ゴーストマリッジ

集合時間になり、全員再集合した。エペル君が白馬に乗ってきたときは驚いた…

ランタン『ロゼッタ~ ボク、同種の前、あんまりいちゃダメ
危険になったら、デテクル』

そういうと、ランタン君は持っていたカボチャのランタンを振り、私の影に溶け込むように入って行った。

エース「影に入った?」

「ええ。身を隠しているだけだから、自律性はあるのよ」

影に手を振ると、ランタン君の影が現れ、小さな手でフリフリと振替してくれた。

リドル「同種…あぁ、ゴーストたちの事か。
確かに彼にとっては同業者……というより、案内をする側だね」

エペル「あ、だからか…」

リドル「精霊通しの事は何とも言えないけど、深く語れない事情があるんだろう…。
さて、彼は彼で任せて僕たちは」

ゴーストの門番がたたずむ学園の門を見た。
そして、エペル君が1歩前に出る。

エペル「よし……いくよ!たのもーっ!」

監督生「あ、そんな古典的なやり方で…」

エース「そこは王子らしくしないんだな…」

などとユウとエース君が呆れていると、出入り口付近にいた門番であろうゴーストが近付いてきた。

ゴースト【ん?】

ルーク「こんばんは。私どもは、美しい花嫁のお相手に選んでもらいたく参りました」

ゴースト【また求婚者か……失礼な奴らばかり来るものだから姫様は大層ご立腹なんだ。
もう誰も通すなとのご命令を受けている!立ち去るがいい!】

やっぱり昼間のことがあるからか門前払い…。

白馬関係なかったな、エペル君。

けど、ここで立ち去ったら苦労が台無しだ。
あとは彼らに祈るくらいしかない。

エペル「いいんですか?……僕等を追い返したら、後悔しますよ」

ゴースト【なにィ?ずいぶんと自信があるみたいじゃないか。そんなに言うのなら、俺が審査をしてやる。

俺を姫様だと思って、プロポーズしてみろ!」

監督生・ロゼッタ「「……え」」

ゴースト【おい、そこの人間達!!!あからさまにひいた声を出すな!!
えぇい!!お前達が姫様に対して本気だとわかったらここを通してやってもいい」

監督生「…で、どうするんですか?その気持ち悪……じゃなくて変わった提案」

グリム「さらっとスゲー事言ってるんだゾ」

エース「ま、監督生だし…ともかく、パパッとここを通るためには従うしかなさそうッスね」

リドル「そうだね。下手に逆らって、追い返されてしまってはミッション失敗だ」

「誰からするの?」

エペル「じ、じゃあ、僕から行きます」

そう言い、緊張気味のエペル君が前に出た。

エペル「……ゴホン!では、僕からお願いします!」

ゴースト【いいだろう。お前の本気のプロポーズ、見せてみろ!】

エペル「僕は……必ず花嫁を幸せにします。

なぜなら僕は、愛する人のピンチにはどこにいたって駆けつける、白馬の王子!

途中でどんな困難に出くわしても絶対に諦めたりしません。

あなたを傷つけるもの全てから守りぬいてみせる。

僕こそが、お姫様にふさわしい王子だ!

__お願いします。僕と結婚してください!」

真っ直ぐで真剣なプロポーズ。
言葉も丁寧で、一心なのが伝わってきた。

ゴースト【な、なんて真剣な目をしているんだ。
それに……またがっているその白馬!なんとも王子らしい!!!】

エース「馬って…………やっぱ間違ってるのはオレなの?」

監督生「まぁまぁ。王子様っぽいし」

エペル「き、緊張した…」

「お疲れ様。エペル君。凄く素敵なプロポーズだったわ!」

エペル「そ、そう?それなら良かった、かな」

エヘヘと照れたように笑うエペル君。

ゴースト【で、このオレンジ髪の男は?王子の従者かな?】

エース「はぁ?従者? 俺が、エペルの?
……言ってくれるじゃん。オレはこれまでのポンコツとは訳が違うぜ?」

ゴースト【むっ、お前も求婚者か?】

監督生「…正装しているのに王子と扱われないエースって」

ルーク「そこもムシュー・ハートの持ち味だよ!」

グリム「それ、絶対けなしてるんだゾ」
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