終わりの始まり

宴が終わりました。ついてきてくれた学生さんたちはみな喜んでくれてうれしかったです。お義父様は宴の途中からずっと泣いていました・・・
学生さんたちには冷ややかなな目をされていましたが、まあ大丈夫でしょう。

王様が部屋を用意してくださったのですが、驚くことに、レオナさんと同室にされてしまったのです。王様のご厚意なので断わるわけにもいかず…
一緒の部屋にいると思うと緊張してしまって何もしゃべれない。どうしよう。

レ「緊張してんのか?」

「す、すこし」

本当はすごく緊張しているけれど、少しだけといったら、レオナさんは私の横に座り、笑いながら私の髪をなでた。

レ「お前、緊張しすぎだろ。」

「す、すこしだけです」

レ「俺に嘘が通じると思ったか。緊張してるのがまるわかりだぜ。仔猫ちゃん。」

「なんでもお見通しなんですね。その瞳は。」

レ「あァ、そうだ。」

私のことをわかってくれる。こんなにうれしいことはない。ありがとうという意味を込めてレオナさんの方へもたれかかると、レオナさんは私にこう言った。

レ「これで、お前は正式に俺の婚約者になる。・・・俺は第2王子だ。国のヤツらがお前に悪口を言ったとしてもすべて俺のせいだ。お前は悪くない。お前にとって王宮は住みにくい環境かもしれねえ。それでも俺についてきてくれるか?」

声のトーンが小さい。レオナさんったらそんなこと気にしなくてもいいのに…けれど、悩んでいるのですね。オバーブロットを起こしてしまった、あの時のように。

「そのようなこと、私は気にしません。言いたい人には言わせておけばいいんです。私にとっての王は‥いいえ、愛しているのはあなたなんです。あなたがどんな選択をしても私はそれについていきます。」

そういうと私は恥ずかしながらレオナさんの頬にキスをした。レオナさんは目を見開いて驚くが、すぐに笑顔になって・・・

レ「随分と可愛いことしてくれるじゃねぇか。こっちにはしてくれねぇのか?」

そういって口の方を指さす。

「そ、それは恥ずかしいです」

そういった瞬間レオナさんは私の唇にキスをした。

「な、な」

レ「はっ、なんて顔してんだよ。」

レオナさんに笑顔が戻る。私は恥ずかしすぎて恐らく顔は真っ赤だろう。
だけれど、宴で疲れたのか急に眠気が襲ってきた。そんな私の気持ちがわかったのかレオナさんは私を抱き上げベッドに寝かせる。

レ「ふぁ~。寝るぞ。」

レオナさんはそういって私のことを抱きかかえると、眠ってしまった。私はそのあとの記憶がない。
疲れていたのか次に目を覚ました時はもう朝日が昇っていた。
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