終わりの始まり

ロゼッタSide

久しぶりに熱砂の国に来ました。お義父様が3日間の滞在許可をくださったのです。王に会うと、謝罪をされた。ルシファー家に権力を渡したのは自分の責任であると。王に責任があるわけではないので、顔をあげてもらった。他の貴族の方々も、ルシファー家に圧力をかけられていたらしい。私がその権限を受け継ぐと伝えると喜んでくれた。

熱砂の国の王「ルシファー家、特に、アリアドネはとても話せるような精神状態とは思えん。それでも会うか?ロゼッタよ。」

「はい。覚悟はできています。」

熱砂の国の王「そうか。」

そのような会話をした後私は牢へと案内された。ジャミル君が護衛としてついてきてくれるらしい。

「カリム君の護衛はしなくてもいいの?」

ジャミル「カリムは今実家に帰ってます。俺の両親が見ているので大丈夫です。あなたを1人でこんなとこに行かせるわけにはいかないので。」

「従者って感じが抜けないわね。気楽に接してくれてかまわないのに。」

ジャミル「そういうわけには。」

「あなたの考えは、わかったわ。学園の中だけでも、普通に接してね。」

そんな会話をしているうちに牢屋に到着したみたいだ。

牢の番人「ロゼッタ様がおいでになられた。罪人は前へ。」

ヘドラ「オイ、お前。今まで育ててもらった恩を忘れたのか。」

牢の番人「ロゼッタ様に向かってなんて口を。罪人ごときが。」

番人さんはヘドラを叩いた。私はこれ以上この人の顔を見たくなかったので言いたいことを言った。

「番人さんやめてください。」

牢の番人「はい。かしこまりました。」

「そんなことがよく言えますね。私にロクな食事も与えず、暴力をふるい、精霊の加護があるからと無理難題を押し付けてきたというのに、育ててもらった恩?そんなものあるはずがないでしょう。素直に謝ってくれたのなら、罰を少なくしてほしいと王に懇願する予定でしたが、そんなことする必要はなさそうです。今までの悪行を悔いて反省してください。」

私はそういうと、ヘドラのもとを去った。足が震えてしまっている。アリアドネのところにもいかなくてはならないのに。

ジャミル「ロゼッタ様、大丈夫ですか?熱砂の国の滞在期間はまだあります。今日中に罪人のところへ行かなくてもかまいませんが…」

「大丈夫です。行きましょう。」

外では、レオナさんやユウ、グリム君も待っててくれている。大丈夫。私は1人じゃない。勇気を振り絞って、アリアドネに会いに行った。

アリアドネ「私は、愛されている。私は、愛されている。私は、・・・・」

アリアドネのところへ行くと、同じようなことをずっと繰り返していた。

「こんにちは。アリアドネ。」

アリアドネ「ああ、レオナ様、会いに来てくださったのですね。」

私のことをレオナさんだと勘違いしている。

「私はレオナさんではありません。ロゼッタです。今のあなたにどんなことを言っても耳に入らなさそうなので、言いたいことだけ言います。あなたと、良い関係を築けていたならこのようなことにはならなかったでしょうね。どんな罰があなたに下されるかわかりませんが、それを受け止めて償ってください。では。」

私は言いたいことだけ伝えるとアリアドネのもとを去った。牢の外へ出ると、ユウ、グリム君、それにレオナさんが待っていてくれた。

グ「やっと、出てきたんだゾ!!」

監「大丈夫でしたか?」

「心配してくれてありがとうユウ。大丈夫よ。ジャミル君もついてきてくれてありがとう。」

ジャミル「俺は大したことはしてませんから。」

レ「言いてぇことは言えたか?」

「はい。」

グ「今日は、宴だって言ってたんだゾ!腹いっぱいおいしいもの食うんだゾ!!」

監「ちょっと、グリム!!あ~行っちゃった。グリム追いかけますね。それじゃあまたあとで。」

ジャミル「俺もアジーム家にいったん戻ります。二人ともお気をつけて。」

レオナさんと二人きりになった。レオナさんは王族という形で来ているため着ているものがいつもと違う。カッコよすぎて直視できないでいる。

レ「カッコイイねぇ。婚約者にそう言われるのは悪くねえなァ。」

「ど、どうして私の思っていることがわかったんですか!?」

レ「声に出てたぜ。仔猫ちゃん。」

そういって優しく頭を撫でるレオナさん。

「私の名前は仔猫ちゃんじゃありません。」

私がそういうとレオナさんは私の髪にキスをし・・・・

レ「あなたが美しいばかりに、あんな言い方をしてしまいました。お嬢様のお顔を曇らせるつもりはなかったのです。何卒お許しを。どうか私にあなたの愛らしい笑顔を向けてくださいませんか。」

私たちが初めて会ったときのようなことを言った。そんなことをされたら、怒る気にもなれなかった。

「もう。レオナさんったら。」

レ「やっと、笑ったな。」

「え?」

レ「外に出てきた時からずっと、顔が暗かった。アイツらはそれをわかってて俺ら二人きりにしたんだろうぜ。」

そうか、私は、暗い表情を。

「暗い気分はこれで終わりです!!宴、楽しみましょうね。」

宴の時間まで私はゆったりとした時間を過ごした。
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