スケアリー・モンスターズ
ユウSIDE
ゲストの波がある程度引いて、遅めの昼食を取り終えた頃。
ロゼッタ「こんにちは。ユウ」
「ロゼッタさん!!」
グリム「熱はもう大丈夫なんだゾ?」
ロゼッタ「ええ。良くなったわ。心配してくれてありがとう」
そして、ロゼッタさんの次にオンボロ寮にやってきたケイト先輩たちからある吉報を聞いた。
「ハロウィーンパーティーが開けるのかい!?」
「「「よかったよぉ~~~~~!」」」
グリム「にゃっはー、パーティーだ!うめぇ飯が食えるんだゾ!ユウ!オンボロ寮の皿をありったけ持ってこい!飯を持ち帰れるだけ持ち帰るんだゾ!」
「無理に決まってるでしょ!……図々しくてすみません」
横取りする気満々のグリムの頭を軽く小突き、頭を下げる。
だけどケイト先輩たちは気にしない様子だった。
ケイト「そんなに楽しみにしてもらえて嬉しいよ」
ヴィル「……でもパーティーの前に、アンタたちにはもう一働きしてもらうわよ」
グリム「はあ~~~~!?まだなんかあんのか?」
ジェイド「働かざる者食うべからず、と言いますからね」
なんでだろう……ジェイド先輩が言うとすごく釈然としない。
監督生「それで、なんの仕事をするんですか?」
グリム「パーティー会場の椅子並べか?皿運び?それとも食器磨き?……あっ、料理の味見なら喜んでするんだゾ!」
監督生「最後はないと思う」
ケータリング料理の味見って、絶対いらないし。
「「「ふふふ……」」」
しかし、ケイト先輩たちは何故かにやけ始めた。
グリム「ん?なんだオマエら。そのにやけ顔は」
ヴィル「アンタたちに頼みたいのはもっとスペシャルな仕事」
「スペシャル?」
ロゼッタ「ユウはこれを着て参加してちょうだい」
「え?これって……」
突然大きな箱を手渡され、中身を見た私は大きく目を見開いた。
あのままケイト先輩たちに言われた通り正門まで行った私たちは、そこにいる人たちを見て目を丸くした。
グリム「ふなっ?学園のヤツらが正門のところに集まってるんだゾ。一体なにを始めるつもりなんだ?」
ケイト「グリちゃん、監督生ちゃん。こっち、こっち」
デュース「えっ!?監督生、その恰好は……!?」
近くにいるデュースが目を見開き、ジャックはぽかんと口を開けている。
他のみんなも私の恰好に気付き、同じ反応を見せている。
それもそのはず。
今の私の恰好は、紫と黒を基調とした、華やかなドレス。裾の刺繍は金で、頭にはとんがり帽子。
ヴィル先輩いわく、『魔女のお姫様のゴーストの仮装』らしい。
なんでも後にゴーストの仮装って付ければいいものではないと思うけど。
「これ?ケイト先輩たちに渡されたから着たんだけど……変?」
デュース「い、いや、そんなことはない!すっげー似合ってる!!」
「ならいいけど」
ロゼッタ「早くこっちに来て」
グリム「えっ?なんだ、なんだ?」
ロゼッタさんに促され、集団の中央へと行く。
ロゼッタ「ゴーストさんたちもこちらへ。各自キャンディバスケットは持った?」
ジェイド「皆さん、準備はよろしいですか?出発のお時間です」
「しゅ、出発?」
ヴィル「ナイトレイヴンカレッジのハロウィーンウィークを楽しんでくれたゲストに、スペシャルサプライズよ」
サプライズ?と首を傾げた直後、“それ”は始まった。
「――さあ、はじめましょう!」
「「「ハッピーハロウィーン!!」」」
ヴィル「今日のナイトレイカレッジは一味違うわ」
ケイト「ハロウィーンには、人間も妖精もゴーストも関係なし!」
ジェイド「とびきりのおもてなしをあなたに。素敵なハロウィーンを過ごしましょう」
ロゼッタ「悪いことなんて忘れて、楽しみましょう」
私たちが乗ったのは、海賊船のフロート。
ジャック・オ・ランタンだけでなく城や墓、ドラゴン、満月、蝙蝠、そしてカラスと見覚えのあるモチーフで飾られている。
グリムはそのカラスの上に立って飛び跳ねており、私はケイト先輩とジェイド先輩の間に立っている。
その横をゴーストが先行し、仮装をしたディアソムニア、スカラビア、サバナクロー、イグニハイドがキャンディを投げ渡しながら行進する。
ヴィル「甘いキャンディを召し上がれ」
ケイト「Boo!なーんて、驚いた?オレと一緒に素敵な夜を楽しもっ♪」
ジェイド「どうぞ一歩前に。近くでパレードをお楽しみください」
ロゼッタ「お菓子をもらう合言葉は何だったかしら?」
次にハーツラビュル、オクタヴィネル、ポムフィオーレが登場し、フロートと共に一緒に行進する。
私もみんなに倣ってバスケットからキャンディを投げた。
ヴィル「アタシの虜になった?今宵はハロウィーン!特別な夜よ」
ケイト「いいカンジに撮れた?後で見せてね」
ジェイド「不気味で、恐ろしく、楽しい夜を…」
ロゼッタ「今宵はあなた達を不可思議な世界へ誘いましょう」
その時、4人がこちらを見た。
その視線の意図に察し、私も言った。
「どうか、あなたにとって忘れられない日になりますように」
「「「「ハッピーハロウィーン!」」」」
そして、あの合言葉で締めくくった瞬間、歓声が起きた。
ゲストの波がある程度引いて、遅めの昼食を取り終えた頃。
ロゼッタ「こんにちは。ユウ」
「ロゼッタさん!!」
グリム「熱はもう大丈夫なんだゾ?」
ロゼッタ「ええ。良くなったわ。心配してくれてありがとう」
そして、ロゼッタさんの次にオンボロ寮にやってきたケイト先輩たちからある吉報を聞いた。
「ハロウィーンパーティーが開けるのかい!?」
「「「よかったよぉ~~~~~!」」」
グリム「にゃっはー、パーティーだ!うめぇ飯が食えるんだゾ!ユウ!オンボロ寮の皿をありったけ持ってこい!飯を持ち帰れるだけ持ち帰るんだゾ!」
「無理に決まってるでしょ!……図々しくてすみません」
横取りする気満々のグリムの頭を軽く小突き、頭を下げる。
だけどケイト先輩たちは気にしない様子だった。
ケイト「そんなに楽しみにしてもらえて嬉しいよ」
ヴィル「……でもパーティーの前に、アンタたちにはもう一働きしてもらうわよ」
グリム「はあ~~~~!?まだなんかあんのか?」
ジェイド「働かざる者食うべからず、と言いますからね」
なんでだろう……ジェイド先輩が言うとすごく釈然としない。
監督生「それで、なんの仕事をするんですか?」
グリム「パーティー会場の椅子並べか?皿運び?それとも食器磨き?……あっ、料理の味見なら喜んでするんだゾ!」
監督生「最後はないと思う」
ケータリング料理の味見って、絶対いらないし。
「「「ふふふ……」」」
しかし、ケイト先輩たちは何故かにやけ始めた。
グリム「ん?なんだオマエら。そのにやけ顔は」
ヴィル「アンタたちに頼みたいのはもっとスペシャルな仕事」
「スペシャル?」
ロゼッタ「ユウはこれを着て参加してちょうだい」
「え?これって……」
突然大きな箱を手渡され、中身を見た私は大きく目を見開いた。
あのままケイト先輩たちに言われた通り正門まで行った私たちは、そこにいる人たちを見て目を丸くした。
グリム「ふなっ?学園のヤツらが正門のところに集まってるんだゾ。一体なにを始めるつもりなんだ?」
ケイト「グリちゃん、監督生ちゃん。こっち、こっち」
デュース「えっ!?監督生、その恰好は……!?」
近くにいるデュースが目を見開き、ジャックはぽかんと口を開けている。
他のみんなも私の恰好に気付き、同じ反応を見せている。
それもそのはず。
今の私の恰好は、紫と黒を基調とした、華やかなドレス。裾の刺繍は金で、頭にはとんがり帽子。
ヴィル先輩いわく、『魔女のお姫様のゴーストの仮装』らしい。
なんでも後にゴーストの仮装って付ければいいものではないと思うけど。
「これ?ケイト先輩たちに渡されたから着たんだけど……変?」
デュース「い、いや、そんなことはない!すっげー似合ってる!!」
「ならいいけど」
ロゼッタ「早くこっちに来て」
グリム「えっ?なんだ、なんだ?」
ロゼッタさんに促され、集団の中央へと行く。
ロゼッタ「ゴーストさんたちもこちらへ。各自キャンディバスケットは持った?」
ジェイド「皆さん、準備はよろしいですか?出発のお時間です」
「しゅ、出発?」
ヴィル「ナイトレイヴンカレッジのハロウィーンウィークを楽しんでくれたゲストに、スペシャルサプライズよ」
サプライズ?と首を傾げた直後、“それ”は始まった。
「――さあ、はじめましょう!」
「「「ハッピーハロウィーン!!」」」
ヴィル「今日のナイトレイカレッジは一味違うわ」
ケイト「ハロウィーンには、人間も妖精もゴーストも関係なし!」
ジェイド「とびきりのおもてなしをあなたに。素敵なハロウィーンを過ごしましょう」
ロゼッタ「悪いことなんて忘れて、楽しみましょう」
私たちが乗ったのは、海賊船のフロート。
ジャック・オ・ランタンだけでなく城や墓、ドラゴン、満月、蝙蝠、そしてカラスと見覚えのあるモチーフで飾られている。
グリムはそのカラスの上に立って飛び跳ねており、私はケイト先輩とジェイド先輩の間に立っている。
その横をゴーストが先行し、仮装をしたディアソムニア、スカラビア、サバナクロー、イグニハイドがキャンディを投げ渡しながら行進する。
ヴィル「甘いキャンディを召し上がれ」
ケイト「Boo!なーんて、驚いた?オレと一緒に素敵な夜を楽しもっ♪」
ジェイド「どうぞ一歩前に。近くでパレードをお楽しみください」
ロゼッタ「お菓子をもらう合言葉は何だったかしら?」
次にハーツラビュル、オクタヴィネル、ポムフィオーレが登場し、フロートと共に一緒に行進する。
私もみんなに倣ってバスケットからキャンディを投げた。
ヴィル「アタシの虜になった?今宵はハロウィーン!特別な夜よ」
ケイト「いいカンジに撮れた?後で見せてね」
ジェイド「不気味で、恐ろしく、楽しい夜を…」
ロゼッタ「今宵はあなた達を不可思議な世界へ誘いましょう」
その時、4人がこちらを見た。
その視線の意図に察し、私も言った。
「どうか、あなたにとって忘れられない日になりますように」
「「「「ハッピーハロウィーン!」」」」
そして、あの合言葉で締めくくった瞬間、歓声が起きた。