スケアリー・モンスターズ

「お前たち、まさか……」

「え~!先生ったらやだなぁ。オレたちいつも素直ないい子じゃん♪」

「皆さん、事態の重さを深刻に受け止めているんですよ」

「ハロウィーンパーティーが無事に開けるようアタシたちはただ祈るしかないわ……」

「……。……もう一度言っておく。私たちの指示を待つんだ。くれぐれもおかしな真似をするんじゃないぞ」

「まあまあ。トレイン先生。生徒を心配するお気持ちはよくわかりますが……そう目を吊り上げることもないでしょう。普段はヤンチャな仔犬どもですがハロウィーンを楽しみにする気持ちは人一倍です。
 まさかハロウィーン前日の今日にが木って問題行動などするわけがない!我々教師も、今日は総出でお客様の対応にあたるとしましょう。そうすれば仔犬どもにも……心と……時間の余裕ができるはず。そうだな?バッドボーイども」

「ふふふ……はい。ご協力ありがとうございます」

「あっ。そろそろ10時だ~。今日のお客さんが来るから、持ち場につかないと♪」

「全員わかってるわね。……大切なお客様に最高のハロウィーンを届けてあげましょう!」

「「「おう!」」」

ヴィル先輩の言葉に全員が元気よく返事する。
この調子なら、夜までに準備が整うはずだ。

(さて、私も準備しないとね……)

そう思った瞬間、頭痛がひどくなって思わずしゃがみ込んでしまった

「ロゼッタ大丈夫なんだゾ?・・・・ふな゛っ!!??ロゼッタのおでこ   

むちゃんこ熱いんだゾ!!」

「「!?」」

「ロゼッタ、部屋に行って休みなさい」

「でも・・・」

「いままで、良く対応してくれた…あとは教師たちに任せなさい」

「ランタン君・・・・いる?」

『なぁに?』

「私の代わりにみんなのこと手伝ってあげてほしいの」

『わかった♪』

「ロゼッタ早く休んだ方がいい」

レオナさんが心配そうな顔つきで私のことを見る

「お言葉に甘えて休ませてもらいます」

「お前が次起きたときにはすべて終わってる…だから、安心して寝ろ」

そういって頭をなでてくれるレオナさん。それが心地よくって、ベッドに着く前に寝てしまった。

その様子を見た者たちが、マジカメモンスター絶対許さないと思っていたことを、ロゼッタは知らない

___

メインストリートにあるリンゴの木。

その後ろでロゼッタの両親は、今までの会話を聞いてくすりと笑った。

「ふふっ、『ハロウィーンウィーク』を利用するなんて……いい考えね。この時期に“悪いゴースト”が見えたって問題ないもの」

「それよりも、ロゼッタの体調が心配だ」

「今晩寝てれば、治りますよ。・・・・私も手を貸しましょう。偽物でも仮装でもない……“本物のゴースト”を用意してあげるわ」

そう言うロゼッタの母は、冷酷で極悪で、それでいて美しい笑みを浮かべていた。
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