スケアリー・モンスターズ

「みんなでパンプキン騎士のロボットを作ったかいがありましたな!」

「地獄の炎と、ツタが飛び出すプロジェクションマッピング“改”……イグニハイド寮生が総力を上げて1日で作った力作です!」

イグニハイド寮は魔導工学に秀でている生徒が多い。
彼らの手にかかれば、1日でパンプキン騎士のロボットもプロジェクションマッピング“改”も作ることができる。
陰キャだってやる時はやるのだ。

「うんうん。本物そっくりのクオリティ、最高でしたぞ~!……さすがに僕1人じゃ、ロボもプロジェクションマッピングも準備するのは、、無理だっただろうな……」

たとえイデアが魔導工学の天才でも、1人ですべての作業をこなすのはできない。
この作戦が実現できたのは、オルトや自分を慕ってくれる寮生たちのおかげだ。

「みんな……お疲れ様」

「「はい!」」

寮長の労いの言葉に、寮生たちは嬉しそうに頷いた。

「はあ……それにしても今日はたくさんしゃべった。対面じゃなかったとはいえ陽キャの相手をするのは疲れますわ……ロゼッタ氏のためにも頑張りましたな。」

「えっ……に、兄さん?もしかして『疲れたからもう部屋に戻る』なんて言うんじゃ……」

「ひひひっ。まさか!年に一度のハロウィーンですぞ?ここまで散々クロウさせられたんだ。最後まで……『パンプキン・ホロウ』のすばらしさを広めさせてやりますわ!ロゼッタ氏にもまだこの魅力を伝えきれていないですからな。」

オルトの懸念が消えるように言ったイデアは、恒例の言葉を言った、

「ハッピーハロウィーン!」

「「「ハッピーハロウィーン!」」」

普段静かな図書室に、イグニハイド寮生たちの笑い声が響いた。
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