スケアリー・モンスターズ

ユウSIDE


ゴーストからのまさかのお願いに、私たちが目を丸くしていると、彼らは慌てて一歩(?)下がった。

「や、やや、やっぱりダメだよなあ!?」

「そうだよねぇ。あんな騒動があった後なのに……俺たちちょっと図々しかったかな」

ジェイド「ゴーストさん……そんなの、いいに決まっているじゃありませんか」

ヴィル「とびきりのポーズで写ってあげる。ハロウィーン限定のサービスよ」

2人からのまさかの了承を得られ、ゴーストたちは大きく目を見開いた。

「ええっ!い、いいのかい!?」

ヴィル「頼んでおいて断るなんてするわけないじゃない」

グリム「へへん!安心しろ。またモンスターがやってきたら……今度はオレ様が、みーんな追い払ってやるんだゾ!」

「もちろん、私も。」

ケイト「ほらね?OKしてくれるって言ったでしょ♪」

「「「みんな…………ありがとう~~~~~!」

私とグリム、そしてケイト先輩の言葉に、ゴーストたちは感激の声を上げた。

「でも・・・」

グリム「ゴーストたちどうしたんだゾ?」

「ロゼッタちゃんとも一緒に撮りたくって‥‥」

「あの子には迷惑をかけちゃったから、写真を撮ると同時に謝りたいんだ。」

ヴィル「ロゼッタならレオナと一緒に会場出ちゃったわよ?」

「そ、そんな・・・」

「電話しましょうか?」

「いいのかい!?」

「ロゼッタさんなら快く写真を撮ってくれると思うよ。ええっと・・・ロゼッタさんの番g『オレ様がかけるんだゾ!』ちょっと!!」

グリムが私の携帯を奪い取って、ロゼッタさんに電話をかけた。

ロゼッタ『もしもし、ユウ?』

レオナ「草食動物からか?」

電話口からレオナ先輩の声も聞こえる。一緒にいるのだろう。早くグリムから電話を取り返さなければ!!

ロゼッタ『ええ』

グリム「ロゼッタ、オレ様達と一緒に写真を撮るんだゾ!」

ロゼッタ『写真?』

「すみません、私が電話をしようとしたらグリムが勝手に…。ゴーストたちが、私やヴィル先輩たちと写真を撮りたいって言ってるんです。無理にとは言えませんが…」

ロゼッタ『行くわ。どこら辺にいるのかしら?』

「パーティー会場にいます。」

ロゼッタ『わかったわ。すぐに行くから』

ロゼッタさんはそういって電話を切った。転移魔法を使ったのか、数分でロゼッタさんが到着した。

ロゼッタ「お待たせ」

「ロゼッタちゃん…その‥」

ロゼッタ「どうかしたんですか?ゴーストさん」

「「ごめんよ~~」」

ロゼッタ「え?」

「ロゼッタちゃんに迷惑ばかりかけちゃって…」

ロゼッタ「そんなことありませんよ。私、こんなに楽しいハロウィーンは初めてです」

「え?」

ロゼッタ「幼いころのことは覚えていませんし…エリーゼとしてのハロウィーンの思い出にもいいものはありませんでした…・確かに、追いかけられたことは怖かったですけど、それ以上に楽しいという思いの方が強いんです。だから‥謝らないでください」

「ロゼッタちゃん…」

ヴィル「さて、悲しい話は終わりにしましょう。じゃ、写真を撮りましょう。ハロウィーンパーティーは始まったばかり。このあともたくさんのゲストをおもてなししなきゃ」

「そうだね!さあみんな、ぎゅうっと寄って寄って!」

ジェイド「ゴーストさん、僕たちかぶっていませんか?」

「透けるから大丈夫でしょ!」

ヴィル「そういう問題なのかしら」

ゴーストたちに促され、ぎゅっと詰める私たち。

グリム「オイ、ユウ!オレ様が一番目立つように持ち上げるんだゾ!」

「はいはい。どうせ真ん中にいるんだから、十分目立ってるよ」

グリムを抱っこしながら言うと、「それもそうだな!」と納得する。
ゴーストはスマホを魔法で浮かせると、レンズをこちらに向けさせた。

「準備はいいかのう?レンズをしっかり見ておくれ」

「いくよぉ~。……せーのっ!」

「「「ハッピーハロウィーン!」」」

お決まりとなった合言葉を言った直後、スマホからフラッシュが焚かれる。
画面には私たちとゴーストたち、そして誰よりも目立つポーズを取ったグリムが写っていた。


こうして、この世界で初めてのハロウィーンは、ナイトレイヴンカレッジらしい賑やかで騒々しい7日間を迎えたのだった――――
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