ゴーストマリッジ

エペル「お願いします。僕と結婚してください!」

エース「他の奴によそ見なんかすんなよ。オレと結婚してください!」

リドル「・・・どうか僕を貴女の結婚相手に選んでもらえませんか」

ルーク「美しい君よ。私を永遠に”愛の僕”にしてほしい」

華やかなドレスに身を包んだ4人。それぞれが、花嫁のためのポロポーズを並べる。

そんな彼らあの背後に立つ私とユウとグリム君はその言葉に聞きほれていた

「…これで、花嫁さんが落ちてくれればいいのだけど」

監督生「そうですね」

こんなことになってしまったのは…ほんの数時間前にさかのぼる

**
グリム「やだやだあ~。オレ様雑巾がけなんてしたくない~」

差し出された雑巾を受け取らず、駄々をこねるグリム君。

ある日の休日。

今週オンボロ寮担当だった私は、ユウと結託し、オンボロ寮を掃除することになったのだが…

廊下の雑巾がけを、ユウとグリム君どちらがやるのかじゃんけんをして、グリム君が負けたのだが、このありさまだ

監督生「じゃんけん負けたの、グリムでしょう?」

グリム「もう1回、もう1回だけ勝負なんだゾ!」

監督生「それ言うの何回目よ、グリム。ロゼッタさんもなんか言ってやってください!」

「ははは」

グリム「今度こそ負けな‥「こらーっつ!!!」

負けないとグリム君が言おうとした瞬間、この場にはない声が聞こえた

監督生「何!?」

グリム「ふな゛っ!?」

「!?」

その声に驚き、声の方を振り向く。そこにいたのはゴーストだった。だが、いつもここにいるゴーストとは違い、白い制服のようなものを着ている。

ゴースト「薄汚い子ネズミども!ここで何をしている!」

グリム「何だ、いつものゴースト…じゃねえな」

ゴースト「この屋敷は姫様の迎賓館で立ち入り禁止だ!」

グリム「姫様?迎賓館?…意味わからねえけど、ここはオレ様の寮だ。よそ者はオマエたちの方なんだぞ!」

「グリム君、ユウも寮生でしょう?」

監督生「いいですよ、ロゼッタさん。もう慣れたので」

ゴースト「戯言を。お前のような若造が生まれるずっと前から、この屋敷は我が国のものと決まっている!」

我が国?どういうこと?

ゴースト「出ていかないようなら、痛い目に合わせてやる」

監督生「穏便に行きましょうよ!」

ゴースト「問答無用だ」

いつの間には増えていた白い制服のゴーストさんたちより、私とユウ、グリム君はオンボロ寮から追い出されたのである。
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