熱砂の策謀家
監督生「エリーゼさん!!」
オアシスから戻ってきた監督生達は急いでジャミルたちがいる談話室へ駆けこむ。そして、駆け込んできた彼らを…絶望的な顔で見つめるジャミルやアズール。
フロイド「…アズール、血の匂い止まってないんだけど」
ジェイド「回復魔法は…」
2人の言葉にアズールはゆっくりと首を振る。
ジャミル「……効かないんだ」
アズール「何度やっても、回復の類の魔法が効かないんです…。
毒消しも、体力増加も、全て…‥まるで弾かれる様に、魔法が消えてしまうんです」
デュース「…じゃ、じゃあエリーゼさんは?」
ジャミル「……………‥っ」
監督生「そんな・・・」
ジャミルは何も言わず、エリーゼを見下ろす。
カリムは涙を流し、顔色が青くなっているエリーゼを見下ろしている。
カリム「っ…エリーゼ、っ……ぅ」
グリム「エリーゼ…ううぅ、エリーゼ」
ギュッとエリーゼにしがみつくグリム。
そんなエリーゼの側に、近づく、監督生とエースとデュース。
エース「っ………何で、また…無茶ばっかするんですか」
デュース「っ…エリーゼさん、治るんですよね…?」
監督生「いつもみたいに‥笑顔で‥ユウって‥言って・っつ・・」
震えた声でエリーゼに呼び掛けるが、彼女の瞼は固く閉じられていて、息もか細い。
ジャミル「……っ(俺の、せいで……俺が、あんな腕輪をつけたから、俺が…こんなことを……企んだから)」
グッと拳を握り、ジャミルはエリーゼを見る。
どんなに祈っても、彼女の目が開かれる事はない。
___その時、彼女の周りから花が生え始めた。
「「「!?」」」
花だけではない、草の根、蔦などの植物がエリーゼの周りに咲き、蔦の一部がエリーゼの頬を撫でる。
エース「も、もしかして…精霊?」
デュース「え、じゃあ…エリーゼさんを………」
唖然として、伸びる草花を見ていた時、その草をガシッと大きな手が掴んだ。
__【相変わらず、手が早いのぉ】
掴んだ草を思いっきり引きちぎる。
その腕を振り上げた拍子に“白いローブ”が外れ、銀髪の髪と碧色の目が露わになる。
エース「え…だ、誰!?」
【ん?…‥おぉ、他の生徒と会うのは初めてじゃな……】
ノーム『無意識に創造してしまったお主を紹介なんぞ出来ぬじゃろう』
メリッサ『そうよ、両親に会えないのが寂しくて、あの子は、母親のあなたを精霊の長として造ってしまった』
【私があの子を残してあの世へ行けると思う?むしろ近くで見守れるから創造されてよかったと思ってるわよ。あの子も私の正体に気づいてるはず。・・・・あら?クリスタルが壊れてる・・・】
メリッサ『それよりも、早く起こさないと、取り返しがつかなくなっちゃう』
【そうね・・・】
その瞬間、ジャミルのマジカルペンがシュナの首元にあてがわれる。
ジャミル「誰だ、貴様。どうやってこの学園に来た」
殺気を隠さない目で、シュナを睨むジャミル。
シンとした緊張感に包まれる…が、シュナ自身は溜息を吐き、右手の人差し指を、クイッと上にあげた。
すると、パシッと音と共にジャミルの持つマジカルペンがはじかれ、床に転がる。
ジャミル「な!?」
シュナ【中々の殺気と動きじゃが…まだまだ甘いのぉ。
懐ガラガラ、脇開きすぎ、そんなものでわらわの命とれると思うでない…て、こんな事やっている場合じゃない】
引っこ抜いた草をその辺に捨てて、エリーゼに手を伸ばそうとしたシュナ。そのシュナの手を横からデュースが掴んだ。
デュース「まて、テメェ、誰だ!気安くエリーゼさんに触れようとすんじゃねぇ、ぶっ飛ばすぞ!」
監督生「デュース、ワル語出てる‥」
アズール「ですが…本当にどちら様ですか。今はホリデー中ですし、職員の方はいらっしゃらない筈、それに…貴方の様な職員見た事が…」
アズールの言葉に面倒くさそうな顔をするシュナは「あー」と呟き、頭を掻く。
シュナ「わっちはシュナ、ここの職員ではない。わっちはあの子の母親よ」
「「「母親?」」」
殆ど怪訝な顔を浮かべる。
信じてなさそうじゃな、と吐き捨て、更に面倒くさそうに顔をゆがめる。
シュナ【お主らの魔法じゃこの邪気を退けれぬ、一旦退いていなさい…じゃないと、本当に戻ってこれなくなるわ】
シュナの言葉にビクリと反応する監督生達。
その隙にシュナはエリーゼの額に手を触れる。
そのシュナの手に未だに伸びる蔦が伸びて行く。
シュナ【散れ】
そう呟いた途端、腕にまとっていた蔦が全て燃えた。
カリム「蔦が全部燃えた!?」
ジェイド「こんな強い魔法…詠唱無しにどうして」
シュナ【言葉に頼っているようじゃ、やっぱりまだまだ、じゃな。
さて…私の娘から手を引きなさい。
さもなくばお主の存在を消す。わっちが精霊の女王だということを忘れる出ないぞ】
念押す様にそういうと、エリーゼの周りに咲いていた花が一瞬でしおれ、
他の草や蔦たちも全て消えて行く。
最後に‟フフフッ”と女の笑い声が響き、草花は全て消滅した。
シュナ【クリスタルが外れた途端に襲ってくるとは…あやつも意地が悪い】
メリッサ『どうしても、欲しかったんでしょうね』
フロイド「ねぇ、あのオッサン、ほんとにエリーゼのおかーさんなの?」
エース「いや、知らないっすよ!俺等もあった事無いんだから」
カリム「で、でも一応、エリーゼを助けて…くれたのか?」
ジェイド「助けたという割には、顔色も戻っていませんし、目も覚ましていません」
ジャミル「そもそも、あの草花は一体何なんだ…?妖精の類なのか?」
シュナ【言い合っている所申し訳ないけど、悪の精霊であるミラージュの仕業じゃ。あのまま放置しておったら、あの子自身が精霊になってしまうところじゃった】
「「「え?!」」」
シュナ【それを助けたのに、怪しいとは…悲しいのぉ。
まぁ、流石クロウリーの元に集まる生徒、こう性格が図太くないと、やっていけぬか。】
笑うシュナとは対照的に驚愕した顔をする面々。
シュナ【わからなかったのかえ?】
エース「分かる訳ねぇだろ!!」
監督生「て、てっきりエリーゼさんを助けてくれるのと…」
シュナ【助ける…か。ある意味合っておるのかもしれぬ。あの子にとっては…この世は生きにくい(ロゼッタがエリーゼだと偽って暮らしていることが、精霊たちにばれ始めている)」
メリッサ『だからって…無理矢理すぎよ!』
シュナ【何をしてでもほしい逸材だった…て事じゃろ?まぁ、もう諦めたみたいだし、そこは良いんじゃが……】
ジッとエリーゼを見て、考える仕草をする。
シュナ【……そこのお主】
アズール「ジャミルさんですね」
フロイド「ウミヘビ君だね~」
ジャミル「変なあだ名やめろ!…俺はジャミル・バイパーです」
シュナ【バイパー…あぁ、バイパー家の子か。そっちの子はアジームの子か】
カリム「え、俺の事知ってるのか?」
シュナ【知ってるも何も…今は説明しとる時間はないな。で、バイパ―君とやら、お主オーバーブロット”したな】
シュナの言葉にビクリと目を見開いたジャミルだが、次の瞬間ムスッとした顔を浮かべる。
ジャミル「だから何ですか…言っておきますが、エリーゼの言質をとってないので、貴方を信頼していませんよ」
シュナ【警戒心が強い事は良い事だ。別に君らから信頼を得ようとは思っておらぬ。で、エリーゼの事だが………灰色の空間で何をされた?」
ジャミル「っ!?」
オーバーブロットの件とは違い、また目を見開くジャミル。
だが、今度は冷静さを保てていない。
ジャミル「な、何で…」
シュナ【エリーゼから邪気を多く感じる。邪気のある所で精霊の力をもいいれば、少なからず、エリーゼにも影響が出る。それが心臓の痛み。じゃが、その痛みは、エリーゼ自身が乗り越えた。邪気を分散する方法を無意識化に創造した。
でも・・今回。今まで以上に、痛みを訴えている。て、事はあの空間でお主から湧き出た影に何か攻撃をくらった…て所かの?」
エース「影って…そういえば、アズール先輩の時も言っていたけど」
アズール「……あれに関しては、僕も説明が難しいですね。というか、ジャミルさんも見ていた…という事ですか」
シュナ【影は誰にでもある。その影が化身の原因にもなっているからのぉ。・・・心当たりがありそうじゃな?】
黙り込むジャミルをジッと見るシュナ。
ジャミルが思い出すのは、灰色の空間で自身を庇い、蛇に噛まれたエリーゼの姿。
ジャミル「…俺を庇って、蛇に……噛まれた」
シュナ【蛇?…あぁ、影の形ということか…あやつ・・・自我を持ち出しておるのか。】
見ず知らずのシュナの言葉に心臓がドクドクとするジャミル。
ジャミル(あの蛇に噛まれたせいで……ということは、やっぱり俺の…)
シュナ【暗い顔をするでない。別にお主を責めている訳じゃない】
パシッとジャミルの頭をはたくシュナ。
痛っ!?と声を出し、頭を抑えるジャミル。
シュナ【影の暴走は、並大抵の魔法士じゃないと抑えられぬ。
子供に責任負わすほど、わっちは愚かではない】
このままって訳にもいかぬがな…と呟き、エリーゼの顔を見る。
オアシスから戻ってきた監督生達は急いでジャミルたちがいる談話室へ駆けこむ。そして、駆け込んできた彼らを…絶望的な顔で見つめるジャミルやアズール。
フロイド「…アズール、血の匂い止まってないんだけど」
ジェイド「回復魔法は…」
2人の言葉にアズールはゆっくりと首を振る。
ジャミル「……効かないんだ」
アズール「何度やっても、回復の類の魔法が効かないんです…。
毒消しも、体力増加も、全て…‥まるで弾かれる様に、魔法が消えてしまうんです」
デュース「…じゃ、じゃあエリーゼさんは?」
ジャミル「……………‥っ」
監督生「そんな・・・」
ジャミルは何も言わず、エリーゼを見下ろす。
カリムは涙を流し、顔色が青くなっているエリーゼを見下ろしている。
カリム「っ…エリーゼ、っ……ぅ」
グリム「エリーゼ…ううぅ、エリーゼ」
ギュッとエリーゼにしがみつくグリム。
そんなエリーゼの側に、近づく、監督生とエースとデュース。
エース「っ………何で、また…無茶ばっかするんですか」
デュース「っ…エリーゼさん、治るんですよね…?」
監督生「いつもみたいに‥笑顔で‥ユウって‥言って・っつ・・」
震えた声でエリーゼに呼び掛けるが、彼女の瞼は固く閉じられていて、息もか細い。
ジャミル「……っ(俺の、せいで……俺が、あんな腕輪をつけたから、俺が…こんなことを……企んだから)」
グッと拳を握り、ジャミルはエリーゼを見る。
どんなに祈っても、彼女の目が開かれる事はない。
___その時、彼女の周りから花が生え始めた。
「「「!?」」」
花だけではない、草の根、蔦などの植物がエリーゼの周りに咲き、蔦の一部がエリーゼの頬を撫でる。
エース「も、もしかして…精霊?」
デュース「え、じゃあ…エリーゼさんを………」
唖然として、伸びる草花を見ていた時、その草をガシッと大きな手が掴んだ。
__【相変わらず、手が早いのぉ】
掴んだ草を思いっきり引きちぎる。
その腕を振り上げた拍子に“白いローブ”が外れ、銀髪の髪と碧色の目が露わになる。
エース「え…だ、誰!?」
【ん?…‥おぉ、他の生徒と会うのは初めてじゃな……】
ノーム『無意識に創造してしまったお主を紹介なんぞ出来ぬじゃろう』
メリッサ『そうよ、両親に会えないのが寂しくて、あの子は、母親のあなたを精霊の長として造ってしまった』
【私があの子を残してあの世へ行けると思う?むしろ近くで見守れるから創造されてよかったと思ってるわよ。あの子も私の正体に気づいてるはず。・・・・あら?クリスタルが壊れてる・・・】
メリッサ『それよりも、早く起こさないと、取り返しがつかなくなっちゃう』
【そうね・・・】
その瞬間、ジャミルのマジカルペンがシュナの首元にあてがわれる。
ジャミル「誰だ、貴様。どうやってこの学園に来た」
殺気を隠さない目で、シュナを睨むジャミル。
シンとした緊張感に包まれる…が、シュナ自身は溜息を吐き、右手の人差し指を、クイッと上にあげた。
すると、パシッと音と共にジャミルの持つマジカルペンがはじかれ、床に転がる。
ジャミル「な!?」
シュナ【中々の殺気と動きじゃが…まだまだ甘いのぉ。
懐ガラガラ、脇開きすぎ、そんなものでわらわの命とれると思うでない…て、こんな事やっている場合じゃない】
引っこ抜いた草をその辺に捨てて、エリーゼに手を伸ばそうとしたシュナ。そのシュナの手を横からデュースが掴んだ。
デュース「まて、テメェ、誰だ!気安くエリーゼさんに触れようとすんじゃねぇ、ぶっ飛ばすぞ!」
監督生「デュース、ワル語出てる‥」
アズール「ですが…本当にどちら様ですか。今はホリデー中ですし、職員の方はいらっしゃらない筈、それに…貴方の様な職員見た事が…」
アズールの言葉に面倒くさそうな顔をするシュナは「あー」と呟き、頭を掻く。
シュナ「わっちはシュナ、ここの職員ではない。わっちはあの子の母親よ」
「「「母親?」」」
殆ど怪訝な顔を浮かべる。
信じてなさそうじゃな、と吐き捨て、更に面倒くさそうに顔をゆがめる。
シュナ【お主らの魔法じゃこの邪気を退けれぬ、一旦退いていなさい…じゃないと、本当に戻ってこれなくなるわ】
シュナの言葉にビクリと反応する監督生達。
その隙にシュナはエリーゼの額に手を触れる。
そのシュナの手に未だに伸びる蔦が伸びて行く。
シュナ【散れ】
そう呟いた途端、腕にまとっていた蔦が全て燃えた。
カリム「蔦が全部燃えた!?」
ジェイド「こんな強い魔法…詠唱無しにどうして」
シュナ【言葉に頼っているようじゃ、やっぱりまだまだ、じゃな。
さて…私の娘から手を引きなさい。
さもなくばお主の存在を消す。わっちが精霊の女王だということを忘れる出ないぞ】
念押す様にそういうと、エリーゼの周りに咲いていた花が一瞬でしおれ、
他の草や蔦たちも全て消えて行く。
最後に‟フフフッ”と女の笑い声が響き、草花は全て消滅した。
シュナ【クリスタルが外れた途端に襲ってくるとは…あやつも意地が悪い】
メリッサ『どうしても、欲しかったんでしょうね』
フロイド「ねぇ、あのオッサン、ほんとにエリーゼのおかーさんなの?」
エース「いや、知らないっすよ!俺等もあった事無いんだから」
カリム「で、でも一応、エリーゼを助けて…くれたのか?」
ジェイド「助けたという割には、顔色も戻っていませんし、目も覚ましていません」
ジャミル「そもそも、あの草花は一体何なんだ…?妖精の類なのか?」
シュナ【言い合っている所申し訳ないけど、悪の精霊であるミラージュの仕業じゃ。あのまま放置しておったら、あの子自身が精霊になってしまうところじゃった】
「「「え?!」」」
シュナ【それを助けたのに、怪しいとは…悲しいのぉ。
まぁ、流石クロウリーの元に集まる生徒、こう性格が図太くないと、やっていけぬか。】
笑うシュナとは対照的に驚愕した顔をする面々。
シュナ【わからなかったのかえ?】
エース「分かる訳ねぇだろ!!」
監督生「て、てっきりエリーゼさんを助けてくれるのと…」
シュナ【助ける…か。ある意味合っておるのかもしれぬ。あの子にとっては…この世は生きにくい(ロゼッタがエリーゼだと偽って暮らしていることが、精霊たちにばれ始めている)」
メリッサ『だからって…無理矢理すぎよ!』
シュナ【何をしてでもほしい逸材だった…て事じゃろ?まぁ、もう諦めたみたいだし、そこは良いんじゃが……】
ジッとエリーゼを見て、考える仕草をする。
シュナ【……そこのお主】
アズール「ジャミルさんですね」
フロイド「ウミヘビ君だね~」
ジャミル「変なあだ名やめろ!…俺はジャミル・バイパーです」
シュナ【バイパー…あぁ、バイパー家の子か。そっちの子はアジームの子か】
カリム「え、俺の事知ってるのか?」
シュナ【知ってるも何も…今は説明しとる時間はないな。で、バイパ―君とやら、お主オーバーブロット”したな】
シュナの言葉にビクリと目を見開いたジャミルだが、次の瞬間ムスッとした顔を浮かべる。
ジャミル「だから何ですか…言っておきますが、エリーゼの言質をとってないので、貴方を信頼していませんよ」
シュナ【警戒心が強い事は良い事だ。別に君らから信頼を得ようとは思っておらぬ。で、エリーゼの事だが………灰色の空間で何をされた?」
ジャミル「っ!?」
オーバーブロットの件とは違い、また目を見開くジャミル。
だが、今度は冷静さを保てていない。
ジャミル「な、何で…」
シュナ【エリーゼから邪気を多く感じる。邪気のある所で精霊の力をもいいれば、少なからず、エリーゼにも影響が出る。それが心臓の痛み。じゃが、その痛みは、エリーゼ自身が乗り越えた。邪気を分散する方法を無意識化に創造した。
でも・・今回。今まで以上に、痛みを訴えている。て、事はあの空間でお主から湧き出た影に何か攻撃をくらった…て所かの?」
エース「影って…そういえば、アズール先輩の時も言っていたけど」
アズール「……あれに関しては、僕も説明が難しいですね。というか、ジャミルさんも見ていた…という事ですか」
シュナ【影は誰にでもある。その影が化身の原因にもなっているからのぉ。・・・心当たりがありそうじゃな?】
黙り込むジャミルをジッと見るシュナ。
ジャミルが思い出すのは、灰色の空間で自身を庇い、蛇に噛まれたエリーゼの姿。
ジャミル「…俺を庇って、蛇に……噛まれた」
シュナ【蛇?…あぁ、影の形ということか…あやつ・・・自我を持ち出しておるのか。】
見ず知らずのシュナの言葉に心臓がドクドクとするジャミル。
ジャミル(あの蛇に噛まれたせいで……ということは、やっぱり俺の…)
シュナ【暗い顔をするでない。別にお主を責めている訳じゃない】
パシッとジャミルの頭をはたくシュナ。
痛っ!?と声を出し、頭を抑えるジャミル。
シュナ【影の暴走は、並大抵の魔法士じゃないと抑えられぬ。
子供に責任負わすほど、わっちは愚かではない】
このままって訳にもいかぬがな…と呟き、エリーゼの顔を見る。