王子様と秘密のお嬢様 番外編
サバナクロー寮で風邪が流行っているから来てほしい。そうジャック君から連絡が入ったのは、日曜日の朝。今週はオンボロ寮の担当だったので、ユウとグリム君に置手紙を残してすぐにサバナクロー寮へ向かった。
ジャック「申し訳ないです。休日に呼んでしまって…」
「大丈夫よ。それよりもここだけ風邪がはやるなんてどういうことかしら?」
サバナクローの部屋を訪れると、ラギー君を始め寮生のほとんどが寝込んでいた。
「どうしてジャック君は平気なの?」
ラ「ジャック君も引いたんすけど、早く治ったんすよ。ゲホゲホ」
顔を赤らめながらそう答えてくれたラギー君。みんな辛そう…
ジャック「ロゼッタさん…悪いがレオナ先輩のところに行ってほしいんですが…」
何でも、ジャック君が部屋を訪ねても全く入れてくれなかったみたい。
ラ「寮長はいつ寝首をかかれるかわからないッスからね…弱みを見せないようにしてるんスよ…」
「それなら私も入れてもらえないかも…」
ジャック「それは大丈夫だと思います」
ラ「ロゼッタちゃんはレオナさんの番ッスから」
ジャック「俺はほかの寮生を見てくるんで、レオナ先輩を頼みます。」
「わかったわ」
ラ「あの人身の回りのことなんっっもできないッスから、野垂れ死んでるかも・・ゲホッ」
私はその言葉を聞き終わらないうちにレオナさんの部屋へと走り出していた。
「レオナさん。ロゼッタです‥入ってもいいですか?」
ドアをノックするが中から返事が返ってこない…鍵もかかっているし、どうしようかと思っていたとき、ガチャッとドアが開いた。そのドアを開け、再びカギを閉める。私は何重にも毛布をかぶっているレオナさんに声をかけた。
「大丈夫ですか?」
レ「何しに来たんだ…うつる‥帰れ」
「私は大丈夫ですから…お水飲みますか?」
レオナさんは怪訝そうな顔をしながらそれを飲み干した。思っていた程度よりずっとひどい…額には汗がにじんでいるし、瞳は濡れて潤んでいる。
「失礼します‥」
レオナさんの額に、そっと手を添える。私の手が冷たいのか、気持ちよさそうな顔をした。でも、これで分かった。レオナさんは相当まいっている!と
「熱が高いですね…ご飯は食べましたか?」
レ「食ってねえ…」
「食べやすいものを作ってきますので」
レ「さみぃ」
「先に温かい飲み物を入れますね。…・ハイどうぞ。ご飯作ってきますから。」
そういって私はいったん部屋を出た。こういう時何を作るべき?あ、そうだ!ユウに聞いてみよう!
「もしもし?ユウ?ごめんなさいね、あなた達のところへ行けなくて」
監「大丈夫ですよ!私たちのことより、サバナクローの人たちのことをお世話してあげてください。」
「そのことなんだけど、風邪をひいたときって何を食べさせたらいいのかしら?よくわからなくて…」
監「お粥はどうですか?私作り方知ってますし、教えに行きますよ!!」
「本当に!?助かるわ、ありがとう」
ユウに教えてもらって作ったお粥。気に言ってもらえたら嬉しいな。
「レオナさん、お粥作りましたよ」
お粥をすくったスプーンをレオナさんの口の前に差し出すと、驚いたような顔をされた。
レ「何のつもりだ?」
「ユウに、これをやったら、喜ぶ‥‥と」
段々声が小さくなっていく私。レオナさんは自嘲気味にこう言った。
レ「‥嫌われ者の俺にそんなことする奴いなかったがな」
「でも、今は私がいますよ。ユウと一緒に作ったんです。きっとおいしいですから一口だけでも」
レ「わかった、わかったから、そんな顔しないでくれ」
口をあけたレオナは、次の瞬間口の中に広がる優しい味に驚きを覚えた。幼いころの自分には、親身になって看病してくれるものなどいなかった。サバンナでは弱いものから死んでいく。第一王子なら大慌てで世話をするのだろうが、レオナは第二王子で嫌われ者。風邪などひこうものなら寒い部屋に放置された。それが今はどうか。好きな人が、俺を看病してくれて。
「レオナさん?どうかしました?美味しくありませんでしたか?」
レ「いや、うまい」
「!!よかった~」
たくさん食べてくださいね、そういってロゼッタは何回もスプーンをレオナの口に運んだ。
「完食できてよかったです。食欲もなかったらどうしようかと…」
レ「美味かった。」
「お体の具合はどうですか?」
レ「だいぶ良くなった」
「それは良かった。他に何かしてほしいことはありますか?」
レ「…ここにいろ」
翡翠色の瞳が揺れる。自信に満ちたものではなく、母親に縋るようなその瞳。ああそうか…彼は看病されたことがなかったんだ。だからこんなに不安そうに…
「ここにいますよ、あなたの調子が良くなるまで」
そういってベッドの端にかけると、レオナさんは満足そうに笑った。
ジャック「申し訳ないです。休日に呼んでしまって…」
「大丈夫よ。それよりもここだけ風邪がはやるなんてどういうことかしら?」
サバナクローの部屋を訪れると、ラギー君を始め寮生のほとんどが寝込んでいた。
「どうしてジャック君は平気なの?」
ラ「ジャック君も引いたんすけど、早く治ったんすよ。ゲホゲホ」
顔を赤らめながらそう答えてくれたラギー君。みんな辛そう…
ジャック「ロゼッタさん…悪いがレオナ先輩のところに行ってほしいんですが…」
何でも、ジャック君が部屋を訪ねても全く入れてくれなかったみたい。
ラ「寮長はいつ寝首をかかれるかわからないッスからね…弱みを見せないようにしてるんスよ…」
「それなら私も入れてもらえないかも…」
ジャック「それは大丈夫だと思います」
ラ「ロゼッタちゃんはレオナさんの番ッスから」
ジャック「俺はほかの寮生を見てくるんで、レオナ先輩を頼みます。」
「わかったわ」
ラ「あの人身の回りのことなんっっもできないッスから、野垂れ死んでるかも・・ゲホッ」
私はその言葉を聞き終わらないうちにレオナさんの部屋へと走り出していた。
「レオナさん。ロゼッタです‥入ってもいいですか?」
ドアをノックするが中から返事が返ってこない…鍵もかかっているし、どうしようかと思っていたとき、ガチャッとドアが開いた。そのドアを開け、再びカギを閉める。私は何重にも毛布をかぶっているレオナさんに声をかけた。
「大丈夫ですか?」
レ「何しに来たんだ…うつる‥帰れ」
「私は大丈夫ですから…お水飲みますか?」
レオナさんは怪訝そうな顔をしながらそれを飲み干した。思っていた程度よりずっとひどい…額には汗がにじんでいるし、瞳は濡れて潤んでいる。
「失礼します‥」
レオナさんの額に、そっと手を添える。私の手が冷たいのか、気持ちよさそうな顔をした。でも、これで分かった。レオナさんは相当まいっている!と
「熱が高いですね…ご飯は食べましたか?」
レ「食ってねえ…」
「食べやすいものを作ってきますので」
レ「さみぃ」
「先に温かい飲み物を入れますね。…・ハイどうぞ。ご飯作ってきますから。」
そういって私はいったん部屋を出た。こういう時何を作るべき?あ、そうだ!ユウに聞いてみよう!
「もしもし?ユウ?ごめんなさいね、あなた達のところへ行けなくて」
監「大丈夫ですよ!私たちのことより、サバナクローの人たちのことをお世話してあげてください。」
「そのことなんだけど、風邪をひいたときって何を食べさせたらいいのかしら?よくわからなくて…」
監「お粥はどうですか?私作り方知ってますし、教えに行きますよ!!」
「本当に!?助かるわ、ありがとう」
ユウに教えてもらって作ったお粥。気に言ってもらえたら嬉しいな。
「レオナさん、お粥作りましたよ」
お粥をすくったスプーンをレオナさんの口の前に差し出すと、驚いたような顔をされた。
レ「何のつもりだ?」
「ユウに、これをやったら、喜ぶ‥‥と」
段々声が小さくなっていく私。レオナさんは自嘲気味にこう言った。
レ「‥嫌われ者の俺にそんなことする奴いなかったがな」
「でも、今は私がいますよ。ユウと一緒に作ったんです。きっとおいしいですから一口だけでも」
レ「わかった、わかったから、そんな顔しないでくれ」
口をあけたレオナは、次の瞬間口の中に広がる優しい味に驚きを覚えた。幼いころの自分には、親身になって看病してくれるものなどいなかった。サバンナでは弱いものから死んでいく。第一王子なら大慌てで世話をするのだろうが、レオナは第二王子で嫌われ者。風邪などひこうものなら寒い部屋に放置された。それが今はどうか。好きな人が、俺を看病してくれて。
「レオナさん?どうかしました?美味しくありませんでしたか?」
レ「いや、うまい」
「!!よかった~」
たくさん食べてくださいね、そういってロゼッタは何回もスプーンをレオナの口に運んだ。
「完食できてよかったです。食欲もなかったらどうしようかと…」
レ「美味かった。」
「お体の具合はどうですか?」
レ「だいぶ良くなった」
「それは良かった。他に何かしてほしいことはありますか?」
レ「…ここにいろ」
翡翠色の瞳が揺れる。自信に満ちたものではなく、母親に縋るようなその瞳。ああそうか…彼は看病されたことがなかったんだ。だからこんなに不安そうに…
「ここにいますよ、あなたの調子が良くなるまで」
そういってベッドの端にかけると、レオナさんは満足そうに笑った。