グロリアスマスカレード~紅蓮の花と救いの鐘~

花の街へと出発日

鏡の間には選ばれた生徒10人。それに、マレウスとロゼッタとレオナ。学園長が到着していた。因みに、レオナはロゼッタを見送りするため来ていたので、他の人たちのことはどうでもよかった。

マレウス「ロゼッタ、まだ怒っているのか?」

隣にいるマレウスに話しかけられたロゼッタは、すぐ顔を赤くした。「別に怒ってないらしいですよ」とシルバーが直訳をする

「それならよかった。交流会はロゼッタと楽しみたいからな」

マレウスはふっ、と笑う
 
レオナ「あのトカゲ野郎と何かあったのか?」

ロゼッタ「な‥何にもありません!」

レオナ「(絶対何かあったあな…許さねえ。)」

イデア「ロゼッタ氏!拙者を殺してください!交流会をやるなら死んだほうがマシでござる!てか、ここの部屋、人多くない!?もうそれで嫌なんですけど!?」

ロゼッタは飛びついてくるイデアのことを抱き締めた

よしよし、と頭を撫でたりして微笑んでいる

レオナはそれを強引に引きはがす

レオナ「ガルルルル」

イデア「ひぃいいい」

ロゼッタ「レオナさん!そんなことしないの!」

レオナ「…ちっ」

学園長「交流会の皆さん。揃っていますか?」

クロウリーの質問に全員が答えた

ただし、ひとり・・・いや、一匹の声により穏やかさがなくなる

「おう!いつでもオッケーなんだゾ」

「「「「……」」」」

「えっ!?」

グリムがぴょこっ、と出てきたため、みんな驚いた

グリムは参加するメンバーの中に入っていないはずなのだ

クロウリーが説明してくれる

学園長「実は…代表を決めた日から毎日、グリムくんが“自分も花の街に行きたい”と言って聞かなくて…」

クロウリーの目が鋭く尖った

学園長「それも毎朝、毎昼、毎晩!ずっとです!もはやグリムくんの鳴き声が耳にこびりつくほどに毎日…」

ラギー「それでグリムくんの参加を認めたってこと?」

ラギーがクロウリーに問う

「学園長ともあろう人が、脅しに屈したってことッスか。あ~いいんスかねえ、そんな不平等なことして」と煽ったりもしている

セベクは「そうなれば僕たちも黙ってはいないぞ!リリア様の同行を希望する!!」と怒鳴った

ロゼッタ「お義父様!聞いてませんよ!」

学園長「いえ、まさか!違いますよ」

クロウリーは首を横にふった

学園長「ふと気づきましてね。普段は立ち入り禁止の珍しい場所こそ、異世界への手がかりがあるんじゃないかと!」

ロゼッタ「(確かにそうかもしれないけれど…)」
 
遠くから軽やかな足音が聞こえてきた

監督生「お邪魔します!」

マレウス「ユウではないか。どうしてここにいる」

マレウスがどことなく嬉しそうだった

ユウが手に持っている荷物に着目している

クロウリーはにこっ、と微笑んだ

学園長「はい。ユウくんとグリムくんにも、アテンドとして花の街へ同行してもらうことにしました」

グリムは「へっへーん!」と上から目線で「お前らの面倒を見てやるんだぞ!」と言った

アズールは「なるほど」と困った顔をしている

アズール「ユウさんを大義名分として、残すとうるさいグリムさんの厄介払いをしたと」

ジャミル「本当にどうしようもないな、学園長は…」

ジャミルは呆れていた

ロゼッタの隣にいたイデアはモフモフ成分が増えて嬉しそうだった

ロゼッタもグリムとユウと一緒に出掛けられて嬉しそうだ

監督生「あ、そうだ。エースに伝言、頼まれたんだった」

監督生はロゼッタのところへ向かう。ロゼッタは首を傾げた

監督生「エースが“俺の分まで楽しんできてほしい”って言ってました」

ロゼッタ「わかったわ。」

エペル「そうだ。僕もヴィルさんに頼まれてたことがあるんだった」

エペルは「失礼します」と言ってロゼッタの首にネックレスをつける。

エペル「“これを身に着けておきなさい。”って言ってましたよ」

ロゼッタは固まった

レオナ「ありがたく受け取っとけ。・・・俺のブレスレット外すなよ。」

ロゼッタ「はい」

その他にもジャミルがカリムの伝言、というかマネー「“これで好きなもんたくさん買って楽しんでくれ”」や

ケイトとトレイの伝言、「“1時間おきに連絡”」をリドルが伝えてくれたり、「“楽しんできてください!”」とジャックの伝言をラギーが伝えたり…

ルーク「オーラララララ!愛されてるようだね!」

ルークだけがニコニコしていた

トレイン「話はすんだか?」

グリム「あん?なんでトレインがここにいるんだ?」

グリムはトレインがここにいることに疑問を持っていた。どうやらトレインは交流会での引率を任されたらしい。つまり、一緒に同行する先生はトレインということ

勉強が苦手な生徒は「げっ」って顔をする

トレイン「良いかお前達。出発の前に大切な心構えを話しておく。非日常に浮かれる気持ちはわかるが、決して遊びではない」

それからトレインの注意事項が始まり、ラギーとグリムは「うっ…」となっていた

難しい話をされたデュースは「何言ってるかわからない…」と苦虫を噛み潰したような表情をしている

話をきいているときロゼッタは、床を歩いているルチウスを発見した

「にゃ〜ご」

ルチウスはロゼッタの近くに来ると、スリスリと足下を8の字に回った
ロゼッタはしゃがんで、よしよしと撫でた

そんなロゼッタの頭にトレインの手が乗る

トレイン「ルチウスのことは非常に残念だ」

トレインはロゼッタの頭を撫でた

ロゼッタは目を細め、優しさを感じるトレインの手のひらに頬を寄せた

ルチウスはにゃ〜ごと鳴く

トレインはロゼッタとルチウスのセットにほっこりとしていた

トレイン「ルチウスのことは動物愛は一応ありそうなクルーウェル先生に任せてある」
5/37ページ
スキ