終わりの始まり

エリーゼSide

???「起きて。・・・起きて。」

私はその声で目が覚めた。

「ここはどこ?」

???「お前はここにいてはいけない。」

「え?」

???「お前がここに来るのはまだ早い。さあ、帰りなさい。」

「あなたは誰なの?」

私がその言葉を口にした瞬間、暗闇だった空間に光が差し込んだ。そこに立っていたのは……

「お父様!お母様!」

私が気付いた時には2人は消えかかっていた。

「待ってください。私を・・私を2人のところへ連れて行ってください!」

ロゼッタ父「それはできない相談だな。」

ロゼッタ母「あなたはまだ生きなくてはなりません。こんなところに来てはいけないわ。あなたの頑張りは私たちが一番よく知ってる。今まで頑張ったわね。」

お父様とお母様の言葉を聞いた途端、今まで抑えていた涙が溢れてきた。私のことを見ていてくれたんだという安心感がそうさせたんだと思う。二人は私のその姿を見て、私を包み込むように抱きしめた。

ロゼッタ母「よしよし、いい子ね。」

ロゼッタ父「昔は可愛かったが、美しくなった。さすが我が子だ。」

私が泣き止むまで、ずっと抱きしめてくれた。そのぬくもりに触れられたことが嬉しかった。少し落ち着いた後、お母様は私にこう言った。

ロゼッタ母「ロゼッタ。さっきも言ったけれど、あなたはここにきてはダメよ。帰りなさい。」

「どうやって帰ればいいのですか?」

ロゼッタ父「声がする方へ行きなさい。そしたら、帰れるはずだ。」

声なんて聞こえない思ったとき、かすかに声が聞こえた。

???「お・・・す・・・くれ・・・た」

誰の声?

ロゼッタ母「あなたのことを心配してくれてる人の声よ。愛されてるのね。姿を見せてあげる。」

お母様の力により声とともに姿がはっきりとわかるようになった。声の持ち主は…レオナさんだった。

「…帰りたい。」

そのときレオナさんの声がはっきりと聞こえた。

レ「早く目を覚ましてくれ。」

今まで、あなたの気持ちを受け止めきれなかった。けど…・私はその事実から目を背けていただけだった。帰りたい、あなたのところへ

そう思ったとき、光の道ができた。

ロゼッタ母「その道に沿っていけば帰れるわ。幸せになってから、またここに来なさい。自分らしくね。」

ロゼッタ父「レオナ様によろしくな。」

「…お父様、お母様…さようなら。」

ロゼッタ母「あなたのこと愛しているわ。」

お母様の声が聞こえたとき、振り返ったが、そこには誰もおらず、光が大きくなって・・・・現実世界へと帰ってきた。
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