スケアリー・モンスターズ
2年生たちが多く集まるテーブルで、1人の女性がリドルに話しかけていた。
「すみません……」
リドル「はい。なにかお困りですか?」
「いえ、あの会場の端っこに座ってる人……具合が悪いんじゃないかと心配になって……」
シルバー「ぐう……ぐう……」
リドル「……はあ」
女性の視線の先にいるのは、目を閉じているシルバー。
その様子を見て、リドルは「またか」と反応を見せる。
リドル「彼は寝ているだけなのでご心配はいりません。お気遣いありがとうございます」
リドルの言葉に女性が安心して離れると同時に、リドルはそのままシルバーの元へ行く。
リドル「……こら、シルバー。こんなところで眠ってるなんて、女王の法律以前にマナー違反だよ!」
シルバー「はっ!せっかくのハロウィーンなのに寝てしまっていた……」
リドルの声に反応し、シルバーは目を開ける。
彼の眠り癖は知っているが、まさかこんな場所でも発揮するなどもはや添付の才能だ。
リドル「まったく……こんな賑やかな中で眠れるなんてキミぐらいのものだ」
シルバー「すまない。腹がいっぱいになって、つい」
呆れるリドルとしょんぼりするシルバーの横で、ジェイドが俊敏な動きでゲストの相手をしていた。
ジェイド「空いたグラスをお下げします」
ジェイド「あちらのテーブルには野菜のみを使用した料理がございますよ」
ジェイド「……写真ですか?もちろん喜んで。はいポーズ」
パシャッとフラッシュが光るのを見ながら、シルバーは感心しながら言った。
シルバー「ジェイドはずっと客人の相手をしているのか。すごい体力だ……俺も鍛錬をつまなければ」
リドル「彼は好きでやっているんだろうけど。それにしたってこの7日間は大変だったというのに……」
シルバーとリドルが感心しながら言っていると、フロイドがジェイドに近づいた。
フロイド「ジェイドぉ~。他人の面倒とかどーでもいいから飯食おうよ~」
ジェイド「ですがホスト役として、ゲストの皆様をおもてなししなければ」
フロイド「他にも運営委員はいっぱいるし、みんなで交代でやってるから大丈夫だっつーの。最後くらいめんどくせー仕事は他のヤツに押し付けて、楽しもーよ」
リドル「それもどうかと思うけど……」
フロイドの言い分にリドルは苦い顔をしながらも言った。
リドル「ジェイド。ハロウィーンの間は働き通しだったろう?最後のパーティーくらい、楽しむべきだよ。キミ、さっきからなにも食べていないじゃないか。こっちに座って、食事をとったらどうだい?」
ジェイド「これはこれは……優しい学友に恵まれて、ありがたいことです」
そうほほ笑むジェイドの横で、フロイドがリドルの方を見つめながら言った。
フロイド「ジェイドに偉そうなこと言ってるけどさぁ、金魚ちゃんもちょびっとしか食べてないじゃん。本物の金魚でも、もっと食うんじゃね?そんなんじゃおっきくなれないよぉ~」
リドル「なっ……ボクは1日に必要なカロリーは過不足なく摂取している!」
フロイド「カフソクナクセッシュ、とかそーゆーの今日はいいんだって。美味しいもんいっぱい食べたら、プリプリ怒りっぽいのも治まるかもよ。あはっ」
リドル「今なんとお言いだい……!?」
フロイドの言葉にリドルが顔を真っ赤にしながら怒ろうとした直後、
ラギー「そうッスよ~、リドルくん!!飯っていうのは食える時にだけ食っとかないと!遠慮してたら大損ッス!」
大量の料理を持ったラギーが現れた。
シルバー「ラギー……山盛りの皿を一度に7枚も持てるなんてすごいな」
ラギー「おっ、カリムくん!今食ってるその高そ~なお肉どこのテーブルにあった?」
カリム「ん?入り口の近くにあったぜ!」
ラギー「サンキュー!オレもとってこよーっと」
まだ食べる気でいるラギーは、7枚の皿を器用に持ちながら言った。
ラギー「リドルくんも一緒に行きましょ。このメシのために今日まで頑張ってきたんじゃないスか。魚も肉もデザートも全部タダで食い放題!あ~、ハロウィーンって最高ッスわ」
シルバー「デザートといえば、奥のテーブルにあった青いケーキは美味しかった」
リドル「ケーキ……ハッ!ごほん。いや、ボクは満腹だから遠慮しておく」
一瞬ケーキで揺らいだが、すぐに持ち直すリドル。
しかし、そこは簡単に問屋が卸さない。
フロイド「デザートは別腹ってゆ~じゃん♪オレも食べたーい。クラゲちゃん案内してぇ」
シルバー「承知した」
ラギー「オレも行くッス!今日は腹がはち切れるほど食ってやるッスよ~!シシシッ!」
フロイド「ジェイドのぶんも料理取ってくからそのへんに座って待ってなよ」
ジェイド「ふふ……。ではお言葉に甘えて。フロイドがどんなメニューを持ってきてくれるのか楽しみにしていますね」
フロイド「おっけ~。ほら行こ、金魚ちゃん!」
リドル「だからっ、フロイド!そんなに引っ張るんじゃ……ああもう!」
フロイドに手を取られそのまま連行されるリドルを、ジェイドは笑顔で見送るのだった。
「すみません……」
リドル「はい。なにかお困りですか?」
「いえ、あの会場の端っこに座ってる人……具合が悪いんじゃないかと心配になって……」
シルバー「ぐう……ぐう……」
リドル「……はあ」
女性の視線の先にいるのは、目を閉じているシルバー。
その様子を見て、リドルは「またか」と反応を見せる。
リドル「彼は寝ているだけなのでご心配はいりません。お気遣いありがとうございます」
リドルの言葉に女性が安心して離れると同時に、リドルはそのままシルバーの元へ行く。
リドル「……こら、シルバー。こんなところで眠ってるなんて、女王の法律以前にマナー違反だよ!」
シルバー「はっ!せっかくのハロウィーンなのに寝てしまっていた……」
リドルの声に反応し、シルバーは目を開ける。
彼の眠り癖は知っているが、まさかこんな場所でも発揮するなどもはや添付の才能だ。
リドル「まったく……こんな賑やかな中で眠れるなんてキミぐらいのものだ」
シルバー「すまない。腹がいっぱいになって、つい」
呆れるリドルとしょんぼりするシルバーの横で、ジェイドが俊敏な動きでゲストの相手をしていた。
ジェイド「空いたグラスをお下げします」
ジェイド「あちらのテーブルには野菜のみを使用した料理がございますよ」
ジェイド「……写真ですか?もちろん喜んで。はいポーズ」
パシャッとフラッシュが光るのを見ながら、シルバーは感心しながら言った。
シルバー「ジェイドはずっと客人の相手をしているのか。すごい体力だ……俺も鍛錬をつまなければ」
リドル「彼は好きでやっているんだろうけど。それにしたってこの7日間は大変だったというのに……」
シルバーとリドルが感心しながら言っていると、フロイドがジェイドに近づいた。
フロイド「ジェイドぉ~。他人の面倒とかどーでもいいから飯食おうよ~」
ジェイド「ですがホスト役として、ゲストの皆様をおもてなししなければ」
フロイド「他にも運営委員はいっぱいるし、みんなで交代でやってるから大丈夫だっつーの。最後くらいめんどくせー仕事は他のヤツに押し付けて、楽しもーよ」
リドル「それもどうかと思うけど……」
フロイドの言い分にリドルは苦い顔をしながらも言った。
リドル「ジェイド。ハロウィーンの間は働き通しだったろう?最後のパーティーくらい、楽しむべきだよ。キミ、さっきからなにも食べていないじゃないか。こっちに座って、食事をとったらどうだい?」
ジェイド「これはこれは……優しい学友に恵まれて、ありがたいことです」
そうほほ笑むジェイドの横で、フロイドがリドルの方を見つめながら言った。
フロイド「ジェイドに偉そうなこと言ってるけどさぁ、金魚ちゃんもちょびっとしか食べてないじゃん。本物の金魚でも、もっと食うんじゃね?そんなんじゃおっきくなれないよぉ~」
リドル「なっ……ボクは1日に必要なカロリーは過不足なく摂取している!」
フロイド「カフソクナクセッシュ、とかそーゆーの今日はいいんだって。美味しいもんいっぱい食べたら、プリプリ怒りっぽいのも治まるかもよ。あはっ」
リドル「今なんとお言いだい……!?」
フロイドの言葉にリドルが顔を真っ赤にしながら怒ろうとした直後、
ラギー「そうッスよ~、リドルくん!!飯っていうのは食える時にだけ食っとかないと!遠慮してたら大損ッス!」
大量の料理を持ったラギーが現れた。
シルバー「ラギー……山盛りの皿を一度に7枚も持てるなんてすごいな」
ラギー「おっ、カリムくん!今食ってるその高そ~なお肉どこのテーブルにあった?」
カリム「ん?入り口の近くにあったぜ!」
ラギー「サンキュー!オレもとってこよーっと」
まだ食べる気でいるラギーは、7枚の皿を器用に持ちながら言った。
ラギー「リドルくんも一緒に行きましょ。このメシのために今日まで頑張ってきたんじゃないスか。魚も肉もデザートも全部タダで食い放題!あ~、ハロウィーンって最高ッスわ」
シルバー「デザートといえば、奥のテーブルにあった青いケーキは美味しかった」
リドル「ケーキ……ハッ!ごほん。いや、ボクは満腹だから遠慮しておく」
一瞬ケーキで揺らいだが、すぐに持ち直すリドル。
しかし、そこは簡単に問屋が卸さない。
フロイド「デザートは別腹ってゆ~じゃん♪オレも食べたーい。クラゲちゃん案内してぇ」
シルバー「承知した」
ラギー「オレも行くッス!今日は腹がはち切れるほど食ってやるッスよ~!シシシッ!」
フロイド「ジェイドのぶんも料理取ってくからそのへんに座って待ってなよ」
ジェイド「ふふ……。ではお言葉に甘えて。フロイドがどんなメニューを持ってきてくれるのか楽しみにしていますね」
フロイド「おっけ~。ほら行こ、金魚ちゃん!」
リドル「だからっ、フロイド!そんなに引っ張るんじゃ……ああもう!」
フロイドに手を取られそのまま連行されるリドルを、ジェイドは笑顔で見送るのだった。