終わりの始まり

~学園長 回想シーン~

クロウリー「こんにちは。寒いのに貴方はどうしてそんな恰好をしているんです?」

ロゼッタ「あ、あなたは?」

クロウリー「申し訳ありません。驚かせてしまいましたね。私の名前はディア・クロウリー。貴方の名前を教えていただいてもよろしいですか?」

ロゼッタ「私はロゼッタ・シャーティーといいます。」

クロウリー「突然なのですが、あなたを引き取らせていただけませんか?」

ロゼッタ「え?」

クロウリー「何故かはわからないのですが、貴方が私の夢に出てきましてね。助けを呼んでいたんですよ。・・・見たところ貴方は食事もとっていないように見えますし‥‥何か所か痣がありますねえ。」

ロゼッタ「わ、私をここから救い出してくれますか?」

クロウリー「ええ、約束します。このような目にはもう二度と合わせないと。」

ロゼッタ「私を連れて行ってください。なんでもします。」

                   ~学園長 回想シーン Fin~

監督生Side

クロウリー「あの子は泣きながら私にああ言ったんです。こうして、私は彼女を引き取り育てることにしました。名前がそのままだとバレてしまう。ですから新しい名前を付け、容姿も変えました。」

ロゼッタさんの過去は思っていたものより壮絶なものだった。空気が重たい。

ジャック「そんなことが・・・」

デュ「でも、アリアドネはどうしてロゼッタさんに成りすます必要があるんだ?」

クロウリー「おそらくですが、キングスカラー君と結婚して、ルシファー家の絶対の力を確立するためでしょう。ロゼッタは死んだことにはなっていませんから。」

ヴィ「今回毒を盛った理由は・・・」

監「ロゼッタさんを殺害して、自分がレオナ先輩と結婚するため?」

クロウリー「そうでしょうね。何故あの子が本物のロゼッタだと発覚したのかわかりませんが‥‥‥」

フ「でも、なーんでエンゼルちゃんは助かったの?」

カ「あの毒をいつ摂取したのかわかんねえけど、あの症状だけっていうのはあり得ないぜ。」

ジャミル「カリムの言うとおりだ。あの毒は血を吐く前に吐き気、痙攣など他にも様々な症状が出るはず。何故、何の前触れもなく血を吐いたりなんか…」

どういうこと?と思っていたときいきなり水流が現れ、水流の流れとともに声が聞こえた。

???『それは私たちから説明しましょう。』

監「あなたはウィンディーネさん!!」

ウィンディーネ『みなさん、ごきげんよう。』

クロウリー「まさか、あの子は精霊の力を使って毒の巡りを遅くしたのですか!?」

ウィンディーネ『ええそうです。私が、水の力で毒の効果を薄め、メリッサが免疫力を極限まで高めました。あの子が毒を飲んだと気づいたのは、あの子がその毒を摂取したときでした。それをあの子に言ったら、「私に嫌がらせをしたという決定的な証拠になる。これは自分の力で解決するべきこと。お義父様に迷惑はかけられない」と言ったわ。』

クロウリー「迷惑なわけないじゃないですか。それに、ロゼッタが嫌がらせを受けている証拠は他に見つけていたのですから、そこまでする必要はなかったんです。・・・ですが、私のせいですね。早くそのことを言っていればこんなことには」

悔しそうな涙声でそう言った学園長。そんな時、今まで黙っていたレオナさんが言った。

レ「クロウリー。ロゼッタにかかってる魔法を解け。」

学園長は戸惑っていたが、やがて、ロゼッタさんにかかっていてであろう魔法と解除した。今まで、黒髪だった髪の毛はグレーがかった銀髪に。レオナ先輩たちのように耳がある。獣人族だったみたいだ。今まで、美人だと思っていた顔は、目を閉じているからよくわからないが、おそらくかわいい系の美人であろう。

ケ「獣人族だったんだね…」

グ「姿が全然違うんだゾ」

本当のロゼッタさんの姿を見て、こんな目に合わせたアリアドネを許すわけにはいかない。そう心に誓った。
 
長居してても仕方がないとリドル先輩に言われ、ハーツラビュルをはじめ多くの人が、早く目が覚めるようにといいながら保健室を退室した。残ったのは、私とグリム。それにレオナ先輩含むサバナクローの人たちだった。

レ「・・・・草食動物どもは帰れ。ラギー達もだ。」

レオナ先輩の声にはいつもの覇気がない。その様子がわかったのかラギー先輩とジャックは退室した。

ラ「ウイーっす。」

ジャック「わ、わかりました。」

グ「オレ様、目が覚めるまでここにいたいんだゾ。」

「グリム、帰るよ」

私もグリムも目が覚めるまで、ここにいたかったが、レオナ先輩ロゼッタさんと二人きりにしてあげた方がいいと思って、暴れるグリムを抱きかかえ帰ることにした。
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