熱砂の国のアリア―ブ・ナーリヤ
「ん…う……」
マレウス「目が覚めたか」
「マレ…ウス……さん?」
ロゼッタの耳に賑やかな声が届き、閉じていた目を開くと、自分を覗き込むマレウスの顔があった。
ロゼッタの声に反応した監督生たちもロゼッタのそばに寄り「無事でよかった」と声を揃える。
「ここは・・・」
マレウス「花火の観覧席だ。もうすぐ花火が始まるらしい」
「……空がもうこんなに暗くなってる。」
胡座をかくマレウスの足の間に身体を預けていたロゼッタは、ピーコックグリーン色の天幕がかかった観覧席から空を見上げる。
空はいつの間にか茜色から深い青色に変わっていた。
ロゼッタには盗人の男が監督生に投げ飛ばされたあたりからの記憶が曖昧にしか覚えていない。
どうして自分はマレウスさんに抱きかかえられているのだろう。
ロゼッタが困惑していると、目の前に爽やかなピーコックグリーンのドリンクが差し出された。
ジャミル「ロゼッタ様の分のミントレモネードです。気絶してから何も飲んでなくて喉が渇いていらっしゃると思います。何があったのか 飲みながら説明いたしますので。」
「わあ、美味しそう!ありがとう、ジャミル君」
差し出された爽やかなピーコックグリーン色のミントレモネードを受け取ると、ロゼッタはストローに口をつける。
「ん…! すごくスッキリしていて飲みやすい」
マレウス「目覚めには最高の1杯だな」
ケイト「ロゼッタちゃん目が覚めてよかった! さっきみんなで乾杯したけど、もう1回ロゼッタちゃんと一緒に乾杯しようよ♪」
カリム「もちろんいいぜ!」
監督生「断る理由はありませんね」
ケイト「それじゃあ……かんぱーい!」
「「『かんぱーいっ』」」
マレウスの手から離れ、その隣に座ったロゼッタのそばに集まり、飲みかけのミントレモネードのグラスを小さく当てるとガラス製のグラスが気持ちのいい音を立てる。
爽やかな味のミントレモネードを飲みながらロゼッタはジャミルから自分が気絶していた間にあったことを聞いていた。
ロゼッタが気絶した後、盗人の男と盗みを手伝っていた小猿は警察に引き渡され、盗品は全て持ち主の手に戻ってきたそうだ。
「メリッサに証拠の音声を取らせてたけど、提出する必要はなさそうね。」
ジャミル「一応証拠になるかもしれないので、俺が後で持っていきます。それと、ロゼッタ様が気を失っている間に腕の手当ても済ませました。痛むようなら遠慮せずにすぐ俺に教えてください。」
「ジャミルくん……ええ、わかった」
カリム「すぐに言ってくれよ? またオレん家から医者を呼ぶからさ。もし痣が残るならオレが責任を取るから安心してくれ」
ジャミル「いや、ロゼッタ様が攫われたのは俺のミスだ。俺がついていながら危険な目に遭わせてしまった、責任なら俺が取る」
カリム「ジャミルが気にすることないって。」
ジャミル「ぐ……っ、しかし……」
だから気にするなよなっ! とカリムの屈託のない笑顔にジャミルは言葉を詰まらせる。
「心配いらないわよ2人とも」
カリム・ジャミル「え?」
「もう少し体力が回復したら、メリッサに治してもらうから。」
ジャミル「・・・・」
「だから、自分のことを責めちゃだめよ。」
ジャミル「承知いたしました。」
トレイ「でも、このことレオナが知ったら大変だぞ。」
ケイト「かんかんに怒りそうだよね~」
監督生「何があったか包み隠さず言え!ってロゼッタさんじゃなくて私たちに言ってきそうです。」
「レオナさんにはもう伝わってるんじゃないかしら。」
監督生「え?」
マレウス「ロゼッタが身に着けている指輪だろう?」
「そうです。この指輪で私の様子を見ていると思います。だから、ユウが説明する必要はないわ。」
グリム「過保護なんだゾ」
「この話はもう終わりにしましょうか」
ジャミル「……そういえば、監督生。君の体術は凄かったな」
監督生「え? あ、ありがとうございます」
ケイト「ホントホント! 監督生ちゃんより身体の大きな男を投げ飛ばしちゃうなんて、けーくん驚いちゃった!」
監督生「あの投げ技は背負い投げといって、柔道という格闘技の技の1つなんです。私の家系は武術一家だったので…柔道をやってました。」
カリム「へぇ、監督生の国の格闘技なのか。もっとオレにもその話聞かせてくれよ!」
監督生「もちろんいいですよ」
マレウス「目が覚めたか」
「マレ…ウス……さん?」
ロゼッタの耳に賑やかな声が届き、閉じていた目を開くと、自分を覗き込むマレウスの顔があった。
ロゼッタの声に反応した監督生たちもロゼッタのそばに寄り「無事でよかった」と声を揃える。
「ここは・・・」
マレウス「花火の観覧席だ。もうすぐ花火が始まるらしい」
「……空がもうこんなに暗くなってる。」
胡座をかくマレウスの足の間に身体を預けていたロゼッタは、ピーコックグリーン色の天幕がかかった観覧席から空を見上げる。
空はいつの間にか茜色から深い青色に変わっていた。
ロゼッタには盗人の男が監督生に投げ飛ばされたあたりからの記憶が曖昧にしか覚えていない。
どうして自分はマレウスさんに抱きかかえられているのだろう。
ロゼッタが困惑していると、目の前に爽やかなピーコックグリーンのドリンクが差し出された。
ジャミル「ロゼッタ様の分のミントレモネードです。気絶してから何も飲んでなくて喉が渇いていらっしゃると思います。何があったのか 飲みながら説明いたしますので。」
「わあ、美味しそう!ありがとう、ジャミル君」
差し出された爽やかなピーコックグリーン色のミントレモネードを受け取ると、ロゼッタはストローに口をつける。
「ん…! すごくスッキリしていて飲みやすい」
マレウス「目覚めには最高の1杯だな」
ケイト「ロゼッタちゃん目が覚めてよかった! さっきみんなで乾杯したけど、もう1回ロゼッタちゃんと一緒に乾杯しようよ♪」
カリム「もちろんいいぜ!」
監督生「断る理由はありませんね」
ケイト「それじゃあ……かんぱーい!」
「「『かんぱーいっ』」」
マレウスの手から離れ、その隣に座ったロゼッタのそばに集まり、飲みかけのミントレモネードのグラスを小さく当てるとガラス製のグラスが気持ちのいい音を立てる。
爽やかな味のミントレモネードを飲みながらロゼッタはジャミルから自分が気絶していた間にあったことを聞いていた。
ロゼッタが気絶した後、盗人の男と盗みを手伝っていた小猿は警察に引き渡され、盗品は全て持ち主の手に戻ってきたそうだ。
「メリッサに証拠の音声を取らせてたけど、提出する必要はなさそうね。」
ジャミル「一応証拠になるかもしれないので、俺が後で持っていきます。それと、ロゼッタ様が気を失っている間に腕の手当ても済ませました。痛むようなら遠慮せずにすぐ俺に教えてください。」
「ジャミルくん……ええ、わかった」
カリム「すぐに言ってくれよ? またオレん家から医者を呼ぶからさ。もし痣が残るならオレが責任を取るから安心してくれ」
ジャミル「いや、ロゼッタ様が攫われたのは俺のミスだ。俺がついていながら危険な目に遭わせてしまった、責任なら俺が取る」
カリム「ジャミルが気にすることないって。」
ジャミル「ぐ……っ、しかし……」
だから気にするなよなっ! とカリムの屈託のない笑顔にジャミルは言葉を詰まらせる。
「心配いらないわよ2人とも」
カリム・ジャミル「え?」
「もう少し体力が回復したら、メリッサに治してもらうから。」
ジャミル「・・・・」
「だから、自分のことを責めちゃだめよ。」
ジャミル「承知いたしました。」
トレイ「でも、このことレオナが知ったら大変だぞ。」
ケイト「かんかんに怒りそうだよね~」
監督生「何があったか包み隠さず言え!ってロゼッタさんじゃなくて私たちに言ってきそうです。」
「レオナさんにはもう伝わってるんじゃないかしら。」
監督生「え?」
マレウス「ロゼッタが身に着けている指輪だろう?」
「そうです。この指輪で私の様子を見ていると思います。だから、ユウが説明する必要はないわ。」
グリム「過保護なんだゾ」
「この話はもう終わりにしましょうか」
ジャミル「……そういえば、監督生。君の体術は凄かったな」
監督生「え? あ、ありがとうございます」
ケイト「ホントホント! 監督生ちゃんより身体の大きな男を投げ飛ばしちゃうなんて、けーくん驚いちゃった!」
監督生「あの投げ技は背負い投げといって、柔道という格闘技の技の1つなんです。私の家系は武術一家だったので…柔道をやってました。」
カリム「へぇ、監督生の国の格闘技なのか。もっとオレにもその話聞かせてくれよ!」
監督生「もちろんいいですよ」