王子様と秘密のお嬢様 番外編
昔から天然石…いわゆるパワーストーンが好きだった。お父様やお母様に初めてパワーストーンを見せてもらったとき、その美しさに感動したのを今でも覚えている。最近は、バタバタしていて天然石に触れる機会が減ってしまった。でも、最近は落ち着いてきたので、天然石のお店に行きたいなと思っていた。
―――そんなささやかな願いが、こんな形で叶うとは思ってもみなかった。
「綺麗、素敵……っ!!」
目の前に広がっている光景に、私は思わず感動の声を上げてしまう。
ラピスラズリ・アイオライト・シトリン・オニキス・タイガーアイ……ありとあらゆるパワーストーンたちが、そこにいた。パワーストーンが大好きな私には、夢のような光景だった。
「ありがとうレオナさん!!すっごく嬉しいっ!!」
「ああ……」
興奮冷めやらぬまま、私をこの場所に連れて来てくれた人…レオナさんを見上げながらお礼を言った。
はしゃいでいる私の事を見るエメラルドのように綺麗な双眼は、とっても優しい輝きをしている。私が喜んでいることを、この人も秘かに喜んでくれている。無意識だろうけど、尻尾がゆらゆらと機嫌よさそうに揺れているもの。
先日、王宮で起きた暗殺未遂事件のお詫びにと連れて行ってくれたのが、このパワーストーンの専門店だった。以前少しだけ、パワーストーンの話をしてことを覚えていてくれた。嬉しいな。
こじんまりとしておしゃれな外観の店内には、本当にたくさんのパワーストーンが並んでいた。
「好きに見て回れ。俺はこの辺にいる」
「ありがとう。ちょっと見てくるね」
久しぶりに見たパワーストーンは、やっぱり私の心を癒して、楽しませてくれた。手に取って透かして見たり、アクセサリーに加工されているものをちょっと着けさせてもらったり・・・
「やっぱり好きだなあ…幸せ…」
「喜んでいただけて何よりです。何か気に入ったものはどざいましたか??」
「う~ん、ラピスラズリのネックレスですかね。パワーストーンの中でも一番好きなんです」
そう答えながら一番気に入ったラピスラズリのネックレスを手に取った。鮮やかで美しい青色の石を眺めていると、そのネックレスが伸びてきた褐色の大きな手にひょいっと取られてしまった。えっ、とそれを目で追うと、レオナさんがそのブレスレットを持って会計に向かっていった
「ちょ、ちょっと待って! 私買うなんて一言も言ってないわ!?」
「これが気に入ったって言ってただろ」
「確かに言ったけど…買うならちゃんと自分で買うから」
「……俺が、愛してるお前に買ってやりてえんだよ。そんなに喜ぶほど好きなんだろ、これ」
「あ、愛し……っ!!?」
フッと笑いながらそんなことをサラリと言われて、顔が沸騰してしまったんじゃないかってくらい熱くなる。恥ずかしさから顔を覆って何を言えなくなってしまった私を尻目に、レオナさんはあっという間に会計を済ませてしまった…。
「ほら」
「え…??」
たった今購入したのであろうラピスラズリのネックレスを着けられる。。……何故だろう、自分で手に取ってみた時より綺麗に見える…。
「…あ、ありがとう」
「ああ。…他に欲しいはねえのか??好きなだけ買ってやっても良いんだぜ??」
「だ、大丈夫だよ!!ラピスラズリってパワーストーンの中では結構いいお値段するんだから」
「これくらい大した値段じゃないだろうが」
「レオナさんの金銭感覚と私の金銭感覚を一緒にしないで!!」
「はいはい」
「レオナさんったら……でも、本当に嬉しい。レオナさんが私のために買ってくれたってだけで、さっきよりすごく綺麗に見える。これ、大事にするね」
「ハッ、んなもんで喜ぶとは、欲の無えお姫様だな??」
「レオナさんが私のために買ってくれたっていうだけで、どんなものでも価値のあるものになるのよ」
「………そーかよ…」
私の言葉に、レオナさんは少しだけ驚いたような顔をして、頭を掻きながらそっぽを向いてしまう。顔は背けたけど、お耳と尻尾が落ち着きなくパタパタしているから、きっと照れているんだろうな。
こういうところも、好きだなぁ…。レオナさんから贈られたネックレスに触れながら、私はぽわぽわとした気持ちで彼を見つめてしまった。
仲がとても良くって、素敵ですねぇ~。
目の前で私たちのやりとりを見ていた店員のお姉さんに微笑ましいものを見る優しい笑顔でそう言われて、私はまた両手で顔を覆った…。
―――そんなささやかな願いが、こんな形で叶うとは思ってもみなかった。
「綺麗、素敵……っ!!」
目の前に広がっている光景に、私は思わず感動の声を上げてしまう。
ラピスラズリ・アイオライト・シトリン・オニキス・タイガーアイ……ありとあらゆるパワーストーンたちが、そこにいた。パワーストーンが大好きな私には、夢のような光景だった。
「ありがとうレオナさん!!すっごく嬉しいっ!!」
「ああ……」
興奮冷めやらぬまま、私をこの場所に連れて来てくれた人…レオナさんを見上げながらお礼を言った。
はしゃいでいる私の事を見るエメラルドのように綺麗な双眼は、とっても優しい輝きをしている。私が喜んでいることを、この人も秘かに喜んでくれている。無意識だろうけど、尻尾がゆらゆらと機嫌よさそうに揺れているもの。
先日、王宮で起きた暗殺未遂事件のお詫びにと連れて行ってくれたのが、このパワーストーンの専門店だった。以前少しだけ、パワーストーンの話をしてことを覚えていてくれた。嬉しいな。
こじんまりとしておしゃれな外観の店内には、本当にたくさんのパワーストーンが並んでいた。
「好きに見て回れ。俺はこの辺にいる」
「ありがとう。ちょっと見てくるね」
久しぶりに見たパワーストーンは、やっぱり私の心を癒して、楽しませてくれた。手に取って透かして見たり、アクセサリーに加工されているものをちょっと着けさせてもらったり・・・
「やっぱり好きだなあ…幸せ…」
「喜んでいただけて何よりです。何か気に入ったものはどざいましたか??」
「う~ん、ラピスラズリのネックレスですかね。パワーストーンの中でも一番好きなんです」
そう答えながら一番気に入ったラピスラズリのネックレスを手に取った。鮮やかで美しい青色の石を眺めていると、そのネックレスが伸びてきた褐色の大きな手にひょいっと取られてしまった。えっ、とそれを目で追うと、レオナさんがそのブレスレットを持って会計に向かっていった
「ちょ、ちょっと待って! 私買うなんて一言も言ってないわ!?」
「これが気に入ったって言ってただろ」
「確かに言ったけど…買うならちゃんと自分で買うから」
「……俺が、愛してるお前に買ってやりてえんだよ。そんなに喜ぶほど好きなんだろ、これ」
「あ、愛し……っ!!?」
フッと笑いながらそんなことをサラリと言われて、顔が沸騰してしまったんじゃないかってくらい熱くなる。恥ずかしさから顔を覆って何を言えなくなってしまった私を尻目に、レオナさんはあっという間に会計を済ませてしまった…。
「ほら」
「え…??」
たった今購入したのであろうラピスラズリのネックレスを着けられる。。……何故だろう、自分で手に取ってみた時より綺麗に見える…。
「…あ、ありがとう」
「ああ。…他に欲しいはねえのか??好きなだけ買ってやっても良いんだぜ??」
「だ、大丈夫だよ!!ラピスラズリってパワーストーンの中では結構いいお値段するんだから」
「これくらい大した値段じゃないだろうが」
「レオナさんの金銭感覚と私の金銭感覚を一緒にしないで!!」
「はいはい」
「レオナさんったら……でも、本当に嬉しい。レオナさんが私のために買ってくれたってだけで、さっきよりすごく綺麗に見える。これ、大事にするね」
「ハッ、んなもんで喜ぶとは、欲の無えお姫様だな??」
「レオナさんが私のために買ってくれたっていうだけで、どんなものでも価値のあるものになるのよ」
「………そーかよ…」
私の言葉に、レオナさんは少しだけ驚いたような顔をして、頭を掻きながらそっぽを向いてしまう。顔は背けたけど、お耳と尻尾が落ち着きなくパタパタしているから、きっと照れているんだろうな。
こういうところも、好きだなぁ…。レオナさんから贈られたネックレスに触れながら、私はぽわぽわとした気持ちで彼を見つめてしまった。
仲がとても良くって、素敵ですねぇ~。
目の前で私たちのやりとりを見ていた店員のお姉さんに微笑ましいものを見る優しい笑顔でそう言われて、私はまた両手で顔を覆った…。