グロリアスマスカレード~紅蓮の花と救いの鐘~

クロウリーは腰に手を当てる

学園長「今回の交流会を実現させた私はお留守番ですが、お土産なんて気にしなくていいですからね。ちなみに私は、刺激の多い食べ物よりマイルドな味付けの方が好みです。でも、全然気にしなくていいですからね!特にロゼッタ!」

そのクロウリーの笑顔にはお土産プリーズと書かれている。しかもロゼッタからとても欲しそうだった

ロゼッタは苦笑しつつも「わかりました」と返事をした。

クロウリーは「別に欲しいだなんて言ってませんからねー!」と嬉しそうな反応をする

学園長「さて、みなさん。忘れ物はありませんね?」

クロウリーの質問にみんなが「はい」と答えた

ユウが「いってきまーす!」と明るい声で手をふる

レオナはロゼッタを抱きしめ一言「気を付けていってこい」、ロゼッタは「はい。いってきます。」と言う。そんな様子をみんなは微笑ましく見ていた。

サラマンダー『ぼくもいくー』

レオナ「ロゼッタを守ってくれ」

サラマンダー『うん!』

レオナはサラマンダーに懐かれている。だからこそ、この言葉をかけたんだろう。

そう考えたロゼッタは目を閉じ、意識を鏡に向けた

学園長「ロゼッタ、いつものお願いしますね」

ロゼッタは目を閉じたまま頷く

ロゼッタ「”闇の鏡よ。わたしたちを花の街へ…ノーブルベルカレッジへ導きたまえ”」

すると闇の鏡から光が飛び出てきた

その先に見えるのがノーブルベルカレッジだ

イデア「相変わらずロゼッタ氏と闇の鏡の繋がりはえげつねぇですな」

隣にいたイデアがそう言った

生徒たちが次々と鏡の中へ入って行った
 
ロゼッタも監督生に手を引かれ、入っていく









ーーノーブルベルカレッジ 大講堂

着いてすぐ、トレインが全員いるかどうかを確認した

「お待ちしておりました」

そんな中、ハッキリとした声が聞こえた
 
「ノーブルベルカレッジへようこそ。ナイトレイブンカレッジの皆様」

その人物は紫と赤を基調としている西洋の服を着こなしていた。帽子にはどこまでも長い赤いリボンのような装飾がついていた

白に近い銀髪。そして淡い水色の瞳

イデアのような濃い目元をしていた

トレインは気づく

トレイン「その制服……もしや君は、学園長の言っていた…」

「ええ」

その人はお腹の前で手を組んだ

「私の名前はロロ・フランム。ノーブルベルカレッジの生徒会長を務めております」

リドル「生徒会長…なるほど。我が校とは違い、こちらでは生徒会執行部が自治組織として存在するのですね」

リドルの頷きに「左様」とロロは答える

ロロ「僭越ながら学園の代表と言えるでしょう。以後、お見知りおきを」

ロロの後ろから2人の生徒がやってきた

彼らも生徒会のメンバーなのだろう

イデア「うわぁ!早速知らない人登場!」

イデアのびびりっぷりに「知らない人に会いに交流会に来たのでは?」とアズールが呆れている

他のみんなはロロの迫力に驚いていた

ロロ「横におりますこの者たちは、副会長と補佐です。念願叶い、尊敬する皆様にやっとお会いできると聞き、矢も楯もたまらず皆で馳せ参じました」

「ノーブルベルカレッジ一同、ナイトレイブンカレッジの皆様を歓迎します」

ロロ「我々は御校に比べれば小さな学園。至らぬ点も多いと思うが、どうぞご容赦いただきたい」

ロロの丁寧な口ぶりにトレインが関心していた

ロロ「皆様、荷物を抱えたままでは不自由なことも多いでしょう。まずは宿泊いただく部屋に案内いたします」

ロロはこちらです、とみんなを案内した

ロゼッタもそれに続く

すると後ろから誰かの声が聞こえた

まだ消えていない闇の鏡からだ

“ロゼッタ、帰るぞ”

闇の鏡はロゼッタをナイトレイブンカレッジに帰そうとしていた

ロゼッタはピタッ、と足を止める

“なんだか危険な予感がする。今すぐこちらに帰ってこい”

そう言い放つ闇の鏡にロゼッタは微笑みかけた

「(ならば、こちらにいらっしゃる皆さんを守らないと・・・サラマンダーもいるし、大丈夫です)」

ロゼッタは皆のところへ駆け出した

闇の鏡はため息をこぼす

“ならば、あまり目立つ行為はするな…”
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