スケアリー・モンスターズ
スカラビア寮のスタンプラリー会場・購買部ことミステリーショップ。
今日も店主のサムの声が響いた。
「はいはい、本日の営業は終了だよ!……はあ。今日も大変な1日だった」
最後にため息を吐いて『Close』の札をかけて室内へ入ったサム。
その入り口から少し離れた道で、ゲストがワッフルを持っていた。
「無事に『ナイトレイヴンカレッジワッフル』買えてよかった」
「並んだかいがあって、めちゃくちゃ可愛い!早く撮ってマジカメにアップしよう」
「「せーのっ」」
買ったばかりのワッフルを持ったまま自撮り写真を撮るゲストたち。
そのままマジカメを開き、ハッシュタグをつけていく。
「『#ハロウィーン最高! #NRC来てるよ #4時間待ち #いただきます #ダイエットは明日から』……よし、投稿!ワッフルと一緒に可愛く自撮りできたね」
「……ところでさ、お腹空いてる?」
「それが実は……全然空いてないんだよね」
「僕も!それじゃあ捨てるしかないか。写真撮るって目的は果たしたし!」
食べ物を捨てるという非常識的な行為を平気でしようとするゲストたちは、すぐさまゴミ箱を探し始める。
「ええっとゴミ箱は……あれっ、蓋がしてある」
しかし見つけたゴミ箱は厳重に蓋がされていて、その近くには『ゴミは各自で持ち帰ってください』の看板。
それを見て、ゲストたちは表情を曇らせる。
「ゴミ捨て禁止かあ。でもお腹いっぱいだし、持ち歩くのは大変だし……」
「みんなそこら辺に捨ててるじゃん。いいっていいって、捨てちゃおう!」
「そうだね、みんなやってるしいいか!」
赤信号はみんなで渡れば怖くない論で買ったばかりのワッフルを捨てるゲストたち。
それを物陰から見ていた寮生たちは声を上げた。
「あっ。あいつら看板を無視して地面に食べ物を捨てました!お客さんじゃなく、マジカルモンスター確定です!」
「寮長……。ハロウィーンを台無しにするモンスターをこらしめてやってください!ロゼッタさんのためにも!!」
「おうっ、まかせとけ。オレがばっちり注意して、楽しいハロウィーンを過ごせるようにするからな!」
意外と物騒なセリフを吐いた寮生を無視したカリムは、元気よく返事をした。
「みんなは作戦通り、オレのところにアイツらが来るように追い込んでくれ」
「わかっている。お前こそ、隠れているところを見つからないように気を付けろよ」
「おう!それじゃあ作戦開始だ」
「「おー!」」
寮生の声にカリムは軽く笑いそのまま所定の位置に行く。
その後ろ姿をジャミルたちは不安そうに見つめた。
「……とは言ったものの……。本当にこの作戦で大丈夫なんだろうか」
一抹の不安を抱くながらも、ジャミルたちは作戦を実行するために動いた。
買ったばかりのワッフルを捨てたマジカメモンスターたちは、歩きスマホをしながら自分が投稿したマジカメを見ていた。
「あっ、すごい!さっきアップしたばっかりなのにワッフルの写真にもう20いいねもついてる。『羨ましい』ってコメントついてるよ。やっぱ限定品は映えるよね」
「そうそう。大切なのは味より見た目……うわっ!?」
隣を歩いていた片割れが悲鳴を上げたのを見て、足を止めて首を傾げる。
「どうしたの?」
「い、今……足になんか『フサッ』って感触が」
「え?生えてる草が当たったとかじゃない……ひっ!」
そう言った直後、もう1人の足にもフサッとした感触が襲った。
「わ、私の足元にもなにかがまとわりついてくる!暗くてよく見えない、一体なに!?」
「柔らかくて、ふさふさしてて、クネクネ曲がって……」
「アオーン!」
マジカルモンスターたちが戸惑い始めた直後、どこかで遠吠えが聞こえた。
「えっ。なに今の……鳴き声?」
「グルルルル……」
「それに大きな唸り声……もしかして、犬?」
鳴き声の正体に疑問を抱き始めた直後、購買部から血相を変えたジャミルたちが走って来た。
「うわーっ!助けてくれ!」
「えっ、ナイトレイブンカレッジの生徒!?どうしたんですか!」
「おっ……お……狼男が!狼男が出たんだ!!」
「……え、狼男?ってことはもしかして、さっきのふさふさって……狼男の尻尾!?」
自分の足元に触れた物の正体を察し顔を青くするマジカルモンスター。
だが、もう1人は信じられないのか声を上げる。
「まさか!ここって学校の中でしょ?どうして狼男が出るの?」
「知らないのか!?この賢者の島では有名な言い伝えだといのに!」
マジカルモンスターの言葉に驚愕したジャミルは説明を始めた。
今日も店主のサムの声が響いた。
「はいはい、本日の営業は終了だよ!……はあ。今日も大変な1日だった」
最後にため息を吐いて『Close』の札をかけて室内へ入ったサム。
その入り口から少し離れた道で、ゲストがワッフルを持っていた。
「無事に『ナイトレイヴンカレッジワッフル』買えてよかった」
「並んだかいがあって、めちゃくちゃ可愛い!早く撮ってマジカメにアップしよう」
「「せーのっ」」
買ったばかりのワッフルを持ったまま自撮り写真を撮るゲストたち。
そのままマジカメを開き、ハッシュタグをつけていく。
「『#ハロウィーン最高! #NRC来てるよ #4時間待ち #いただきます #ダイエットは明日から』……よし、投稿!ワッフルと一緒に可愛く自撮りできたね」
「……ところでさ、お腹空いてる?」
「それが実は……全然空いてないんだよね」
「僕も!それじゃあ捨てるしかないか。写真撮るって目的は果たしたし!」
食べ物を捨てるという非常識的な行為を平気でしようとするゲストたちは、すぐさまゴミ箱を探し始める。
「ええっとゴミ箱は……あれっ、蓋がしてある」
しかし見つけたゴミ箱は厳重に蓋がされていて、その近くには『ゴミは各自で持ち帰ってください』の看板。
それを見て、ゲストたちは表情を曇らせる。
「ゴミ捨て禁止かあ。でもお腹いっぱいだし、持ち歩くのは大変だし……」
「みんなそこら辺に捨ててるじゃん。いいっていいって、捨てちゃおう!」
「そうだね、みんなやってるしいいか!」
赤信号はみんなで渡れば怖くない論で買ったばかりのワッフルを捨てるゲストたち。
それを物陰から見ていた寮生たちは声を上げた。
「あっ。あいつら看板を無視して地面に食べ物を捨てました!お客さんじゃなく、マジカルモンスター確定です!」
「寮長……。ハロウィーンを台無しにするモンスターをこらしめてやってください!ロゼッタさんのためにも!!」
「おうっ、まかせとけ。オレがばっちり注意して、楽しいハロウィーンを過ごせるようにするからな!」
意外と物騒なセリフを吐いた寮生を無視したカリムは、元気よく返事をした。
「みんなは作戦通り、オレのところにアイツらが来るように追い込んでくれ」
「わかっている。お前こそ、隠れているところを見つからないように気を付けろよ」
「おう!それじゃあ作戦開始だ」
「「おー!」」
寮生の声にカリムは軽く笑いそのまま所定の位置に行く。
その後ろ姿をジャミルたちは不安そうに見つめた。
「……とは言ったものの……。本当にこの作戦で大丈夫なんだろうか」
一抹の不安を抱くながらも、ジャミルたちは作戦を実行するために動いた。
買ったばかりのワッフルを捨てたマジカメモンスターたちは、歩きスマホをしながら自分が投稿したマジカメを見ていた。
「あっ、すごい!さっきアップしたばっかりなのにワッフルの写真にもう20いいねもついてる。『羨ましい』ってコメントついてるよ。やっぱ限定品は映えるよね」
「そうそう。大切なのは味より見た目……うわっ!?」
隣を歩いていた片割れが悲鳴を上げたのを見て、足を止めて首を傾げる。
「どうしたの?」
「い、今……足になんか『フサッ』って感触が」
「え?生えてる草が当たったとかじゃない……ひっ!」
そう言った直後、もう1人の足にもフサッとした感触が襲った。
「わ、私の足元にもなにかがまとわりついてくる!暗くてよく見えない、一体なに!?」
「柔らかくて、ふさふさしてて、クネクネ曲がって……」
「アオーン!」
マジカルモンスターたちが戸惑い始めた直後、どこかで遠吠えが聞こえた。
「えっ。なに今の……鳴き声?」
「グルルルル……」
「それに大きな唸り声……もしかして、犬?」
鳴き声の正体に疑問を抱き始めた直後、購買部から血相を変えたジャミルたちが走って来た。
「うわーっ!助けてくれ!」
「えっ、ナイトレイブンカレッジの生徒!?どうしたんですか!」
「おっ……お……狼男が!狼男が出たんだ!!」
「……え、狼男?ってことはもしかして、さっきのふさふさって……狼男の尻尾!?」
自分の足元に触れた物の正体を察し顔を青くするマジカルモンスター。
だが、もう1人は信じられないのか声を上げる。
「まさか!ここって学校の中でしょ?どうして狼男が出るの?」
「知らないのか!?この賢者の島では有名な言い伝えだといのに!」
マジカルモンスターの言葉に驚愕したジャミルは説明を始めた。