熱砂の国のアリア―ブ・ナーリヤ
ジャミル「人数分買うことにしましょう。お店はすぐそこです」
ジャミル君に連れられた露店で、目的のシルキーメロンを人数分買う。
半玉を贅沢に使ったメロンは皮を器にしており、果肉はきちんと切り分けられている。
種があった窪み部分にはマスカットなどのフルーツが詰め込まれ、その上にはメロンアイスがどーんと載っていた。
トレイ「ぱくっ。うん、これはおいしい。こんなに濃厚な味のメロンは、初めて食べたかもしれない」
監督生「似たものを食べたことありますけど、このメロンはそれより上を行きますね」
マレウス「あぁ。トッピングの自家製アイスも絶品だ。メロン果汁がふんだんに使われているのがわかる」
ケイト「デコレーションも可愛いよね~♪」
「こんな味だったわ。懐かしい」
ナジュマ「なんといっても、絹の街の名物ですから!」
ケイト「ねぇねぇ!これ食べてるところ、みんなで写真撮ろうよ!」
マレウス「なぜだ?アジームの家の前で集合写真を撮ったばかりではないか」
ケイト「でもさ!このシルキーメロンって、食べると友情が続くって言われてるんでしょ?だったら、みんなでこれを持って写真を撮らなくちゃ~!#シルキーメロン #友情の証 #オレたちズッ友 みたいなカンジ?」
「いいですよ。撮りましょう」
まぁ、記念として撮りたい気持ちはわかる。
でも……協調性皆無の塊であるあの学園にいるみんなは違うようだ。
マレウス「……僕はやめておこう」
ジャミル「遠慮しておきます」
トレイ「俺も、そういうのは苦手だな」
グリム「そんなことよりアイスが溶ける前に全部食っちまわねーと!じゅるるっ、じゅるるるるっ」
予想通り、ケイト君の誘いを断った。
「ロゼッタちゃん以外、全員に拒否られた!もー、みんな素直じゃないなー」
「そういう問題ではないとおもいます」
溶け始めたアイスを食べながらそう言うと、ナジュマは不思議そうに見つめた。
ナジュマ「変なの。写真くらい写ってあげればいいのに。ねぇ、ジャミル。みんな、ケンカでもしてるの?」
ジャミル「そんなことはない。俺たちは、普段からこんな感じだ」
ナジュマ「ナイトレイブンカレッジって随分変わってる学校なんだね……」
小声で内緒話をするバイパー兄妹の横で、
「シルキーメロンの効き目が出るのは、まだまだ先みたい~」
がっくりと肩を落とすケイトさんだった。
シルキーメロンを食べ終え、みんな満足気な顔をしながらラクダバザールを歩く。
ナジュマ「シルキーメロン、おいしかった~。さ~て、次はなにをおねだりしようかな~」
ジャミル「やれやれ……まだ食べるのか……」
ナジュマの言葉にジャミル君が呆れていると、パンの屋台が多いエリアに辿り着く。
マレウス「パンを扱う屋台が多いな。焼きたての香ばしい香りが食欲をそそる」
ナジュマ「この国って、パンが主食なんですよ!」
ジャミル「路肩の小さなベーカリーにも、パン焼き釜があって、焼きたてのパンを楽しめます。出来たばかりの香ばしいパンは、格別の味ですよ」
「釜焼き……やったことないから、1回やってみたいわね」
石釜で焼くピザとかお肉とか、絶対に美味しいに決まっている。
もちろん、パンもね。
ケイト「丸いパン、四角いパン、細長いパン、ふっくらしたもの、カチカチに固そうなもの……。形も大きさもトッピングも、いろんなパンがある!目移りしちゃうな~♪」
マレウス「そこには、子どもの背丈ほど大きなバゲットがあるぞ」
ケイト「うわ!ホントにデカい!」
監督生「結構長い。どうやって焼いてるの?」
ジャミル「タワーバゲットっていうんです。あれも花火大会名物なんですよ」
タワーバゲットは私の足近くまでの長さがあり、しかも焼きたてなのかまだ湯気が立っていた。
ジャミル「熱砂の国では、大きいバゲットを食べると、一生食べ物に困らないと言われています。花火大会の伝承に出てくる青年が、お腹を空かせた子どもたちに、パンを分け与えた……という伝説が、由来となっているんです。そこから祭りの日には、縁起物として多くの屋台で売られるようになりました」
監督生「さっきから思ってましたけど、伝承に出てくる話がなんで全部食べ物絡みなんですか?」
ジャミル「さぁな。俺も詳しくは知らない」
グリム「こんな大きなパン、見たことない!食べ応えがありそうなんだゾ!いただきまーす!」
伝承について話している横で、グリム君はタワーバゲットに食らいついた。
ナジュマ「あっ!1人で食べ始めちゃった……」
グリム「もぐっ……ウマい!」
最初は笑顔で食べていたグリム君だけど、小麦の味しかしないパンというのは次第に食べ飽きていく。
結果、バゲットが半分になる前にリタイアした。
ジャミル君に連れられた露店で、目的のシルキーメロンを人数分買う。
半玉を贅沢に使ったメロンは皮を器にしており、果肉はきちんと切り分けられている。
種があった窪み部分にはマスカットなどのフルーツが詰め込まれ、その上にはメロンアイスがどーんと載っていた。
トレイ「ぱくっ。うん、これはおいしい。こんなに濃厚な味のメロンは、初めて食べたかもしれない」
監督生「似たものを食べたことありますけど、このメロンはそれより上を行きますね」
マレウス「あぁ。トッピングの自家製アイスも絶品だ。メロン果汁がふんだんに使われているのがわかる」
ケイト「デコレーションも可愛いよね~♪」
「こんな味だったわ。懐かしい」
ナジュマ「なんといっても、絹の街の名物ですから!」
ケイト「ねぇねぇ!これ食べてるところ、みんなで写真撮ろうよ!」
マレウス「なぜだ?アジームの家の前で集合写真を撮ったばかりではないか」
ケイト「でもさ!このシルキーメロンって、食べると友情が続くって言われてるんでしょ?だったら、みんなでこれを持って写真を撮らなくちゃ~!#シルキーメロン #友情の証 #オレたちズッ友 みたいなカンジ?」
「いいですよ。撮りましょう」
まぁ、記念として撮りたい気持ちはわかる。
でも……協調性皆無の塊であるあの学園にいるみんなは違うようだ。
マレウス「……僕はやめておこう」
ジャミル「遠慮しておきます」
トレイ「俺も、そういうのは苦手だな」
グリム「そんなことよりアイスが溶ける前に全部食っちまわねーと!じゅるるっ、じゅるるるるっ」
予想通り、ケイト君の誘いを断った。
「ロゼッタちゃん以外、全員に拒否られた!もー、みんな素直じゃないなー」
「そういう問題ではないとおもいます」
溶け始めたアイスを食べながらそう言うと、ナジュマは不思議そうに見つめた。
ナジュマ「変なの。写真くらい写ってあげればいいのに。ねぇ、ジャミル。みんな、ケンカでもしてるの?」
ジャミル「そんなことはない。俺たちは、普段からこんな感じだ」
ナジュマ「ナイトレイブンカレッジって随分変わってる学校なんだね……」
小声で内緒話をするバイパー兄妹の横で、
「シルキーメロンの効き目が出るのは、まだまだ先みたい~」
がっくりと肩を落とすケイトさんだった。
シルキーメロンを食べ終え、みんな満足気な顔をしながらラクダバザールを歩く。
ナジュマ「シルキーメロン、おいしかった~。さ~て、次はなにをおねだりしようかな~」
ジャミル「やれやれ……まだ食べるのか……」
ナジュマの言葉にジャミル君が呆れていると、パンの屋台が多いエリアに辿り着く。
マレウス「パンを扱う屋台が多いな。焼きたての香ばしい香りが食欲をそそる」
ナジュマ「この国って、パンが主食なんですよ!」
ジャミル「路肩の小さなベーカリーにも、パン焼き釜があって、焼きたてのパンを楽しめます。出来たばかりの香ばしいパンは、格別の味ですよ」
「釜焼き……やったことないから、1回やってみたいわね」
石釜で焼くピザとかお肉とか、絶対に美味しいに決まっている。
もちろん、パンもね。
ケイト「丸いパン、四角いパン、細長いパン、ふっくらしたもの、カチカチに固そうなもの……。形も大きさもトッピングも、いろんなパンがある!目移りしちゃうな~♪」
マレウス「そこには、子どもの背丈ほど大きなバゲットがあるぞ」
ケイト「うわ!ホントにデカい!」
監督生「結構長い。どうやって焼いてるの?」
ジャミル「タワーバゲットっていうんです。あれも花火大会名物なんですよ」
タワーバゲットは私の足近くまでの長さがあり、しかも焼きたてなのかまだ湯気が立っていた。
ジャミル「熱砂の国では、大きいバゲットを食べると、一生食べ物に困らないと言われています。花火大会の伝承に出てくる青年が、お腹を空かせた子どもたちに、パンを分け与えた……という伝説が、由来となっているんです。そこから祭りの日には、縁起物として多くの屋台で売られるようになりました」
監督生「さっきから思ってましたけど、伝承に出てくる話がなんで全部食べ物絡みなんですか?」
ジャミル「さぁな。俺も詳しくは知らない」
グリム「こんな大きなパン、見たことない!食べ応えがありそうなんだゾ!いただきまーす!」
伝承について話している横で、グリム君はタワーバゲットに食らいついた。
ナジュマ「あっ!1人で食べ始めちゃった……」
グリム「もぐっ……ウマい!」
最初は笑顔で食べていたグリム君だけど、小麦の味しかしないパンというのは次第に食べ飽きていく。
結果、バゲットが半分になる前にリタイアした。