ゴーストマリッジ

エース君の問いかけに生徒達がお義父様に目を向ける。すると、オルト君が経緯を説明しようと名乗り出た。

リドル「なるほど。花嫁のゴーストが探していた理想の王子さま。それがイデア先輩だった…というんだね?」

「そういうことです」

レオナさんに後ろから抱きしめられたまま、リドル君の質問に答える。なんともシュールな光景だ。ユウに助けを求めたけど、口パクでファイトといわれてしまった…

私が肯定の返事をした瞬間、みんな一斉に笑い出した

エース「イデア先輩が理想の王子さまって…ぷはっ!本気かよ!」

ケイト「花嫁ちゃん、サイコーに見る目あるね!」

アズール「イデアさん、こんな時に限って部屋を出るなんて本当に面白…可哀そうな人だ」

クロウリー・ロゼッタ「「笑い事じゃありません!」」

笑っていた皆を一括する。

「ゴーストの花婿に選ばれることがどのような意味を持つか、皆さんご存じないんですね?」

デュース「どうしたんですか学園長、ロゼッタさん。怖い顔をして」

「亡くなった方と、生きている人が結婚なんてできるわけがありません」

クロウリー「そう。ゴーストとの結婚。それは”死者と永遠に連れ添う”という契約を結ぶこと・つまり、彼女の花婿になれば…」

監督生「花婿になれば?」

クロウリー「魂を抜かれてあの世いきです!!!」

予想外の結果だったのか、笑っていた全員、笑みを引っ込め「ええええ!?」と声を上げる。

クロウリー「花嫁のお眼鏡にかなう花婿は存在するはずもないと思って、油断していました」

オルト「に、兄さんがゴーストになっちゃう!?」

監督生「穏やかじゃなくなってきた・・」

オルト「そんなのだめ!学園長お願い。兄さんを助けて!」

クロウリー「もちろんです。仲間の命っがピンチとあれば、ここにいる優しい皆さんがシュラウド君を助けに…」

「「いやだ/いやです」」

監督生「息ぴったり!?」

オルト「なんで?みんな力を貸してよ!」

ヴィル「普段は人を避けておいて、困ったときだけ頼るなんて。ムシが良すぎるでしょう。」

レオナ「自分の”兄貴”の問題だろうが。テメエ1人で何とかしろ」

「オルト君1人じゃ無理ですよ…皆さん、お願いします。助けてに行きましょう?」

私が説得しようと試みるが、ぶれない

オルト「…ロゼッタさん、ありがとう。もういいよ僕1人で十分だもん」

「え、オルト君?」

カリム「おいおい、お前1人でなんで無理に決まって…」

私とカリム君がムスっとしたオルト君に近づこうとした時…

オルト君の無機質な声が聞こえてきた

オルト「『イデア・シュラウド奪還パターンをシミュレーション中。条件:救出時間を最優先』」

「え?」

監督生「・・オ、オルト君?いったい何を…」

オルト『・・シミュレーションが正常に完了しました。これより作戦を実行します。魔導エネルギー充填中。照準をナイトレイ分カレッジ本校舎に設定』

それはまずい…止めさせないと…

オルト『魔導ビーム発射5秒前、5・・4・・・3・・』

「オルト君、ストップ!!!」

クロウリー「やめてくださーい!!」

クロウリー「伝統ある我が校を粉々にするつもりですか!?魔導ビームは禁止です!」

「ゴーストだけじゃなくって、イデアさんまで吹き飛んじゃうわ!!」

オルト「だって、みんなが手伝ってくれないなら、こうするしかないもん!」

「私はやらないとは言ってないわよ」

オルト「ロゼッタさん、手伝ってくれるの?」

「できることは少ないかもしれないけれど…やれるだけのことはするつもりよ」

私がそういうと、俯いていたオルト君の顔が明るくなり「ありがとう」と私に抱きつく。私が抱きしめ返そうとしたら、レオナさんがその手を握り締めて離さない

そのあと、お義父様にも脅しのような要求を受け、イデアさんを助けることになったのだった…
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