熱砂の国のアリア―ブ・ナーリヤ
離れたマレウスさんを探すために、ジャミル君に連れてこられたのは別の市場。
アーケード街のような所で、天井には瀟洒なランプが飾られ、周囲も食べ物より雑貨品などを取り扱っている店が多い。
トレイ「さっきとまた違う市場に来たな。こんな場所にマレウスが1人でいるのか?」
ジャミル「はい、間違いありません。すぐ近くにいるはずです」
(どうして、そんなに断言できるのかしら?)
ここにマレウスさんがいない可能性もあるのに、何故かジャミル君は断言している。
そんなことを思いながら周囲を見ると、見慣れたツノを見つけた。
マレウス「みんな、どこへ行っていたんだ。随分探し回ったぞ」
ケイト「マレウスくん!?うわっ、ホントにいた!」
トレイ「やれやれ……。いきなりいなくなるから、なにかあったら大ごとだと心配したよ」
ケイト「マレウスくんが怪我をしたりするとは、思っていなかったけどね~」
監督生「むしろ『絹の街』が無事でよかった」
マレウス「どういう意味だ、それは」
監督生「気にしないで」
迷子だったというのに、マレウスさんはちゃっかり買い物もしていたらしい。
コブラのブレスレット、オウム形のランチョンマット、そして古い本と旅の醍醐味を満喫していた。
ジャミル「ともあれ、何事もなかったようですね。ホッとしました」
カリム「みんなと合流できてよかったなー、マレウス!」
ジャミル「カリム!!どうしてここに!?」
「え??」
マレウスさんの後ろから現れたのは、寮服姿のカリム君。
ジャミル君も驚いており、そこで私は首を傾げる。
マレウスさんがいることはわかっていたのに、カリム君もいたことがわからなかった?そんなことってあるのかしら??
ジャミル「花火大会の主催者として、挨拶回りをしていたんじゃないのか?」
カリム「思ったより、早く終わってさ~。せっかく友だちが来ているんだから遊んでこいって、とーちゃんが言ってくれたんだ。ジャミルたちに合流しようと思ってたら、マレウスが1人で歩いててビックリしたよ!」
トレイ「なるほど。偶然出会えたのは幸運だったな」
ケイト「でも、どうしてジャミルくんはマレウスくんがここにいるってわかったの?カリムくんを見て驚いたってことは連絡を取り合っていたわけじゃなさそうだし」
「それ以前に、なんであんな風に断言できたの?」
ジャミル「ああ、そのことですか」
ケイトさんと私の質問に、ジャミル君は答えた。
ジャミル「その服の鈴飾りにはGPSが付いているんですよ」
「「「「GPS!?」」」」
ジャミル先輩の言う通り、私たちの衣装には鈴飾りがついているけど……
まさかGPSがあったなんて!
ケイト「え、待って。もしかしてマレウスくんだけじゃなくオレたちの服の鈴にも……」
ジャミル「はい、もちろん。GPSが付いています」
ケイト「こわい!!!今すぐこの鈴捨てよう!!!!」
ケイトさんが慌てて鈴飾りを外そうとするが、
ケイト「……あっ、あれ!?」
トレイ「だ、だめだ。しっかり縫い付けられている……」
監督生「手の込みようが周到すぎている……!!」
取れないように複雑に縫い付けられているせいで、自力では外せなないみたいだ。
トレイ「いくらなんでも、GPSがやりすぎじゃないか!?」
ジャミル「『絹の街』は人が多い。皆さんの居場所がわからなくなったとき万が一にもスマホが使えないと連絡がとれなくて大変です。その点、GPSがあれば俺がこうして合流できます。実際、役に立ったじゃありませんか。」
ケイト「うーん……それを言われると……」
「だからって、これはもはやプライバシーの侵害よ。せめてちゃんと事情を話してから付ける許可を得て欲しかったわ」
ジャミル「申し訳ありませんでした。」
トレイ「それも一理あるな……」
マレウス「ところで、GPSというのは一体なんだ?」
ケイト「知らなかったのに驚いてたの!?」
監督生「自分の居場所が相手にわかる機械だと思っておいて」
カリム「ジャミルにかかれば、どんな問題もパパッと解決だぜ」
ジャミル「本当は、問題など起きてほしくないんだがな」
監督生「それは無理です。諦めてください」
ジャミル「君に言われるとグサッとくるな……」
マレウス「バイパーの言う通り、『ラクダバザール』と同じくこの市場も随分と人が多いな」
ジャミル「はい。『ザハブ市場』は、飲食品だけでなく、絹織物や食器インテリアなどを取り扱う店も多くあります。ここも、『絹の街』の住人にとってなくてはならない市場です」
トレイ「『ラクダバザール』と同じように、この市場の名前にも、なにか由来があるのか?」
「ザハブには黄金という意味があるんです。『黄金でさえ手に入る市場』という意味で名付けられたとか。実際、高級な品々を取り扱う店がたくさんあるんですよ。」
ケイト「マジカメ映えする者も多そうだね♪」
アーケード街のような所で、天井には瀟洒なランプが飾られ、周囲も食べ物より雑貨品などを取り扱っている店が多い。
トレイ「さっきとまた違う市場に来たな。こんな場所にマレウスが1人でいるのか?」
ジャミル「はい、間違いありません。すぐ近くにいるはずです」
(どうして、そんなに断言できるのかしら?)
ここにマレウスさんがいない可能性もあるのに、何故かジャミル君は断言している。
そんなことを思いながら周囲を見ると、見慣れたツノを見つけた。
マレウス「みんな、どこへ行っていたんだ。随分探し回ったぞ」
ケイト「マレウスくん!?うわっ、ホントにいた!」
トレイ「やれやれ……。いきなりいなくなるから、なにかあったら大ごとだと心配したよ」
ケイト「マレウスくんが怪我をしたりするとは、思っていなかったけどね~」
監督生「むしろ『絹の街』が無事でよかった」
マレウス「どういう意味だ、それは」
監督生「気にしないで」
迷子だったというのに、マレウスさんはちゃっかり買い物もしていたらしい。
コブラのブレスレット、オウム形のランチョンマット、そして古い本と旅の醍醐味を満喫していた。
ジャミル「ともあれ、何事もなかったようですね。ホッとしました」
カリム「みんなと合流できてよかったなー、マレウス!」
ジャミル「カリム!!どうしてここに!?」
「え??」
マレウスさんの後ろから現れたのは、寮服姿のカリム君。
ジャミル君も驚いており、そこで私は首を傾げる。
マレウスさんがいることはわかっていたのに、カリム君もいたことがわからなかった?そんなことってあるのかしら??
ジャミル「花火大会の主催者として、挨拶回りをしていたんじゃないのか?」
カリム「思ったより、早く終わってさ~。せっかく友だちが来ているんだから遊んでこいって、とーちゃんが言ってくれたんだ。ジャミルたちに合流しようと思ってたら、マレウスが1人で歩いててビックリしたよ!」
トレイ「なるほど。偶然出会えたのは幸運だったな」
ケイト「でも、どうしてジャミルくんはマレウスくんがここにいるってわかったの?カリムくんを見て驚いたってことは連絡を取り合っていたわけじゃなさそうだし」
「それ以前に、なんであんな風に断言できたの?」
ジャミル「ああ、そのことですか」
ケイトさんと私の質問に、ジャミル君は答えた。
ジャミル「その服の鈴飾りにはGPSが付いているんですよ」
「「「「GPS!?」」」」
ジャミル先輩の言う通り、私たちの衣装には鈴飾りがついているけど……
まさかGPSがあったなんて!
ケイト「え、待って。もしかしてマレウスくんだけじゃなくオレたちの服の鈴にも……」
ジャミル「はい、もちろん。GPSが付いています」
ケイト「こわい!!!今すぐこの鈴捨てよう!!!!」
ケイトさんが慌てて鈴飾りを外そうとするが、
ケイト「……あっ、あれ!?」
トレイ「だ、だめだ。しっかり縫い付けられている……」
監督生「手の込みようが周到すぎている……!!」
取れないように複雑に縫い付けられているせいで、自力では外せなないみたいだ。
トレイ「いくらなんでも、GPSがやりすぎじゃないか!?」
ジャミル「『絹の街』は人が多い。皆さんの居場所がわからなくなったとき万が一にもスマホが使えないと連絡がとれなくて大変です。その点、GPSがあれば俺がこうして合流できます。実際、役に立ったじゃありませんか。」
ケイト「うーん……それを言われると……」
「だからって、これはもはやプライバシーの侵害よ。せめてちゃんと事情を話してから付ける許可を得て欲しかったわ」
ジャミル「申し訳ありませんでした。」
トレイ「それも一理あるな……」
マレウス「ところで、GPSというのは一体なんだ?」
ケイト「知らなかったのに驚いてたの!?」
監督生「自分の居場所が相手にわかる機械だと思っておいて」
カリム「ジャミルにかかれば、どんな問題もパパッと解決だぜ」
ジャミル「本当は、問題など起きてほしくないんだがな」
監督生「それは無理です。諦めてください」
ジャミル「君に言われるとグサッとくるな……」
マレウス「バイパーの言う通り、『ラクダバザール』と同じくこの市場も随分と人が多いな」
ジャミル「はい。『ザハブ市場』は、飲食品だけでなく、絹織物や食器インテリアなどを取り扱う店も多くあります。ここも、『絹の街』の住人にとってなくてはならない市場です」
トレイ「『ラクダバザール』と同じように、この市場の名前にも、なにか由来があるのか?」
「ザハブには黄金という意味があるんです。『黄金でさえ手に入る市場』という意味で名付けられたとか。実際、高級な品々を取り扱う店がたくさんあるんですよ。」
ケイト「マジカメ映えする者も多そうだね♪」