熱砂の国のアリア―ブ・ナーリヤ
ジャミル「…………」
ケイト「あ、あれ。どうしたのその反応。もしかして似合ってない……?じゃあ、こっちの黒地に白刺繍のやつは?ベーシックなカラーだから、誰にでも似合うでしょ。それに使い回しもしやすそうで、1枚あると便利!」
ジャミルの反応を見て、思わず別の色のストールを取って見せたケイト。
彼の様子を見て、ジャミルははっとして首を横に振った。
ジャミル「あ、いえ。もちろんどちらもお似合いだと思いますよ。ただ……俺は今の2つよりも、右奥に陳列されてるストールをおすすめします」
ケイト「えっ、あの可愛らしいサーモンピンク色のやつ?なんか、自分じゃ選ばない色だけど……そういえば、次のトレンドはヌーディーカラーって雑誌で見たかも!しっかり流行を抑えてるなんてさすがだね、ジャミルくん!」
ジャミル「いえ、別にそういった理由で選んだわけじゃないですよ」
ケイト「そうなの?じゃあ、どうして?」
ジャミル「このストールのような柔らかな色合いがケイト先輩の人柄に合うんじゃないかと思いまして。ケイト先輩は、誰に対してもフレンドリーに接している、柔和な印象がありますから」
ケイト「えっ……そう見える?」
ジャミルからのまさかの印象を聞かされ、思わず聞き返すケイト。
その返しに、ジャミルは真面目な顔で答える。
ジャミル「はい。今日は、ケイト先輩とトレイ先輩にずいぶん助けられています」
ケイト「え!それはそれは……わざわざご丁寧にどうも……?」
ジャミル「まあ、時々無茶ぶりがあって困りますが……」
ケイト「あれ。ナジュマちゃんを誘ったこと根に持ってる?ハプニングは旅の醍醐味じゃん!でもそっかー。オレってそういうカンジに見えるんだ……ジャミルくんから、オレのイメージが聞けて嬉しいな」
普段あまり話さない後輩からの印象は、少なくともケイトの気分を良くした。
ケイト「よしっ、これを自分用のお土産に決めた♪」
ジャミル「えっ、本当に俺が薦めたものでいいんですか?もっと吟味した方が……」
ケイト「いいに決まってるじゃん!せっかくジャミルくんがオレのことを考えて選んでくれたんだから。それに、すごく気に入ったし!」
ケイトはジャミルが薦めたストールを手に取ると、そのまま会計の方へ行く。
ケイト「すみませーん、お会計お願いします!」
そうして無事自分用のお土産を買い、ケイトは自然とほくほく顔になる。
ケイト「いやー、いい買い物したなぁ」
ジャミル「せっかくだからお店の前で写真を撮りましょうか。マジカメにアップするんでしょう?」
ケイト「さっすが、気が利くね~!じゃあお願い。はい、オレのスマホ」
ジャミル「じゃあ、撮りますよ。3……2……1……」
ケイトのスマホを預けられ、そのまま写真を撮る。
スマホの画面の向こうには、サーモンピンク色のストールを羽織ったケイトの姿があった。
ケイト「撮ってくれてありがとー。早速、写真をチェックっと…………ホントだ。ジャミルくんの言う通り、かわいい色も案外ありかも!あはは!しかもオレ、めちゃくちゃ笑ってんじゃん!」
写真に写る自分の姿に笑いながら、ケイトはもう一度ストールに触れる。
ケイト「それにしても、このストール肌触りもいいし、通気性も抜群でホント気に入っちゃった。なにより、新しい自分に出会えたしね!そうだ、ジャミルくん。いい物を薦めてくれたお礼に今度はオレが似合うものを選んであげよっか」
ジャミル「いえ、俺のは別に……」
ケイト「いいから、いいから。ケイト先輩に任せといてよ。オレもジャミルくんに負けないくらい素敵なヤツを見立ててあげるからさ♪」
謙遜するジャミルを押しのけ、そう宣言するケイトだった。
ケイト「あ、あれ。どうしたのその反応。もしかして似合ってない……?じゃあ、こっちの黒地に白刺繍のやつは?ベーシックなカラーだから、誰にでも似合うでしょ。それに使い回しもしやすそうで、1枚あると便利!」
ジャミルの反応を見て、思わず別の色のストールを取って見せたケイト。
彼の様子を見て、ジャミルははっとして首を横に振った。
ジャミル「あ、いえ。もちろんどちらもお似合いだと思いますよ。ただ……俺は今の2つよりも、右奥に陳列されてるストールをおすすめします」
ケイト「えっ、あの可愛らしいサーモンピンク色のやつ?なんか、自分じゃ選ばない色だけど……そういえば、次のトレンドはヌーディーカラーって雑誌で見たかも!しっかり流行を抑えてるなんてさすがだね、ジャミルくん!」
ジャミル「いえ、別にそういった理由で選んだわけじゃないですよ」
ケイト「そうなの?じゃあ、どうして?」
ジャミル「このストールのような柔らかな色合いがケイト先輩の人柄に合うんじゃないかと思いまして。ケイト先輩は、誰に対してもフレンドリーに接している、柔和な印象がありますから」
ケイト「えっ……そう見える?」
ジャミルからのまさかの印象を聞かされ、思わず聞き返すケイト。
その返しに、ジャミルは真面目な顔で答える。
ジャミル「はい。今日は、ケイト先輩とトレイ先輩にずいぶん助けられています」
ケイト「え!それはそれは……わざわざご丁寧にどうも……?」
ジャミル「まあ、時々無茶ぶりがあって困りますが……」
ケイト「あれ。ナジュマちゃんを誘ったこと根に持ってる?ハプニングは旅の醍醐味じゃん!でもそっかー。オレってそういうカンジに見えるんだ……ジャミルくんから、オレのイメージが聞けて嬉しいな」
普段あまり話さない後輩からの印象は、少なくともケイトの気分を良くした。
ケイト「よしっ、これを自分用のお土産に決めた♪」
ジャミル「えっ、本当に俺が薦めたものでいいんですか?もっと吟味した方が……」
ケイト「いいに決まってるじゃん!せっかくジャミルくんがオレのことを考えて選んでくれたんだから。それに、すごく気に入ったし!」
ケイトはジャミルが薦めたストールを手に取ると、そのまま会計の方へ行く。
ケイト「すみませーん、お会計お願いします!」
そうして無事自分用のお土産を買い、ケイトは自然とほくほく顔になる。
ケイト「いやー、いい買い物したなぁ」
ジャミル「せっかくだからお店の前で写真を撮りましょうか。マジカメにアップするんでしょう?」
ケイト「さっすが、気が利くね~!じゃあお願い。はい、オレのスマホ」
ジャミル「じゃあ、撮りますよ。3……2……1……」
ケイトのスマホを預けられ、そのまま写真を撮る。
スマホの画面の向こうには、サーモンピンク色のストールを羽織ったケイトの姿があった。
ケイト「撮ってくれてありがとー。早速、写真をチェックっと…………ホントだ。ジャミルくんの言う通り、かわいい色も案外ありかも!あはは!しかもオレ、めちゃくちゃ笑ってんじゃん!」
写真に写る自分の姿に笑いながら、ケイトはもう一度ストールに触れる。
ケイト「それにしても、このストール肌触りもいいし、通気性も抜群でホント気に入っちゃった。なにより、新しい自分に出会えたしね!そうだ、ジャミルくん。いい物を薦めてくれたお礼に今度はオレが似合うものを選んであげよっか」
ジャミル「いえ、俺のは別に……」
ケイト「いいから、いいから。ケイト先輩に任せといてよ。オレもジャミルくんに負けないくらい素敵なヤツを見立ててあげるからさ♪」
謙遜するジャミルを押しのけ、そう宣言するケイトだった。