スケアリー・モンスターズ
「ひっ!さっきの人だ!マミーにされてる!」
「えっ、ちょい待ち……横にいるのは……」
「ふう……。このたびは僕の封印を解いてくださって誠にありがとうございます」
「さっき水槽の中から消えた人魚と同じ顔!ってことは凶悪な人魚のゴースト!?」
ジェイドの顔を見て言ったマジカメモンスター。
2人は顔は似ているが、目や髪型や仕草などの微々たる差異はある。
しかしそれを知らないマジカメモンスターたちは、水槽にいたフロイド=目の前にいるジェイドと思い込んでいた。
「だ、誰か助けて!なああんた、俺たちを逃してくれよ!」
「うー……うー……」
「無駄ですよ。彼はもう僕の操り人形。なにもかも、僕の思うがままです。そうですね?」
「ううー……」
アズールに助けを求めると、ジェイドの言葉で顔を絶望に染まらせるマジカメモンスター。
ジェイドはそのままアズールに命令を下す。
「腕を組んでください」
「うー」
「歌ってください」
「ま~♪」
「踊ってもらえますか?」
「!?……うー」
三つ目でアズールの表情が変わったが、渋々と踊り出す。
「……どうです。申し上げた通りでしょう?」
「本当だ……音楽もまいのに1人で踊ってる!不気味すぎるわ、マジこえー!」
「しかもキレッキレじゃん……あれは確実にマミーに操られてるわ」
踊るアズールを見て、完全に信じたマジカメモンスターたち。
その顔を見てジェイドが薄ら笑みを浮かべた。
「ふふふ……ですが僕が味わった苦しみはこんなものではありません。陸に引き上げられ、包帯でぐるぐる巻きにされ、日に日に体が干からびていくのを待つばかり……」
「うううー……うう―――っ!」
「こんな風に嘆いたところで誰も助けに来てくれない。とても苦しかった。絶対に、ゴーストになっても復讐をしようと心に誓いました。ですから、僕を放ってくれたあなた方にはとても感謝しています」
「じゃ、じゃあ、俺たちは見逃してもらえる……!?」
「むしろお礼をさせてください!」
「お礼……?」
助かると思った直後、ジェイドの言葉に首を傾げる。
そして彼は笑顔で言った。
「ええ。お礼に……僕たちの仲間に入れてあげましょう!Boo!」
「うわ――――っ!!前が見えないっ。ちょ、なんだこれ!包帯が絡みついてくるっ!」
「Boo!」
「離してくれ―――!!」
包帯で絡みつかれ、腕を掴まれたマジカメモンスターたち。
彼らの悲鳴と叫びが魔法薬学室だけでなく外にまで響いた。
「どうして自撮り棒なんて使っちゃったんだ!ちゃんとルールを守ればよかった!」
「マミーになるとか勘弁!許してください~~~!」
泣きべそをかきながら逃げ出すマジカメモンスターたち。
彼らは包帯が絡み付いていることに気付かないまま走り去るのを、ジェイドとアズールは始終見ていた。
「……ふふふ。ご覧ください。慌てて走ると竜で絡み付いた包帯を踏んで転んでしまっている。面白い光景ですね。思い出のために、写真に撮っておきますか?」
「ジェイド……なんださっきの『踊れ』という命令は。あんなの打ち合わせになかっただろう!」
「もちろんアドリブですよ。彼らが僕をゴーストだと信じるためにより説得力が必要かと思いまして。いい駄目押しになったでしょう?彼らもすっかり信じていました」
「お前、楽しんでるだろう」
いけしゃあしゃあとしているジェイドを睨みつけていると、人間になったフロイドと寮生たちが出てきた。
「寮長!副寮長!お疲れ様でした」
「『干からびた人魚の呪い作戦』バッチリ成功しましたね」
「みなさんもご苦労様です。照明を消すタイミング、姿を消すタイミング、包帯を魔法で飛ばすタイミング……全て完璧でしたよ」
「あははっ!アイツらヤドカリみたいにビクビクしゃって、だっせーの!『許して~』だって!謝るぐらいなら最初からすんなよ。あーあ。オレもアイツら追いかけまわしたかったな~。エンゼルちゃんにも見せてあげたかったな~♡ジェイド、次は交換して」
「いいですよ。次の機会があったら交代しましょう」
気分のいいフロイドと喜ぶ寮生たち。そして、恐怖に怯え逃げ惑うマジカメモンスターたちを思い出いし、ジェイドの顔に笑顔が浮かんだ。
「ああ……今年のハロウィーンは愉快なことばかり起こりますね。マジカメモンスターsんたちにも楽しんでいただけたならいいのですが……」
「心配いりません。きっと、一生忘れられない特別なハロウィーンになったことでしょう」
「ふふふ……思い出に残ったのならなによりです」
「「ハッピーハロウィーン!」」
「「「ハッピーハロウィーン!」」」
思い出よりトラウマといってもいいほどの恐怖を与えた2人は、恒例の合言葉と共にフロイドたちと笑い合うのだった。
「えっ、ちょい待ち……横にいるのは……」
「ふう……。このたびは僕の封印を解いてくださって誠にありがとうございます」
「さっき水槽の中から消えた人魚と同じ顔!ってことは凶悪な人魚のゴースト!?」
ジェイドの顔を見て言ったマジカメモンスター。
2人は顔は似ているが、目や髪型や仕草などの微々たる差異はある。
しかしそれを知らないマジカメモンスターたちは、水槽にいたフロイド=目の前にいるジェイドと思い込んでいた。
「だ、誰か助けて!なああんた、俺たちを逃してくれよ!」
「うー……うー……」
「無駄ですよ。彼はもう僕の操り人形。なにもかも、僕の思うがままです。そうですね?」
「ううー……」
アズールに助けを求めると、ジェイドの言葉で顔を絶望に染まらせるマジカメモンスター。
ジェイドはそのままアズールに命令を下す。
「腕を組んでください」
「うー」
「歌ってください」
「ま~♪」
「踊ってもらえますか?」
「!?……うー」
三つ目でアズールの表情が変わったが、渋々と踊り出す。
「……どうです。申し上げた通りでしょう?」
「本当だ……音楽もまいのに1人で踊ってる!不気味すぎるわ、マジこえー!」
「しかもキレッキレじゃん……あれは確実にマミーに操られてるわ」
踊るアズールを見て、完全に信じたマジカメモンスターたち。
その顔を見てジェイドが薄ら笑みを浮かべた。
「ふふふ……ですが僕が味わった苦しみはこんなものではありません。陸に引き上げられ、包帯でぐるぐる巻きにされ、日に日に体が干からびていくのを待つばかり……」
「うううー……うう―――っ!」
「こんな風に嘆いたところで誰も助けに来てくれない。とても苦しかった。絶対に、ゴーストになっても復讐をしようと心に誓いました。ですから、僕を放ってくれたあなた方にはとても感謝しています」
「じゃ、じゃあ、俺たちは見逃してもらえる……!?」
「むしろお礼をさせてください!」
「お礼……?」
助かると思った直後、ジェイドの言葉に首を傾げる。
そして彼は笑顔で言った。
「ええ。お礼に……僕たちの仲間に入れてあげましょう!Boo!」
「うわ――――っ!!前が見えないっ。ちょ、なんだこれ!包帯が絡みついてくるっ!」
「Boo!」
「離してくれ―――!!」
包帯で絡みつかれ、腕を掴まれたマジカメモンスターたち。
彼らの悲鳴と叫びが魔法薬学室だけでなく外にまで響いた。
「どうして自撮り棒なんて使っちゃったんだ!ちゃんとルールを守ればよかった!」
「マミーになるとか勘弁!許してください~~~!」
泣きべそをかきながら逃げ出すマジカメモンスターたち。
彼らは包帯が絡み付いていることに気付かないまま走り去るのを、ジェイドとアズールは始終見ていた。
「……ふふふ。ご覧ください。慌てて走ると竜で絡み付いた包帯を踏んで転んでしまっている。面白い光景ですね。思い出のために、写真に撮っておきますか?」
「ジェイド……なんださっきの『踊れ』という命令は。あんなの打ち合わせになかっただろう!」
「もちろんアドリブですよ。彼らが僕をゴーストだと信じるためにより説得力が必要かと思いまして。いい駄目押しになったでしょう?彼らもすっかり信じていました」
「お前、楽しんでるだろう」
いけしゃあしゃあとしているジェイドを睨みつけていると、人間になったフロイドと寮生たちが出てきた。
「寮長!副寮長!お疲れ様でした」
「『干からびた人魚の呪い作戦』バッチリ成功しましたね」
「みなさんもご苦労様です。照明を消すタイミング、姿を消すタイミング、包帯を魔法で飛ばすタイミング……全て完璧でしたよ」
「あははっ!アイツらヤドカリみたいにビクビクしゃって、だっせーの!『許して~』だって!謝るぐらいなら最初からすんなよ。あーあ。オレもアイツら追いかけまわしたかったな~。エンゼルちゃんにも見せてあげたかったな~♡ジェイド、次は交換して」
「いいですよ。次の機会があったら交代しましょう」
気分のいいフロイドと喜ぶ寮生たち。そして、恐怖に怯え逃げ惑うマジカメモンスターたちを思い出いし、ジェイドの顔に笑顔が浮かんだ。
「ああ……今年のハロウィーンは愉快なことばかり起こりますね。マジカメモンスターsんたちにも楽しんでいただけたならいいのですが……」
「心配いりません。きっと、一生忘れられない特別なハロウィーンになったことでしょう」
「ふふふ……思い出に残ったのならなによりです」
「「ハッピーハロウィーン!」」
「「「ハッピーハロウィーン!」」」
思い出よりトラウマといってもいいほどの恐怖を与えた2人は、恒例の合言葉と共にフロイドたちと笑い合うのだった。