王子様と秘密のお嬢様 番外編

ロゼッタは急激な腹痛により起床した。ロゼッタはこれを女性特有の月に1度来る痛みであると瞬時に判断した。ロゼッタの症状は軽い時と重い時の差が激しいのだが、今回は重い方だったらしい。ロゼッタは、何気ないような顔で過ごしていたが、やはり痛みが激しい。ついには廊下に座り込んでしまった。

ロゼッタSide
午前中は何とか痛みに耐えられたけど、もう無理…
「助けて…」

???「ロゼッタ?大丈夫か?」

この声は…

「レオナさ・・ん」

レオナさんの声を聴いた瞬間、安心して、泣きそうになった。助けてほしいが、うまく言葉にできなくてどうしようと思っていたとき、レオナさんは私にこう言った。

レ「・・他の奴らには体調不良って言っといてやるから・・今日はもう休め。」

さりげない気遣いがうれしくて我慢していた涙が溢れた。レオナさんはその涙を優しく拭うと、私を優しく抱きかかえ、レオナさんの部屋まで運んでくれた。

レ「我慢すんじゃねぇぞ。つらいなら頼れ。」

レオナさんにそう言われて気付いた。最近の自分は、何でも自分で解決しようって抱え込んでいたなと。レオナさんの優しさに甘え、ベッドで寝た。

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レオナSide
アイツの血の匂いがする。何かあったんじゃと探していると弱弱しい声が聞こえた。

ロゼッタ「助けて…」

「ロゼッタ?大丈夫か?」

ロゼッタ「レオナさ・・ん」

さっきは遠かったからわからなかったが、この血の匂い・・・まさか、月のものか?そういや姉貴が『レオナ、よく聞きなさい。”月のもの”の痛みはね、酷い人と酷くない人がいるの。王宮に努めている女性は鍛えているものが多いから、痛みは少ないけど、王宮の外の人は違う。そういう子がいたら助けてあげるのよ。』って言ってたな。

午後の仕事は休ませるか…

レ「・・他の奴らには体調不良って言っといてやるから・・今日はもう休め。」

俺の言葉に安心したのか、泣くロゼッタ。その涙を拭い、痛みを感じさせないように優しく抱きかかえ、俺の部屋に運んだ。アイツは抱え込みすぎなところがある。甘やかすってことを教えねぇとな。

レ「我慢すんじゃねぇぞ。つらいなら頼れ。」

俺が頭を優しく数回撫でたら、安心したのか寝た。
暫くは起きねぇだろうが、アイツが起きたときのために温かいものを用意しといてやろうと思い、俺は部屋を後にした。

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『月のもの』の時に何をすべきか監督生に聞きに行ったり、ラギーに食べやすいものを作らせたりしたというのを後日聞いたロゼッタは、レオナに深く感謝しました。この件をきっかけに二人の絆がもっと深まったそうです。

                               Fin.
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