スケアリー・モンスターズ
突然体が動けず、口も開けなくなったマジカメモンスターたち。
その場で固まり続ける彼らに、サバナクロー寮生2人が現れた。
「あいつら一体どこに行ったんだ……」
(あっ、さっき私たちを追いかけてきたナイトレイヴンカレッジの生徒だ……)
「早く見つけないとまずいことになるぞ。あの観光客たちはなにも知らないんだ!万が一“呪い”の犠牲になっちまったらどうする!」
(の、呪い?)
サバナクロー寮生の会話に疑問を抱くマジカメモンスター。
そんな彼らの気持ちを余所に、サバナクロー寮生たちは話し始める。
「まさか展示品の中に、本物の海賊のお宝が混ざり込んでいたなんて……!」
「ゴーストになった今でも幽霊船でさ迷う恐ろしい海賊たち……自分のお宝に手を出す奴は絶対に許さないらしい。執念深く追い回して、命をも奪うとか……」
「もう何人もコロシアムに入ったお客が消えちまった。きっと海賊の呪いだぜ!」
((え、ええ~~~~~!!??))
サバナクロー寮生たちの話に、マジカメモンスターたちが声なき悲鳴を上げる。
時期がハロウィーンで場所が名門魔法士育成学校、そして今襲っている謎の現象のこともあり、彼らはその話を信じ切ってしまった。
「『触らないでください』って看板立ててたのにまさか宝に手を出すヤツがいるなんてよぉ!」
「このままじゃ海賊のゴーストに襲われちまうぜぇ!早く探し出さねえと!おーい、本当にいないのかー!」
(ここにいるって!……返事したいのに、口が動かないっ!)
声を出して返事をしたくても、口が動かないマジカメモンスター。
しかしそのせいで、サバナクロー寮生たちはいないと勘違いしてしまう。
「…………返答なないな。あっちを探そう!」
「おうっ!」
(待って、行かないで!ここにいます!気付いて!)
しかしその願いは届かず、サバナクロー寮生たちは別の場所へ行ってしまう。
(そんな……置いて行かれちゃった)
(このまま永遠に、ここで固まったまま?そんなの嫌すぎる!)
((た……た……))
「「助けて――――!」」
2人が心の中で助けを求めた直後、閉じていたはずの口が開き声が出たことに気付いた。
「……はっ!く、口が開いた。手足も自由に動くよ!」
「よかったああ!呪いがとけたのか?」
「きっとそうだよ!今のうちにコロシアムから出よう!またカチコチになるとか勘弁だし」
そうして自由になったマジカメモンスターたちが逃げた後、物陰からレオナとラギー――さっきまで2人を襲っていた現象の原因が現れる。
「シシシッ……アイツらガタガタ震えてたッスね。かわいそ~」
「はっ。せめてそのニヤニヤ笑いをやめてから言ってやれ。……俺とラギーのユニーク魔法で、お膳立ては完璧にやった。あとはジャックがうまくやるだけだ。1年の意地を見せてもらおうじゃねぇか」
2人がそんな会話をしていることも知らず、マジカメモンスターたちは出口へと向かう。
「もうすぐで出口が見えてくるかな」
「はあ~ほんと最悪。こんなに変なことばっかり起こるなんて……」
「だな~~。でもハロウィーンらしい思い出ができたとも言えるじゃん?あーあ。せっかくなら動画撮っときゃ良かった。宝物が砂になるとかマジカメでバズりそう……」
性懲りもせずそういった直後だ。
ザリッ…………ザリッ…………とどこからか音が聞こえてきた。
「え?今のなんの音……?」
「知るわけねえじゃん。なにかを引きずってるっぽい音だけど……」
ザリッ………ザリッ………と引きずる音が、マジカメモンスターたちに近づいてくる。
「おーまーえーたーちぃ――――……」
そしてその音と共に霧が深くなり、低く恐ろしい声がコロシアム中に響き渡る。
「ひっ!いいい、今の誰の声!?」
「薄汚ぇ……盗人めぇ―――……」
「ぬ、盗人!?なんの話!?」
謎の声の言葉にそう問いかけるも、ザリッ……ザリッ……と例の音がどんどん近づいてくる。
「俺たち海賊がどんな思いでお宝を集めたか……お前たちには想像もできねえだろう……。時には嵐の海に落ち……時には何日も飲まず食わずで倒れ……仲間を失いながら、それでも航海を続けてきた……。ヨオオォォ―――――………ホオオォォォ――――――…………」
不気味な呼び声と共にザリッ…ザリッ…と音が短くなる。
その声と音に、マジカメモンスターたちは顔を真っ青にさせる。
「これ……まさかさっきの人たちが話してた海賊のゴースト!?」
「もう許してもらえたんじゃなかったの!?」
「俺たちには覚悟があった。お宝のためなら命を懸けてもいいっつー覚悟がな……」
叫ぶマジカメモンスターたちの言葉を無視し、声の主は言う。
「お前たちはどうだ?」
ザリッザリッ!とついに音の間隔がなくなり、片割れが震えながら言った。
「ね、ねえ。音がとんどん近づいてきてる……!」
「どこにいるんだ!?」
怯えるマジカメモンスターたちが再び叫んだ直後、
「俺たちが必死にお宝に手を出すってことは…………俺らと戦う覚悟があるってことだよなぁ!!」
「ぎゃ――――!!出た―――!!!」
「ゴ、ゴーストだ―――!!」
ザリッ!!ザリッ!!と音と共に、海賊のゴースト――ジャックが現れる。
突然の登場にマジカメモンスターたちは悲鳴を上げた。
「海賊のお宝に手をつけたヤツがどんな目に遭うのか……その身をもって思い知れ!がおー!」
その咆哮と共に、ジャックはマジカメモンスターたちに襲いかかった。
その場で固まり続ける彼らに、サバナクロー寮生2人が現れた。
「あいつら一体どこに行ったんだ……」
(あっ、さっき私たちを追いかけてきたナイトレイヴンカレッジの生徒だ……)
「早く見つけないとまずいことになるぞ。あの観光客たちはなにも知らないんだ!万が一“呪い”の犠牲になっちまったらどうする!」
(の、呪い?)
サバナクロー寮生の会話に疑問を抱くマジカメモンスター。
そんな彼らの気持ちを余所に、サバナクロー寮生たちは話し始める。
「まさか展示品の中に、本物の海賊のお宝が混ざり込んでいたなんて……!」
「ゴーストになった今でも幽霊船でさ迷う恐ろしい海賊たち……自分のお宝に手を出す奴は絶対に許さないらしい。執念深く追い回して、命をも奪うとか……」
「もう何人もコロシアムに入ったお客が消えちまった。きっと海賊の呪いだぜ!」
((え、ええ~~~~~!!??))
サバナクロー寮生たちの話に、マジカメモンスターたちが声なき悲鳴を上げる。
時期がハロウィーンで場所が名門魔法士育成学校、そして今襲っている謎の現象のこともあり、彼らはその話を信じ切ってしまった。
「『触らないでください』って看板立ててたのにまさか宝に手を出すヤツがいるなんてよぉ!」
「このままじゃ海賊のゴーストに襲われちまうぜぇ!早く探し出さねえと!おーい、本当にいないのかー!」
(ここにいるって!……返事したいのに、口が動かないっ!)
声を出して返事をしたくても、口が動かないマジカメモンスター。
しかしそのせいで、サバナクロー寮生たちはいないと勘違いしてしまう。
「…………返答なないな。あっちを探そう!」
「おうっ!」
(待って、行かないで!ここにいます!気付いて!)
しかしその願いは届かず、サバナクロー寮生たちは別の場所へ行ってしまう。
(そんな……置いて行かれちゃった)
(このまま永遠に、ここで固まったまま?そんなの嫌すぎる!)
((た……た……))
「「助けて――――!」」
2人が心の中で助けを求めた直後、閉じていたはずの口が開き声が出たことに気付いた。
「……はっ!く、口が開いた。手足も自由に動くよ!」
「よかったああ!呪いがとけたのか?」
「きっとそうだよ!今のうちにコロシアムから出よう!またカチコチになるとか勘弁だし」
そうして自由になったマジカメモンスターたちが逃げた後、物陰からレオナとラギー――さっきまで2人を襲っていた現象の原因が現れる。
「シシシッ……アイツらガタガタ震えてたッスね。かわいそ~」
「はっ。せめてそのニヤニヤ笑いをやめてから言ってやれ。……俺とラギーのユニーク魔法で、お膳立ては完璧にやった。あとはジャックがうまくやるだけだ。1年の意地を見せてもらおうじゃねぇか」
2人がそんな会話をしていることも知らず、マジカメモンスターたちは出口へと向かう。
「もうすぐで出口が見えてくるかな」
「はあ~ほんと最悪。こんなに変なことばっかり起こるなんて……」
「だな~~。でもハロウィーンらしい思い出ができたとも言えるじゃん?あーあ。せっかくなら動画撮っときゃ良かった。宝物が砂になるとかマジカメでバズりそう……」
性懲りもせずそういった直後だ。
ザリッ…………ザリッ…………とどこからか音が聞こえてきた。
「え?今のなんの音……?」
「知るわけねえじゃん。なにかを引きずってるっぽい音だけど……」
ザリッ………ザリッ………と引きずる音が、マジカメモンスターたちに近づいてくる。
「おーまーえーたーちぃ――――……」
そしてその音と共に霧が深くなり、低く恐ろしい声がコロシアム中に響き渡る。
「ひっ!いいい、今の誰の声!?」
「薄汚ぇ……盗人めぇ―――……」
「ぬ、盗人!?なんの話!?」
謎の声の言葉にそう問いかけるも、ザリッ……ザリッ……と例の音がどんどん近づいてくる。
「俺たち海賊がどんな思いでお宝を集めたか……お前たちには想像もできねえだろう……。時には嵐の海に落ち……時には何日も飲まず食わずで倒れ……仲間を失いながら、それでも航海を続けてきた……。ヨオオォォ―――――………ホオオォォォ――――――…………」
不気味な呼び声と共にザリッ…ザリッ…と音が短くなる。
その声と音に、マジカメモンスターたちは顔を真っ青にさせる。
「これ……まさかさっきの人たちが話してた海賊のゴースト!?」
「もう許してもらえたんじゃなかったの!?」
「俺たちには覚悟があった。お宝のためなら命を懸けてもいいっつー覚悟がな……」
叫ぶマジカメモンスターたちの言葉を無視し、声の主は言う。
「お前たちはどうだ?」
ザリッザリッ!とついに音の間隔がなくなり、片割れが震えながら言った。
「ね、ねえ。音がとんどん近づいてきてる……!」
「どこにいるんだ!?」
怯えるマジカメモンスターたちが再び叫んだ直後、
「俺たちが必死にお宝に手を出すってことは…………俺らと戦う覚悟があるってことだよなぁ!!」
「ぎゃ――――!!出た―――!!!」
「ゴ、ゴーストだ―――!!」
ザリッ!!ザリッ!!と音と共に、海賊のゴースト――ジャックが現れる。
突然の登場にマジカメモンスターたちは悲鳴を上げた。
「海賊のお宝に手をつけたヤツがどんな目に遭うのか……その身をもって思い知れ!がおー!」
その咆哮と共に、ジャックはマジカメモンスターたちに襲いかかった。