ゴーストマリッジ

花嫁さんも理想(?)の相手に会えてうれしい気持ちは分かる。
だけど、それを越えてしまえば、生きている人間を死者に変えてしまう。

……イデアさんがいなくなって悲しい子がいるのに。
それすらも考えようとしない何て。

「…どうして…誰も止めないの」

ゴーストの爺やと婆やとやらは式の決行に喜んでいる。
チャビーという幽霊も寂しそうにしているが、止める様子はない。

近くにいるのに…何で、止めようとしないのよ、あんな自分勝手な姫様を。

イデア:いやだ!楽しみにしていた漫画の新刊も読めないままこの世とおさらばなんて!
みみ、みんな!なんとかしてくれ!

嘆くイデアさんは周囲に助けを求めようとする……が、求められた人達は…

ヴィル:よかったじゃない。人見知りのアンタを選んでくれる人がいて

レオナ:ああ。よく考えてみりゃお前にはぴったりの相手だ

イデア:なんですとー!?

ジャック:そりゃ、あんだけ煽られれば腹も立つだろ

アッサリと裏切られたイデアさんは驚いているが、ジャック君が冷静にツッコミを入れる。

爺や:おお。ついに今夜、500年待ち望んだ姫様の結婚式が!
…本来なら、国をあげて皆でお祝いしていたろうに

婆や:本当に恨めしい…

イライザ:済んでしまった事は仕方がないでしょ?

爺や・婆や:姫様……

「ロゼッタ、顔怖ぇゾ」とグリム君が言っているけど、私は今、猛烈に苛々している。

「…滑稽ね」

本当に愚かなお姫様。

イライザ:そうだ、ここにいるみんなを“新郎友人”として結婚式に参列させてあげる!
そうしたら、じいやとばあやが望んでいる賑やかな式になるわ。

みんな、私とイデア様の新たな門出をお祝いしてちょうだいね!

イデア:ア、アズール氏‼‼同じボードゲーム部のよしみで助けて!!

アズール:引きこもってばかりのイデアさんが結婚……僕はもう感動のあまり涙で前が…。
おめでとうございます。御祝儀ははずみますよ!

すがすがしい程の笑顔を浮かべて言うアズール君の裏切りに、
イデアさんはまた叫び声をあげた。

私は、これ以上見て居られなかったので一旦、タブレットの電源を切った。

クロウリー「第2陣も撃沈ですか……」

「そして夜中0時に式を挙げると…」

オルト「兄さんが……兄さんがぁ!!」


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