった
ロゼッタもそのハンカチを拾おうとしていたのだ
ロロは手を引っ込めた
そのため、ロゼッタがハンカチを拾えた
塵をはらい、ロゼッタはロロにハンカチを渡した。
ロゼッタ「どうぞ」
ロロ「っ…、す、すまない…」
ロロはそれを拾うと、口元を隠した
しかし、これを拾おうとしてロゼッタの指先に触れたことを思いだし、バっとポケットに仕舞い込んだ
ロロ「そ、それでは、正面の広間に進みましょう」
ロロはロゼッタに背を向け、早々と進んでいった
ロゼッタ「(ロロさん、どうしたのかしら?)」
監督生「(あ~あ。ロゼッタさんに惚れた人が増えた)」
ーーノーブルベルガレッジ
「おお~!!」
学園が見渡せる
落ち葉がひとつも落ちていない
中央には馬に乗った騎士のような銅像があった
ロロによるとノーブルベルガレッジの生徒は綺麗好きらしい
それもそのはず
ロロ「ノーブルベルガレッジは廉潔・清純を信条にしているのだよ」
ロロの言葉にマレウスは自分の好みを呟いた
イデアはそれを聞いて、「廃墟…」と言うほど
ロロはハンカチで口元を隠す
ロロ「そちらの皆様もいかがですかね?」
ロロに質問されたはエペルはふわっ、と笑った
エペル「すごいです!改めて、違う学校に来たんだなって実感しました。僕、よその学園に入るのって初めてだ」
デュース「ああ、僕もだ」
エペルの隣にいたデュースも頷く
「学校ってだけでなんだか緊張するな…」とソワソワしていた
エペル「でも、メインストリートに像があるところなんかナイトレイブンガレッジに似てない?」
エペルは像を見上げた
「確かに」とグリムはグレートセブンを思い出す
怒りん坊なハートの女王のことも
デュース「お前とエースが燃やした。ハートの女王の像のことだな」
デュースはニヤッとグリムを見た
グリムはリドルの鋭い目付きに気が付き、「そそそ、そんなこともう忘れたんだゾ!」と焦っている
グリム「そういえば、あの時ロゼッタ、ハートの女王の石像をハンカチで拭ってたんだゾ…」
リドル「え?」
デュース「燃えたことがショックだったんですか?」
ロゼッタ「ええ。学園にとって、とても大切な像ですもの。悲しかったわ…」
グリムの呟きをリドルは拾った。リドルの胸がじーん、と熱くなる
リドル「ロゼッタ…ハートの女王の石像を心配してくれたのかい…?」
リドルの問いにロゼッタはふわっと微笑む
リドルはハートの女王を守る=ロゼッタが自分を守ってくれたみたいで優越感も手に入れた
変わってラギーは「この学園にある像は1つだけッスね」と数に着目した
険しい顔つきの像は服装からして王様ではなさそうだった
「この方は、『正しき判事』だ」
ロロは彼のことを教えてくれた
リドルも彼のことを知っているらしい。歴史に名を残した偉人だ
2年の魔法史で習うそう
ロゼッタは授業を手伝うこともあるため、もちろん知っていた。
しかし、ラギーは「え?そんなの習ったッスか?」となっている
トレインは復習として『正しき判事』のことを説明した
トレイン「正しき判事は、かつて花の街に存在したとされる裁判官だ」
ロゼッタ「とても公平な人で、いつも正しい判断を下したそうよ」
トレインの言葉にロゼッタが続く
トレイン「グレート・セブンに並ぶ偉人だと評価されている」
ロロ「その通りです」
トレインの教えにロロは頷いた
「街が悪党たちにのっとられそうになった際も、公平な審判で街に平和を取り戻したと伝わっている」
「へぇ…かっけぇ伝説を持った人なんですね!」
デュースはおおっ!と歓喜していた
ロゼッタもその隣でデュースのことを微笑ましく見ていた
そんな彼女の姿をロロはチラッと確認した
ロロ「花の街に住む者たちは皆、彼を尊敬していてね。ノーブルベルガレッジの生徒たちもまた、彼のような公明正大であらんと心がけているのだよ」
少しばかりロロの口角があがった
…と、そんな時
大きな鐘の音が辺りに響いた。ゴーンゴーン、と耳の内部を刺激する
眠そうだったシルバーがハッ、となるぐらいだ
ロロ「ああ。これは『救いの鐘』の音だ」
イデア「な、なんかいかにもすごそうな壮大な名前…」
イデアの呟きにロロは「無論壮大だ」と頷く
ロロ「この世に2つとない、我が校に代々伝わる貴重な魔法道具だから」
この世に2つとない…ノーブルベルガレッジの宝
「大切にされているのだな」
「ナイトレイブンガレッジが所持する闇の鏡のようなものということか?」
なぜだか、ロロに聞くはずの質問をマレウスはロゼッタを見つめて言い放った。
ロロはそんなマレウスに気づく
それからトレインと亡き妻の話が始まった
ロロはそれを聞き、トレインにこう伝える
ロロ「よろしければご覧になりますか?」
みんなより少し離れた場所で会話をしているメンバー
リドル「クスッ、ロゼッタはボクも尊敬するほど素敵な魔法士なんです」
「ほぅ、なるほど」
ロゼッタ「そ、そんなことないわ」
リドルとノーブルベルガレッジの副会長
そしてーー楽しげに笑っている女性
ロロはリドルのことを「ハーツラビュルの寮長」だと言い当てた
しかしーー
ロロ「あの者は…」
ロロはじー、とロゼッタのことを見つめた
他のメンバーのことは知っている彼だが、ロゼッタのことはクロウリーに教えてもらっていなかった
監督生はロゼッタについて自慢話をしようと胸を張ったが、ロロは足を進めてロゼッタの前に立った
自分から聞きに行こうと思ったのだ
「?」
ロゼッタはロロに気づく
ロロのほうが背が高いため、ロゼッタはきょとんとした目で見上げた。
ロロ「失礼。名前を伺っても?」
「初めまして。ロゼッタ・シャーティーです。」
ロロ「!」
美しい声と可愛らしい笑顔にロロは戸惑った
ロロ「・・・」
アズール「ロロさん?ハンカチを落としましたよ?」
アズールはロロの手からこぼれたハンカチに気づく
ロロはハッ、となりそのハンカチを拾ーー
「っ…」
ハンカチの上でロゼッタの指先に当たった
ロゼッタもそのハンカチを拾おうとしていたのだ
ロロは手を引っ込めた
そのため、ロゼッタがハンカチを拾えた
塵をはらい、ロゼッタはロロにハンカチを渡した。
ロゼッタ「どうぞ」
ロロ「っ…、す、すまない…」
ロロはそれを拾うと、口元を隠した
しかし、これを拾おうとしてロゼッタの指先に触れたことを思いだし、バっとポケットに仕舞い込んだ
ロロ「そ、それでは、正面の広間に進みましょう」
ロロはロゼッタに背を向け、早々と進んでいった
ロゼッタ「(ロロさん、どうしたのかしら?)」
監督生「(あ~あ。ロゼッタさんに惚れた人が増えた)」
ーーノーブルベルガレッジ
「おお~!!」
学園が見渡せる
落ち葉がひとつも落ちていない
中央には馬に乗った騎士のような銅像があった
ロロによるとノーブルベルガレッジの生徒は綺麗好きらしい
それもそのはず
ロロ「ノーブルベルガレッジは廉潔・清純を信条にしているのだよ」
ロロの言葉にマレウスは自分の好みを呟いた
イデアはそれを聞いて、「廃墟…」と言うほど
ロロはハンカチで口元を隠す
ロロ「そちらの皆様もいかがですかね?」
ロロに質問されたはエペルはふわっ、と笑った
エペル「すごいです!改めて、違う学校に来たんだなって実感しました。僕、よその学園に入るのって初めてだ」
デュース「ああ、僕もだ」
エペルの隣にいたデュースも頷く
「学校ってだけでなんだか緊張するな…」とソワソワしていた
エペル「でも、メインストリートに像があるところなんかナイトレイブンガレッジに似てない?」
エペルは像を見上げた
「確かに」とグリムはグレートセブンを思い出す
怒りん坊なハートの女王のことも
デュース「お前とエースが燃やした。ハートの女王の像のことだな」
デュースはニヤッとグリムを見た
グリムはリドルの鋭い目付きに気が付き、「そそそ、そんなこともう忘れたんだゾ!」と焦っている
グリム「そういえば、あの時ロゼッタ、ハートの女王の石像をハンカチで拭ってたんだゾ…」
リドル「え?」
デュース「燃えたことがショックだったんですか?」
ロゼッタ「ええ。学園にとって、とても大切な像ですもの。悲しかったわ…」
グリムの呟きをリドルは拾った。リドルの胸がじーん、と熱くなる
リドル「ロゼッタ…ハートの女王の石像を心配してくれたのかい…?」
リドルの問いにロゼッタはふわっと微笑む
リドルはハートの女王を守る=ロゼッタが自分を守ってくれたみたいで優越感も手に入れた
変わってラギーは「この学園にある像は1つだけッスね」と数に着目した
険しい顔つきの像は服装からして王様ではなさそうだった
「この方は、『正しき判事』だ」
ロロは彼のことを教えてくれた
リドルも彼のことを知っているらしい。歴史に名を残した偉人だ
2年の魔法史で習うそう
ロゼッタは授業を手伝うこともあるため、もちろん知っていた。
しかし、ラギーは「え?そんなの習ったッスか?」となっている
トレインは復習として『正しき判事』のことを説明した
トレイン「正しき判事は、かつて花の街に存在したとされる裁判官だ」
ロゼッタ「とても公平な人で、いつも正しい判断を下したそうよ」
トレインの言葉にロゼッタが続く
トレイン「グレート・セブンに並ぶ偉人だと評価されている」
ロロ「その通りです」
トレインの教えにロロは頷いた
「街が悪党たちにのっとられそうになった際も、公平な審判で街に平和を取り戻したと伝わっている」
「へぇ…かっけぇ伝説を持った人なんですね!」
デュースはおおっ!と歓喜していた
ロゼッタもその隣でデュースのことを微笑ましく見ていた
そんな彼女の姿をロロはチラッと確認した
ロロ「花の街に住む者たちは皆、彼を尊敬していてね。ノーブルベルガレッジの生徒たちもまた、彼のような公明正大であらんと心がけているのだよ」
少しばかりロロの口角があがった
…と、そんな時
大きな鐘の音が辺りに響いた。ゴーンゴーン、と耳の内部を刺激する
眠そうだったシルバーがハッ、となるぐらいだ
ロロ「ああ。これは『救いの鐘』の音だ」
イデア「な、なんかいかにもすごそうな壮大な名前…」
イデアの呟きにロロは「無論壮大だ」と頷く
ロロ「この世に2つとない、我が校に代々伝わる貴重な魔法道具だから」
この世に2つとない…ノーブルベルガレッジの宝
「大切にされているのだな」
「ナイトレイブンガレッジが所持する闇の鏡のようなものということか?」
なぜだか、ロロに聞くはずの質問をマレウスはロゼッタを見つめて言い放った。
ロロはそんなマレウスに気づく
それからトレインと亡き妻の話が始まった
ロロはそれを聞き、トレインにこう伝える
ロロ「よろしければご覧になりますか?」