熱砂の策謀家
「お義父様、その恰好で鏡の間に行くつもりですか?」
学園長「ええ。何か問題が?」
「はあ・・・わかりました。」
お義父様の格好に内心ため息をしながら、鏡の間に向かった。
クロウリー「皆さん、闇の鏡に目的地を告げたら荷物をしっかりと持ってください。
転送中に手を離してしまうと、荷物だけ別の場所へ飛ばされてしまいますからね。
絶対に無くしたくないものは購買部から宅配便で配送してください」
「「「『めっちゃ浮かれてるー!!!』」」」
やっぱりね。生徒にそう思われても仕方ないわ。
黄色いアロハシャツに半ズボン、白いシルクハット。
唯一変わらないのはいつもの仮面のみ。
“私、これから南国にいきまーす”という恰好をしている。
エース「この真冬にアロハシャツって!南国に遊びに行く気満々じゃん」
デュース「浮かれた気持ちを隠す気がゼロすぎるな」
監督生「あれで学園長が務まるのが凄いよね…」
「もっと言ってあげて頂戴。」
クロウリー「おや、皆さんお揃いで。どうしたんです?」
監督生「あの学園長‥その休暇中の食糧の補給について何ですけど」
クロウリー「えっ、休暇中の食糧……?
あっ、あぁ~。もちろん考えていますとも。当たり前じゃないですか。
丁度、食糧の配達をネットで手配するところだったんですよ~」
「お義父様・・・嘘つきましたね。」
クロウリー「ぎくっ」
監督生「因みに、私が元の世界に戻る方法については…」
クロウリー「あ…あぁ~そ、それも考えていますとも!」
監督生「…聞かせて頂けますか?」
私達がジトーッとした目で見つめると、しどろもどろしながらエーットと考えだす。
クロウリー「この冬期休暇は、まだ行ったことがない南の地域へ、調査範囲を広げようと思ってるんです。私、とっても真面目なので」
エース「調査に向かうって格好じゃない気するけど…」
グリム「そうだそうだ!思う存分休暇を満喫する気なんだゾ!」
「調査がどうしてアロハシャツに半ズボン何です?」
クロウリー「なにを仰います。南の国ではこれが正装。郷に入っては郷に従え。
冬の寒さを逃れ、南国で穏やかな海を眺めつつハンモックでココナッツジュースを飲む。
……そんな優雅なバケーションを満喫しようなんてちっとも思っていませんとも。ええ」
デュース「な、なんて具体的な言い訳だ……!」
グリム「オマエだけずりーんだゾ!オレ様達も南国に連れて行け~!」
クロウリー「それでは楽しい休暇が台無し……ゴホン。
君らは連れて行くには危険な調査になりそうですからここは私が1人で向かいます。
それに、君達は学園に残り、重要な任務にあたってほしいのです」
監督生「重要な任務?」
「まさか・・・」
クロウリー「ナイトレイブンカレッジの存続に関わるとても重要な任務です」
急にまじめになった場合、ろくなことがない。ユウに何を頼むつもりなの?
クロウリー「この学園の食堂の火は全て火の妖精の魔法によって賄われています。彼らは長年、大食堂の暖炉に住み着いているのですが……毎日よく乾燥した薪を与えなければ消えてしまうのです」
そういえばご飯を食べている時、よく手を振られていた気がする。
クロウリー「その火の妖精がいなくなれば、学園は冬のたびに凍えるような寒さに包まれることになります。ね?学園の存続に関わるでしょう」
デュース「そういえば、エアコンもないのに学園内はいつも暖かいと思ってた」
エース「やっぱ魔法だったんだ」
監督生「繊細な妖精さん何ですね…」
「あれ?でも大食堂にはゴーストさんがいた筈じゃ」
ベーカリーのパンを売る際も活躍していたゴーストさん。
彼らは長期休暇の時も火の番を受け持っている筈だ。
なのに、今年はいないという事?それに私に一言も相談してくれなかった。
クロウリー「はい。今までは長期休暇中も厨房係のゴーストが火の番をしていてくれたのですが……今年は娘夫婦にお子さんが産まれたそうで初孫の顔を見にあの世へ帰省するんだとか」
監督生「……は、初孫?」
え?ゴーストって、孫出来るの?
いや、食べる事とかできるから…まぁ、そうなんだろうけど。
メリッサ『突っ込んだらまけよ』
「(わかった)」
監督生「……あのゴーストに初孫って」
クロウリー「そこは愛が生んだミラクルということなので、深く考えてはいけません」
バサッと言いきられた。愛が産んだミラクルとは…?
「食事のことは心配しないで。私が作るから。」
クロウリー「なんにせよホリデーを暖かく過ごしたいのなら火の番は必須。毎日暖炉に薪をくべるだけで寒さや食糧の心配をしなくて済む……一石二鳥じゃありませんか。なんという好条件!」
グリム「確かに、今までの無茶振りに比べれば超楽チンな気がするんだゾ!」
クロウリー「そうでしょう?こう見えて私、とても優しいので」
監督生「……まぁ、どうせホリデー中は暇ですし」
「私もやることないから、一緒にやりましょうか」
クロウリー「ああ、そうそう。私が長期不在にするのでこれを君たちに渡しておこうと思ったんです」
お義父様がユウに手渡したのはスマホだった。
エース「あ、スマホじゃん」
クロウリー「なにか緊急の用事があればこのスマホで私に連絡してください。こちらはあくまで緊急連絡手段です。マジカメ巡りなどに没頭して通信制限を受けたりしないように」
クロウリー「さて、私は生徒たちをご実家へ転送する仕事がありますので。後は任せましたよ。エリーゼ。2人のことよろしくお願いします。」
「はい、わかりました。」
学園長「ええ。何か問題が?」
「はあ・・・わかりました。」
お義父様の格好に内心ため息をしながら、鏡の間に向かった。
クロウリー「皆さん、闇の鏡に目的地を告げたら荷物をしっかりと持ってください。
転送中に手を離してしまうと、荷物だけ別の場所へ飛ばされてしまいますからね。
絶対に無くしたくないものは購買部から宅配便で配送してください」
「「「『めっちゃ浮かれてるー!!!』」」」
やっぱりね。生徒にそう思われても仕方ないわ。
黄色いアロハシャツに半ズボン、白いシルクハット。
唯一変わらないのはいつもの仮面のみ。
“私、これから南国にいきまーす”という恰好をしている。
エース「この真冬にアロハシャツって!南国に遊びに行く気満々じゃん」
デュース「浮かれた気持ちを隠す気がゼロすぎるな」
監督生「あれで学園長が務まるのが凄いよね…」
「もっと言ってあげて頂戴。」
クロウリー「おや、皆さんお揃いで。どうしたんです?」
監督生「あの学園長‥その休暇中の食糧の補給について何ですけど」
クロウリー「えっ、休暇中の食糧……?
あっ、あぁ~。もちろん考えていますとも。当たり前じゃないですか。
丁度、食糧の配達をネットで手配するところだったんですよ~」
「お義父様・・・嘘つきましたね。」
クロウリー「ぎくっ」
監督生「因みに、私が元の世界に戻る方法については…」
クロウリー「あ…あぁ~そ、それも考えていますとも!」
監督生「…聞かせて頂けますか?」
私達がジトーッとした目で見つめると、しどろもどろしながらエーットと考えだす。
クロウリー「この冬期休暇は、まだ行ったことがない南の地域へ、調査範囲を広げようと思ってるんです。私、とっても真面目なので」
エース「調査に向かうって格好じゃない気するけど…」
グリム「そうだそうだ!思う存分休暇を満喫する気なんだゾ!」
「調査がどうしてアロハシャツに半ズボン何です?」
クロウリー「なにを仰います。南の国ではこれが正装。郷に入っては郷に従え。
冬の寒さを逃れ、南国で穏やかな海を眺めつつハンモックでココナッツジュースを飲む。
……そんな優雅なバケーションを満喫しようなんてちっとも思っていませんとも。ええ」
デュース「な、なんて具体的な言い訳だ……!」
グリム「オマエだけずりーんだゾ!オレ様達も南国に連れて行け~!」
クロウリー「それでは楽しい休暇が台無し……ゴホン。
君らは連れて行くには危険な調査になりそうですからここは私が1人で向かいます。
それに、君達は学園に残り、重要な任務にあたってほしいのです」
監督生「重要な任務?」
「まさか・・・」
クロウリー「ナイトレイブンカレッジの存続に関わるとても重要な任務です」
急にまじめになった場合、ろくなことがない。ユウに何を頼むつもりなの?
クロウリー「この学園の食堂の火は全て火の妖精の魔法によって賄われています。彼らは長年、大食堂の暖炉に住み着いているのですが……毎日よく乾燥した薪を与えなければ消えてしまうのです」
そういえばご飯を食べている時、よく手を振られていた気がする。
クロウリー「その火の妖精がいなくなれば、学園は冬のたびに凍えるような寒さに包まれることになります。ね?学園の存続に関わるでしょう」
デュース「そういえば、エアコンもないのに学園内はいつも暖かいと思ってた」
エース「やっぱ魔法だったんだ」
監督生「繊細な妖精さん何ですね…」
「あれ?でも大食堂にはゴーストさんがいた筈じゃ」
ベーカリーのパンを売る際も活躍していたゴーストさん。
彼らは長期休暇の時も火の番を受け持っている筈だ。
なのに、今年はいないという事?それに私に一言も相談してくれなかった。
クロウリー「はい。今までは長期休暇中も厨房係のゴーストが火の番をしていてくれたのですが……今年は娘夫婦にお子さんが産まれたそうで初孫の顔を見にあの世へ帰省するんだとか」
監督生「……は、初孫?」
え?ゴーストって、孫出来るの?
いや、食べる事とかできるから…まぁ、そうなんだろうけど。
メリッサ『突っ込んだらまけよ』
「(わかった)」
監督生「……あのゴーストに初孫って」
クロウリー「そこは愛が生んだミラクルということなので、深く考えてはいけません」
バサッと言いきられた。愛が産んだミラクルとは…?
「食事のことは心配しないで。私が作るから。」
クロウリー「なんにせよホリデーを暖かく過ごしたいのなら火の番は必須。毎日暖炉に薪をくべるだけで寒さや食糧の心配をしなくて済む……一石二鳥じゃありませんか。なんという好条件!」
グリム「確かに、今までの無茶振りに比べれば超楽チンな気がするんだゾ!」
クロウリー「そうでしょう?こう見えて私、とても優しいので」
監督生「……まぁ、どうせホリデー中は暇ですし」
「私もやることないから、一緒にやりましょうか」
クロウリー「ああ、そうそう。私が長期不在にするのでこれを君たちに渡しておこうと思ったんです」
お義父様がユウに手渡したのはスマホだった。
エース「あ、スマホじゃん」
クロウリー「なにか緊急の用事があればこのスマホで私に連絡してください。こちらはあくまで緊急連絡手段です。マジカメ巡りなどに没頭して通信制限を受けたりしないように」
クロウリー「さて、私は生徒たちをご実家へ転送する仕事がありますので。後は任せましたよ。エリーゼ。2人のことよろしくお願いします。」
「はい、わかりました。」